乂阿戦記3 終章 最強でQ極のZ対無敵アイドルs‼︎-13 ブルアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!
「地球保護条約がある手前、主神級戦力たる私は戦争には参加できない。だが代わりに破壊の中和を手伝おう。私なら二台分の破壊の中和を肩代わりできる。スパルタクス殿の中和は必須だ。残るマルコキアス、アモン・サーガ、ケルビムべロスの内、誰が子供たちの手助けに行ける?」
と尋ねるカオスクトゥルー。
それを聞いてすぐに名乗り出たのはやはりケルビムべロスだった。
『ならば我が行こう』と真っ先に言ったのが前世で巨竜王の娘であった羅刹である。
ケルビムべロスはすぐさま瞬間移動したかのように姿を消すと、一瞬でケイオステュポーンの前に立ち塞がると、そのまま拳を振り抜く!
轟音を立てて吹っ飛ぶケイオステュポーンだったが、空中で体勢を立て直すと再び突進してくる。
「ふん!」と言ってその拳を受け止めるケルビムべロス。
すると途端に衝撃波が発生し辺り一帯を吹き飛ばした。
だがそれはあくまで副次的な効果に過ぎず、本命は別の所にあったのである。
「ブルアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
と叫ぶケイオステュポーンに対し、ニヤリと笑うケルベロス……いや、操縦者の1人乂羅刹
次の瞬間、ケイオステュポーンの身体の一部がボコッと膨れ上がったかと思うと、そこから大量の血が噴き出したのである。
驚くケイオステュポーンを尻目に、今度は胸の辺りに狙いを定めて殴り掛かる。
その瞬間、強烈な衝撃と共に轟音が鳴り響き、クレーターが出来上がる。
そしてケイオステュポーンの胸板装甲がぽっこりと大きく凹んでしまったではないか。
更に畳み掛ける様にパンチやキックを繰り出していくと、その度にクレーターが大きくなっていく。
ケルビムべロスの副操縦者羅刹が叫ぶ。
「……見たかクソ親父。これは、あんたが昔、私に無理やり叩き込んだ“技”だ!
何が“巨人族の姫の義務”だ……何が“特記戦力の使命”だ……ッ!!
あたしは――あたしは、ただ普通に夢を持って生きたかっただけなんだよ!!
スフィーまで、てめぇの因習に巻き込みやがって……!
絶対に、許さねぇええええええええええ!!!!」
彼女の怒りの叫びに応えるかの様に、さらに威力を増していく打撃の数々。
それをまともに受け続けるケイオステュポーンであったが、流石にこのまま黙って殴られている訳にも行かないと判断したのか、口から火炎弾を吐き出す!
だがそれも想定済みだったのか、彼女は素早く回避行動に移ると、もう一度懐へと飛び込んでいったのだ!
「ハアッ!!」という掛け声とともに放たれる渾身の一撃!!
それはケイオステュポーンの腹部装甲を貫き、背中側まで貫通していたのだった!
惑星ヨトゥンヘイムにつその様子をモニターで見てた怒戦王アングは感嘆の声を漏らした。
『素晴らしい……!これがかつてあの伝説の最強魔女と呼ばれたラスヴェードの実力なのか!我が娘ながら見事な技の冴えだ! 昔の力を取り戻しつつあるではないか!』
その言葉を聞いた乂阿烈は凄まじい殺気を放ちアングに食ってかかる。
「勘違いするなよアング。否、巨竜王! 羅刹はもはや輪廻転生の末にお前の娘ではなくなった! あの子は我ら乂族の子だ! 前世で戦争の道具として散々利用してきた貴様に父親の資格は無い!! もうこれ以上あの子を貴様の好きにはさせんぞ!!」
「ふん、笑わせる! その羅刹を自軍の副官に据え七罪の魔女ラスヴェードである事を公表し、人と金を集めている輩がどの口でほざく? 俺とやってる事は大して変わらんだろうが?」
「ぐっ……!」と口ごもってしまう阿烈に代わって、今度は黒天ジャムガが口を開いた。
「うるせぇよアング!てめぇのときと違って羅刹ちゃんは自らの意思で阿烈に協力してるんだよ。だいたいテメー自分の子供とコミュニケーションちゃんとできてんのかあ? 俺や阿烈は甘やかす事しかできねーがそれでもガキ共と目一杯会話を交わし、家族であろうとしてるぜ? お前が巨人族の長として大義を抱えるのはご立派だがなあ、まずは自分の家庭を鑑みやがれ。……アンタじきに生まれてくる孫の事どうすんだよ? 先の事ちゃんと考えてるか? 妊娠中のスフィーちゃんの事どうするつもりなんだよ?」
その言葉を聞き、苦虫を噛み潰した様な表情を浮かべる巨竜王アング。
「「「……………」」」
三者三様に沈黙する。
彼らはそれ以上言葉を発さず、黙ってモニターに目をやるのだった。
そんな様子を知って知らずか、再び羅刹が攻撃を再開する!
今まで以上に苛烈な攻撃を繰り出す彼女だったが、突然背後から何者かに襲われてしまう!?
なんと目の前に居たはずケイオステュポーンの姿もない。
いや、背後から襲ってきた何者かこそがケイオステュポーンだったのだ!
「しゅ、瞬歩無拍子!? 馬鹿な……あの巨体で!?」
刹那、羅刹たちの視界からケイオステュポーンが消えた。
「後ろだッ――!」
次の瞬間、咆哮とともに背後から襲い来る破壊の一撃。
強烈な拳がケルビムべロスの装甲を穿ち、機体が轟音とともに吹き飛ぶ!
「ブルアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
……だが、それはまだ“序章”にすぎなかった。
空中で体勢を崩すケルビムべロスに、巨躯が両腕を突き出しながら追い縋る。
ケイオステュポーンが錐揉み状に回転しながら突進を開始――
「い、いかん! あれは奴の必殺奥義――アルティメットクラッシャアタックル!!」
カオスクトゥルーが悲鳴を上げる。
その回転は、速度を増すごとに災厄そのものとなり、次々と味方機体を巻き込んでいく。
アーレスタロスが、ジークフリードが、ラ・ピュセルが、次々に撃墜されていく。
雷音と雷華が乗るクトゥグァ機が負けじと必死に気を吐いて奥義アルティメットクラッシャアタックルに対抗しようとする。
雷音は操縦桿をかざし詠唱を唱えた。
「ふんぐるい むぐるうなふ くとぅぐあ ふぉまるはうと んがあ・ぐあ なふるたぐん いあ! くとぅぐあ!」
――それは、世界の理を変える呪文。
「ふんぐるい むぐるうなふ……」
詠唱が終わる刹那、雷音の身体に異質な熱が走った。
それは戦士の力ではない。人ならざる何かに“近づく”熱――。
理性が軋む。
闘争への飢餓が、魂の底から湧き上がる。
(……これが、クトゥグァの力……!)
そして――爆発。
「うおおおおおおおおおおおおおおっ!!!」
炎に包まれ、クトゥグァ機が火の鳥へと変貌する。
《クトゥグァ・バードチェンジ》。空を灼き尽くす鳳凰が、今、降臨した。
「くらえ、クトゥグァーーバードチェーーーンジッ!!!」
クトゥグァ機も空を縦横無尽に飛び回り、ケイオステュポーンの空中殺法に対抗する。
すれ違いざまに火球を放つのだが錐揉み状の回転エネルギーはその火球を弾きとばしてしまう。
「「それならこれならどうだあああ!!」」
雷音と雷華が叫ぶとクトゥグァが人型形態に戻り、大太刀を構え飛び上がる。
すると、クトゥグァの手に握られていた大太刀が激しく燃える炎の剣となった。
「「いくぞー!!」」
「ブルアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
……しかし、その一瞬。ケイオステュポーンの動きが再び変わる。
「――回転が縦に……ッ!?」
羅漢が息を呑む。
ケイオステュポーンは重力を逆手に取り、錐揉み回転を**縦回転の螺旋蹴り**へと変化させたのだ。
一撃。
二撃。
左右の踵が雷のように振り下ろされ――
『奥義・ナイトメアダブルアックス!!』
クトゥグァ機は抵抗する間もなく甲板へと叩きつけられた。
閃光とともに機体が弾け、雷音と雷華は意識を手放した……。
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↑イメージリール動画




