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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記3  終章 最強でQ極のZ対無敵アイドルs‼︎-8 一時撤退

……焼け爛れた肌。焦げた装備。呻き声すら出ない兵士たちが、瓦礫の中で虫のように蠢いていた。

それを見ていた地球人達は、言葉を失ったまま、ただモニターを見つめていた。


「おいおい、なんてこった……」

雷音の呟きもむべなるかなと言ったところだ。

しかしいつまでもそうして呆けている場合ではない、すぐに行動を起こす必要があるだろう。

だがその前に、まだ生きている者がいるかもしれないと思い至り、急いで助けに行くことにした。

(くそ、なんであそこで爆撃なんか起こしたんだ? ミサイルで倒せる代物かよアレが!!)

雷音はそう思いながら、倒れている人々を救出するために駆け出したのだった。

ちなみに狗鬼兄妹たちはと言うと……

「さて、そろそろいいか?」

そう言って雷音が立ち上がったのを見て、阿鼻叫喚の地獄絵図の中、平然と立ち上がる男が一人いた。

彼は口元についた血をぬぐいながらニヤリと笑う。

「へっ、巨竜王ケイオステュポーン! 相手にとって不足無しだぜ! 打倒世界最強覇王を目指す身としては、ぜひとも挑みたい相手だぜ!!」

そんなことを言って、拳を打ち鳴らして気合を入れている。

彼は先ほど隕石の直撃を受けて吹っ飛んだが、とっさに防御結界を張って致命傷を回避していたのである。

もっともダメージを0にすることは出来なかったので、かなり痛い思いをしてしまったわけだが、今はもう回復しているので問題はないだろう。

(それにしてもさっきのはマジでヤバかったぜ)

内心冷や汗を流しつつ、目の前の怪物を見る。

すると、ケイオステュポーンはまるであざ笑うかのようにこちらを見下ろしていた。

『クハハハハハッ!!』

そんな敵の様子を見た漢児は突然笑い出したかと思うと、今度は大きく息を吸い込み始める。

そして拳の構えをとる。

それを見て、絵里洲は大慌てで闘争心高ぶる兄を制止した。


「いや、お兄ちゃんお願いやめて!私無理!絶対無理!あんな怪獣と戦うなんて絶対無理ーー!! お願い、お兄ちゃん私はここでおろして! 私はただあのイケすかないビッチ邪神ナイアが惨めに蹂躙される様を上から目線でオホホーって嘲笑いたかっただけなの! 正義の味方気取って命をかけて戦うなんてイヤいやいやいやいやいやーー! イヒヤアアアアアア!!!」

恥も外聞もどこ吹く風、完全にパニックモードである。


もはや恥も外聞もなく泣き叫ぶ彼女を見て、さすがの漢児も少し冷静になったのか落ち着きを取り戻したようだった。

(まぁ、落ち着いたというか、妹の勇者サイドにあるまじき畜生発言に呆れてドン引きしたというのが正解だが……)

そして優しく頭を撫でてやりながら落ち着かせる。

「よしよし、わかった、兄ちゃんが悪かった、だから泣くな、なっ、いい子だから」

そう言いながら頭をポンポン叩いてやる。

そうすると次第に落ち着いてきたのか、ようやく泣き止んでくれたようだ。

そのことに安堵しつつ、改めて眼前の敵を見上げる。

「よし、落ち着いか? じゃ巨竜王を一狩り行くかあああああ!?」

「ふざけんなああああああああ!!」

絵里洲はグーパンチで兄の顔面を殴った。

「ぐぬぅ、駄目か……」

正直言って泣き喚く妹に勝てる気がしなかったが、それでも巨竜王との一戦を諦めるつもりはなかった。

なにしろ自分は最強の覇王阿烈を目指しているのだ、ここで引くわけにはいかないのである。

しかも相手があの伝説の怪物ケイオステュポーンとなれば尚更だ。

だからこそここは根性を見せるところなのだ! 漢児は再び気合いを入れると構えを取った。

「しゃあっ!かかってこいやあ!!」

「っておいーーーっ!? アホ兄こっちの言うことを聞けーーー!!?」

しかし、そんな彼らをよそに事態は急変する。


突然、足元に六芒星が浮かび上がった。

眩い閃光が彼らを包み込んだかと思うと──次の瞬間、──視界が切り替わった。


辿り着いたのは、カターニアの空港・フォンタナ・ロッサ。空を見上げれば、戦艦アルゴー号が悠然と浮かんでいる。


「ここは……?」

「転移されたのか?」


呆然とする漢児たちの前に、**“それ”は立っていた**。


挿絵(By みてみん)


白銀の鎧、黄金の装飾。スキンヘッドの巨躯から放たれる、言葉にならぬ重圧。

背に戦斧を背負い、腕を組んで仁王立ちするその姿は──


「……久しぶりだな、漢児」


その声だけで、地が鳴った。

威光と懐かしさが混ざり合った、確かな“強者”の声だった。


「ボマーのとっつぁん!? まさか……あんたが!」


漢児の声に応えるように、周囲からもどよめきが起こる。


「おおっ! 久しぶりボマーのオッちゃん!」

「きゃー♡ 変わってない♡」

「相変わらずムキムキすぎて涙出るな……」

「イポス君のお父さん!こんにちは!」


そう。彼は元・敵組織ドアダ七将軍の一角にして、現在は**クラスメイトの伊藤修一君の父親**という、極めてフレキシブルな立場の男──


**サイボーグレスラー《キャプテン・ダイナマイト・ボマー》**であった。


「うむ、皆、息災で何よりである」


柔らかく笑みを浮かべたその姿は、先程までの圧に満ちた威容とは打って変わり、どこか温かなものを感じさせた。


そして、次の瞬間。


「──さて、早速だが、本題に入らせてもらう」


視線が鋭くなる。空気がまた引き締まる。


「お前たちに、協力してほしいことがあるのだ」


漢児が眉をひそめる。


「……ってその前にさ、俺たち巨竜王と戦ってたよな? なにがどうなってここに?」


その問いに、ボマーは静かに手を挙げ──ある方向を指差した。


「彼らの力を借りたのだ」


そこにいたのは、クラス担任タット先生、ルシル、リリス、セレスティア、鵺、レイミ、フレア──そして、疲労困憊のアキンドであった。


「……って、アキンド!? まさかアンタ……」


彼の足元には、見覚えのある六芒星の魔法陣が刻まれていた。

クトゥルフ戦争で見た、**アキンドのアポートを強化する特殊転移陣**だ。


「やるじゃんアキンド!」と絵里洲が肩をバンバン叩く。


「まさかあの無能アポートが役に立つ日が来るとは思わなかったわ! 普段は購買で焼きそばパン奪取、ユッキーのパンツ強奪、縦笛泥棒の三冠王だったくせに!」


絵里洲はよほど感動したのか涙を流しながら何度も感謝の言葉を述べている。

そんな彼女の態度にアキンドは

「お前、褒める貶すかどっちかにしよ!」と、突っ込むのだった。

それを聞いた絵里洲はちょっと考えた後、「あんた助けるタイミングが遅いのよ!もっと早くアポートしなさいよ!このクズ!!」と、親指を下に向け罵った。

「けなすんかーーーーーい!!!」

空港にアキンドのツッコミが轟いた。


カターニアの空港に、アキンドの絶叫が木霊した。



https://www.facebook.com/reel/1558330654746720/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0


↑イメージリール動画

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