乂阿戦記4 第一章 蒼の魔法少女狗鬼絵里洲の子守騒動-1 勉強はしとこう
第一章 蒼の魔法少女狗鬼絵里洲の子守騒動
雷音は唸る。
ッ!!!!!!ちくしょうめえええぇぇぇえっ!!!!!!!!!……ハァハァ……落ち着けぇええぇいっ!!!冷静になれよぉおおぉぉっ!!!! すぅーー………………ふぅぅ……。よし、だいぶ落ち着いてきたみたいだな?じゃあそろそろ行くとするかねぇ〜!さてまずは最初の『知力の勉強勝負』だ!ここは絶対に負けられない戦いとなるだろうからな……気合い入れて行くぜぇっ!!マジで負けるわけにはいかねーんだよぉっ!! よっしゃあ行くぞぉおっ!!覚悟しろおおぉおおおっっ!!!!!
無駄な気合を入れつつ雷音は第一の対抗戦テスト試験対決の臨んでいた。
(数分後……)
ああぁぁあぁあああぁああぁあぁああぁぁああぁっ!!!!!!負けたぁあぁぁぁああっ!!!!畜生めぇええええええええっっ!!!!ちくしょぉぉぉおおおおおおっっっっ!!!!!!!!!!チクショォオオオッッ!!!!うわぁああああんっ!!! もうヤダァアアッ!!死にたいィイイッ!!誰か殺してくれェエエッ!!頼むゥウウッ!!誰でもいいから殺してくれよォオオッ!!うわぁぁぁああぁぁあんっっ!!!!」
……その後しばらくの間、彼の悲痛な叫び声が響き渡ったとかなんとか……。
〜数時間後〜
「うぅぅっ……グズッ……ヒック……ひぐっ……」
グスンッ いやもうマジで泣きたいんですけど……ていうか既に泣いてるんだけどさ、でもまだ負けてないもんねっ!まだ終わったわけじゃないんだからねっ!!だから全然余裕だもんねーっ!!
勉強勝負対決で、全然問題が解けなくて、泣きべそかいているのは雷音1人ではなかった。
学校の問題児軍団の中でも特に成績が悪い、フレア、絵里洲、アキンド、イポス達がアウアウいいながら答案用紙に書けない答えを書き込もうとしていた。
ちなみにクラスの筋肉馬鹿キースは、図太い神経してるのかテスト用紙にめちゃくちゃ適当な回答を書いた後、グースカイビキをかき安眠していた。
いっそ清々しい。
この6名以外の問題児メンバーは余裕綽綽に答案用紙に答えを書いている。
彼らは素行に問題があるだけで、成績自体はすごぶる良い。
というか学園トップクラスだ。
雷音は自分と同じ顔と身体能力を持つ獅鳳に恨みがましい視線を送る。
「な、何故だ獅鳳!? 俺とお前は魂の双子のはず! お前ができる事は俺もできるはず? ドッペルゲンガーの如く瓜二つの俺達なのに、何故お前だけ女子人気とテスト成績がいいんだ!?」
そんな疑問に対し、彼は爽やかな笑顔で答えた。
「フッ……それは簡単な事だ、雷音……俺はイケメンだからな。イケメンですまない」
「……なるほど、理解した」
アホな冗談に納得しつつ落ち込む雷音にクラスメイト達が声をかける。
雷音と同じ赤点組アキンド、イポス、キース、絵里洲、フレアの5人だ。
「まぁ元気出せよライオンン〜」
「そうそう気にすんなって♪」
「……つーかお前らだって似た様なモンだろうがっ!!」
そう言いつつ皆の顔を見渡すが確かに彼らもまたバカ揃いであった……。
そしてそんな彼らの表情はと言うと…………やはり死んだ魚のような目をしていたのだという……解せぬ……!!
……………………まあそれはそれとして、第一試合は確実に我等バカ6人衆が足を引っ張って、アカデミア学園に負けただろう。
次の第二試合で巻き返さないといけない!
そのためにはまず作戦会議が必要だ!!!
第2回戦は音楽センスを競う種目でありその審査員を務めるのはかつてこの学校で教師をしていた元音楽家にして現在はプロの歌手である女性だった。
名はヴァルシア・エンジェルと言うらしい……。
……ふむ、どっかで聞いた名前だな。
苗字がエンジェルって事はウチのクラスのルシルの身内かな?
と思った矢先のことである…………
ヴァルシア先生からとんでもないことを聞かされる。
なんとアカデミア学園から出場する、音楽勝負の代表選手の中には、今をトキメク絶対無敵アイドル、ブリューナクのメンバーとザ・メフィストのメンバーが名簿に乗っていた!
「マジかよおいぃっ?!これはヤバいぞやばいぞまずいぞヤバすぎるぞおおおぉぉぉっっっ!!!!!(大興奮中)やべぇよマジやばくないかこれすげぇ展開じゃねぇかオイイイィィィッッッ!!!!まさかあの伝説のアイドルグループとまた再会して対バンできるなんて夢にも思ってなかったぜぇっ!!こりゃあ俄然やる気が出てきたってもんだぜえええええええっ!!!!やったるでえええいぃいぃぃーーーっっ!!!!オラァッ!!待ってろよブリューナクよっ!!!!俺様のドラムの超絶技巧テクニックの数々を見せてくれるわぁあっ!!!!ふはははははっ☆*:.。..o○ヽ(^▽^)」
「……ねえ、雷音の奴なんかテンションヤバくない? いくらブリュンヒルデさん達にまた会えるからってアイドルにあんなにはしゃぐ奴だっけ?」
絵里洲がヒソヒソとアキンドに耳打ちする。
「ああ、雷音の奴、以前ブリューナクと対バンして以来、すっかりファンになっちまってなあ。あいつ今ブリューナクの推し活にメッチャどハりしてるぜ!」
「この前も、俺たち3人で学校抜け出してライブコンサート見に行ったりしたんだぜ!」
アキンドに続いてイポスが答える。
「それを婚約者のミリルちゃんに見つかって、嫉妬したミリルちゃんに召喚獣をけしかけられて逃げ回っていたなぁ……」
今度はイポスに続いてアキンドが答える。
……なるほどそれで最近授業中寝てばっかりなのか……。
絵里洲はふと思う。
納得だわ……でもアイツホントに自分がやりたいことに全力なんだな~。
それってどんな気持ちなんだろ……?
そんなバカな生き方ちょっと気になるかも……?!
そんなやり取りを見ていたヴァルシア先生が口を開く。
「……んまあ、その、あれだ……世界最高アイドルが相手じゃ2回戦も負けだね。あははは……」
……どうやらこの対抗戦、彼女はあまり乗り気ではない様だ……。
そりゃそうだわな。
現役ボクシング世界ベビー級チャンプに中量級の県大会学生チャンプが挑めって言うぐらい無理ゲーよね…
うんうん分かるわかるその気持ち……!絵里洲は勝手に思う。
あのブリュンヒルデばかりは天才美少女魔法女神であるアタシでも正直勝てる気がしないしなあ。
やっぱここは大人しく諦めとくべきなのかな?
とか思ってたら突然ドアが開き誰かが入ってきたのだった。
誰だコイツは?
「いやいやいやいや!諦めるのはまだ早いよ!君達には悪いけど、今回はボク達が出るからねぇ~♪!」
そう言いながら現れたその人物こそは魔法学園三年の生徒会会長露木サウロンと無夜副会長だった。
フレアの義兄、紅烈人さんもいる。
ニアさんの取り巻きのピンク髪の真善さん、オレンジ髪の蜜柑さん、水色髪の水木さんもいる……。
あれ?
うーむ、この生徒会メンバーなんかどっかで見たような?
気のせいか邪神ロキとナイア、その手下の上位サキュバス三人に似てるような……。
まぁ、ただの思い過ごしね!
だって、女性陣4人とも賢そうなメガネをしてるし、真面目そうな格好してるもの!
あんなビッチ達と一緒にしたらあまりにも失礼だわ!
……気のせいだろ。
きっとそうだ。
間違いない。
そうだよな。
よし忘れよう←思考停止しましたw
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