乂阿戦記3 終章 最強でQ極のZ対無敵アイドルs‼︎-16 スリーピングシープ起動!
機械神達が巨竜王を必死に牽制する中、本隊アルゴー号の方では、現在はライブを継続しつつ部隊陣形を整え直しているところだった。
そんな最中突然警報が鳴りだした。
レーダーを確認すると、前方より高速で接近する反応があることがわかった。それは敵の増援を示すものだった。
(まさか!?浄化がすんでないギガス・オブ・ガイアがまだいたのか!!??)
現れたのはナイアが『巨人の進撃歌』で操る巨人の軍団であった。
「な……なんで、ナイアがここに!?」
神羅の瞳が見開かれる。心臓が一瞬、凍りつくような錯覚を覚えた。
つい先ほどまで、あの女はスパルタクスに恐れをなして逃げ出したはずだった。
だが――今そこにいるのは、怯えでもなく余裕でもない、“支配者”の顔をした女。
そう、スパルタクスがケイオステュポーンの破壊中和で動けない今――
ナイアにとっては“無敵”の舞台が整っていた。
「ふふふふ……あはははははっ!! よく来たわねバカどもぉッ!!」
ナイアは舞台女優のように両手を広げ、狂気に満ちた笑みを浮かべる。
「この私がいる限り、貴様らの命運は尽きたのよ! 何もかもッ!!」
そして、両腕を天に掲げるように振り上げ――歌い始めた。
「♪~♪~~♪~~♪」
それは“巨人の進撃歌”――かつて神代を滅ぼしかけた、禁じられた呪歌。
ナイアの旋律に呼応し、影のように出現したギガス・オブ・ガイア達が、獣のような雄叫びを上げながら進軍を開始する。
「くっ!みんな気をつけて!!」
神羅の声に呼応するように全員が戦闘態勢に入る。
するとその時、何処からか無数のミサイルが飛来した。
着弾地点は大きく爆発し、そこから大量の煙幕が発生した。
さらにその中から数機の戦闘機が現れたのである。
それらは空中で変形すると着地と同時にポーズを決めた!
その機体はまさしく狗鬼マルスの愛機であるアーレスリカオンだったのである!!
マルスが名乗りを上げるかのように一歩前に出て叫んだ!
「フン、ぐにゃぐにゃ変装野郎。なに娘のライブを邪魔しようとしてやがるんだ? 殺される覚悟はできてるんだろうなぁ?」
どうやら彼は娘アテナのためにやってきたらしい。
そしてその後ろにいる二体の機械神も臨戦体勢に入っているようだ。
アモン・サーガとマルコキアスの2体である。
「神羅よ、ここは俺たちに任せときな!お前達は歌に集中するといい」と乂阿門が言った瞬間、彼の機体であるアモン・サーガの背中から巨大な魔槍が姿を現したのである。
それを見て驚く神羅であったが、すぐに気を取り直したようで、「わかったわ!後は頼みます!!」と言うとみんなで再度歌を歌い始めた。
そして巨人達の大行進が始まったのである……!
最初に襲いかかったのは300メートルの超弩級型巨人インフェルノである。
巨大で強大な力を誇るその巨体が地面を踏みつける度に地響きが起こり、踏み潰されまいと慌てて逃げる巨人達を嘲笑うように追い立てている。
「デカブツが!」
そんな中でも果敢に立ち向かうマルス、アモン、テイルの機械神。
3人は共に必殺技を発動させると、次々と攻撃を仕掛けていった。
「創世爆撃!」
「ブラッディレイン!」
「魔を滅する炎…黒き炎つららよ敵を穿て……ファイエル」
3人の放った攻撃はインフェルノに命中して爆散した。
しかし相手はひたすら巨体であるためかダメージはそれほど与えられていないようだった。
だがそれでも多少なりとも効果があったのか、その歩みを止めて咆哮を上げながら反撃を開始したのだ!
まずは右拳による一撃だ。
これを躱すと今度は左ストレートが飛んでくるのでこれも回避する必要があるのだが、この時3体はバラバラに動くことで攻撃を分散させることに成功した。
これにより大巨人は他の巨人を殴り飛ばし、同士討ちを誘うことに成功する。
次にインフェルノは狙いを定めると、頭部から放つ熱光線を放った。
これは命中率が高く威力も高いため非常に厄介だったが、ギリギリのところで全員回避に成功することができた。
それからしばらく睨み合いが続いた。
三機の機械神はなるべくギガス・オブ・ガイア達を殺さず、歌による無力化で事態の解決をはかりたいからだ。
そんな中、先に動いたのはやはりインフェルノだった。
再び熱光線を放ち始めると共に突進してきたのだ。
これには流石の皆も驚いたらしく防御行動を取る暇もなかった。
だがそこで間一髪で間に割って入った者がいる。
それは黄緑の機械神スリーピングシープであった!
「みなさんお待たせしました!スリーピングシープの出撃準備整いました!」
パイロットキラグンターから通信が入ってきた。
そしてなんとサブパイロットは彼の育ての親、胡蝶蜂剣パピリオであった!
ご存知のとおり封獣、改獣のサブパイロットはカプセルのような容器の中で全裸状態でサブパイロットの任にあたる。
………いま剣の鬼神パピリオは顔を赤らめ全裸状態で喘いでいた。
(うぅ……恥ずかしいよぉ……こんなのあんまりだよぅ……)と心の中で呟く中年筋肉マッチョ親父であったが、今はそんなことを考えている場合ではないと思い直すと、モジモジしながら阿門達に檄を飛ばした。
「阿門ちゃーん!マルスちゃーん!テイルちゃーん!頑張れー!!負けるなー!!!この戦い頑張ったら、お姉さんがご褒美をあ・げ・ゆ☆」
三機の機械神のメインパイロット達はあまりにひどい絵面に、頭が真っ白になって気を失いそうになった。
……このオッサン、一体何に興奮しているのか、信じられないほど堂々と“そそり立っていた”。
「へ、変態!変態がいますわ! ここに堂々とした変態がぁぁっ!!」
テイルのパートナー迦楼羅は顔を真っ赤にして変態!を連呼しながら悲鳴を上げた。
「はあ、お師匠様、相変わらず自重しないでござりますね……アレさえ無ければまごうことなき剣聖なのに……」
パピリオの弟子だった紅茜がヤレヤレとため息をついている。
阿門達は今は放心してる場合じゃないと、気を取り直して戦いに専念することにした。
「くっ……もうイヤですわこんな職場……はやく終わって欲しいですの」
「うん、そうだね、僕も同感だ」
「そうね、さっさと終わらせましょう」
皆がは覚悟を決めると一斉に攻撃を仕掛けることにした!
まずスリーピングシープ以外の3機が散開すると三方から取り囲むように襲いかかった!
しかし3機がかりの攻撃にも関わらず、インフェルノはまるでダメージを負っていないようだ。
それどころか逆に反撃を受けてダメージを受けてしまう始末である。
「ぐわっ!?」
あまりの破壊力に吹っ飛ばされる三人。
その様子をモニター越しに見ていた神羅達も驚愕した。
「そんな、あの三機が手も足も出ないなんて」
心配そうな声を上げるスフィンクス
そんなスフィンクスに傷つき倒れたままのクレオラがアドバイス送った。
「大丈夫よスフィー、もうすぐキラグンターさんがスリーピングシープの特殊能力を発動するわ!スリーピングシープは封獣機の中でも対巨大生物の戦いに特に特化した機体!巨人達は機械じゃなく生物!今わたし達がする事はなに?モニターを見て心配をすること?違うでしょ?前線で戦っているパイロットたちを支援すること!スリーピングシープに歌を届けるの!その歌の力がスリーピングシープの秘密兵器の力を後押しする!」
それを聞いた神羅達はすぐにコンソールを操作して歌い出した。
『♪〜♪〜』
(待っててみんな、すぐ助けるからね!)
神羅の歌により三機の機体ダメージが回復すると同時にパワーゲージが少し回復した。
「おおっ!?これは凄いぜ!」
これには流石の阿門も驚いたようで目を見開いていた。
「……なるほど、これが噂に聞いた女神ユキルの生まれ変わり神羅ちゃんの歌なんだ」
最強アイドル、ブリュンヒルデも関心している。
「へっ、負けてられねぇな!対バン続行といこうじゃねーか!」
スフィンクスも負けじと声を張り上げる。
……戦場とステージの境界は、もはや意味を失っていた。
ミサイルの爆音がドラムとなり、ビームの閃光がライトショーとなって、すべてが“演奏”に変わっていく。
「おっしゃ!俺たちが楽器で盛り上げるぜ!」
キースやオルフェウス達が楽器を持ち出してきて演奏に協力する。
12人の魔法少女の歌が戦場に響き渡る……その効果は絶大であった!!
ついにスリーピングシープの力が完全に解放されたのである!!
その光は、ただの視覚現象ではなかった。
歌に共鳴する“心の波動”が、あらゆる命に浸透していく――そう錯覚させるほどに、優しく、圧倒的だった。
突如、眩い光が戦場一帯を呑み込んだ。
そして次の瞬間、虚空に巨大なモニターが浮かび上がり、魔法少女たちの歌う姿を映し出す。
……否、それはただの映像ではなかった。
すべての魂を持つ者の“心のスクリーン”に、魔法少女たちの歌声と姿が、刻まれたのだ。
――戦場が、劇場になった。
銃声はリズムに、爆風は歓声に、怒号すらコーラスに変わる。
歌が世界を染め変え、現実の法則をねじ伏せる――これこそが、夢見の精神干渉。
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