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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記3  第六章 水色の初代魔法女神イサカ・アルビナスとクリームヒルト・ドラゴニア-7 スーパードリームチーム結成

ドアダのナイトホテップから依頼を受けた五人はしばらく黙り込んでいたが、やがてシグルドがポツリと呟いた。


「……結局、ナイトホテップの掌の上ってわけか」

ぼそりと呟くシグルドに、残る四人が同時にため息を吐いた。

――それでも、動く。

誰も、それを否定はしなかった。


それから重い腰を上げるとそれぞれの武器を手にとり準備を始めた。

「仕方ねえなぁ、こうなったらとっとと終わらせちまおうぜ」

そう言うとシグルドは愛用の大剣バルムンクを背負い、他のメンバーに声をかけた。

「そうね、ここでじっとしていても仕方ないものね。それじゃあ行きましょうか!」

「回復役に医者スキルがあるテイルを呼ぶか……前衛戦士マルス、勇者ギルトン、罠解除役にシグルド、後衛魔法使いに俺とメティム、回復役にテイル……うむ、バランスの良いオーソドックスパーティーだ」

「……あれ?これ私以外腕力でゴリ押しする超絶格闘家5人の脳筋パーティじゃない?」

メティムが首を傾げる。

「あー、今の俺はデスクワークが多くて筋トレの時間が取れてねー、だから俺はモヤシの魔法使いと思ってくれ」

重そうな槍をブンブン振り回しながら阿門が嘯く。


「嘘つけ、どこがモヤシだ。魔槍振り回してる時点で“魔王”だろうが。」シグルドが突っ込む。


「ああ、ちなみに俺はヒーロー引退したから盗賊系職専門になったと思ってて! アビスダンジョンにもぐるついでに宝石とか発掘して嫁さんのご機嫌を取るとするか……」

大剣バルムンクをブンブン振り回しながらシグルドは軽口を叩いた。


「テメーら調子いい事言って前衛職サボるんじゃねー!」

マルスが呆れる。

「うっひゃー!オラワクワクしてきたぞ!!」

ギルトンが冒険に目を輝かしている。

そんな会話をしながら部屋を出ていく皆の背中を見つめながらメティムは思った。

(やれやれ、面倒なことになったわね……まあ、あたしはあたしで好きにやらせてもらうけど♪だってこの冒険が終わったら結婚式するんだもん❤︎)

こうして彼女達は旅支度を整えると意気揚々と出発したのだった。


「よーし、お前ら!張り切って行くぞ!」

そう叫ぶと真っ先に飛び出していったのは白阿魔王の阿門だった。

彼は魔道士とは思えないほどの素早さで駆け出しモンスターを素手で殴り殺していく。

彼は強力な魔法と魔槍を持つ魔王なのだがはっきり言って『それ無用の長物じゃね?』と突っ込みたくなるほど格闘能力が高い。

するとそれを見た仲間達も負けじと走り出しモンスターを薙倒して行く。

「ったく、しょうがねぇ奴らだぜ!ほら、置いて行かれるぞ!」

そう言いながら走る自称盗賊職のシグルド、続いて戦士のマルスと勇者のギルトンが続く。

そして最後尾を走るのはメティムとテイルだ。

メティムは息も絶え絶えになりながら走っていた。

何故ならメティムは魔法を使った戦闘を得意とするため、普段から運動不足気味なのだ。

しかしそれでも必死に走り続けた結果、なんとか彼らに追いつくことができた。

「はぁ……はぁ……やっと追いついたぁ〜」そう言ってその場にへたり込んだメティムを見て心配そうに声をかける者がいた。

それは彼女の親友でもある悪鬼絶殺の異名を持つ拳士テイルだった。

拳士だが医療スキルがあるので回復役としてパーティメンバーにいる。

気性が荒く敵に突撃しがちな他のメンバーと違い、彼は状況をよく確認してから行動を起こす。

げんにメティムがメンバーからはぐれ襲われないよう彼女の護衛役をかってでてる。

彼は今にも倒れそうなメティムに手を差し伸べこう言った。

「大丈夫か?無理しないでゆっくり歩いていこう!」と優しく声をかけてくれたのだ。

メティムは思わず感動してしまった。

(ああ、やっぱりこの人だけがマトモだわ〜)

そう思いながら差し出された手を握るとゆっくりと立ち上がった。

「ええ、大丈夫よ!心配してくれてありがとう♪」

「よし、じゃあ行くか!ゴールまでもう少しだ!」と阿門が先頭に立って歩き出した。

エラく張り切っている。

デスクワークが続いていた彼は久々の冒険を堪能している風にみえた。

そんな様子を見ていた一同は呆れつつも彼の後に続いたのだった。

その後も彼らは順調に進んで行った。

途中何度か休憩を挟みつつ進むこと数時間、ついに目的地である古代遺跡の入り口へと到着したのである。

その入り口はまるで地獄への入口のようだった。

いや、正確に言うとここは地獄の底にあるとされるタルタロスへと続く通路であり、巨人族が封印されている世界の入口であった。

つまりこの場所こそが『ユミルの楽譜』が眠る場所だったのだ。

その場所は薄暗く陰鬱な雰囲気を漂わせており、不気味な気配が漂っていた。

まるで生きている者全てを拒むかのような重苦しい空気が漂っているのがわかる。

実際ここに来るまでに多くの冒険者達の骸を見た事からもその恐ろしさがわかるだろう。

ここにいるだけで精神を病んでしまいそうだ。

だがそんな中、メティム以外の全員が臆することなく足を踏み入れる。

(うーん、この人間やめた人間どもは〜…)

メティムは呆れてため息をつく。

「いよいよだね」

メティムの言葉に皆はうなずいた。

「……ああ、ここまで来たら後戻りはできないからな……」

その言葉にうなずくと皆は意を決して足を踏み出した……

……その瞬間、世界が反転した。

気づけば、一行は“真っ白”な空間にいた。

上も下も右も左もない。あるのは、自分たちの存在と、不気味な沈黙だけ。

そんな中、闇を纏った男が浮かび上がった。

黒衣、錫杖、表情は見えない。目だけが光っている。

「ようこそ我が城へ……」

その男――クロノスが、狂気じみた笑みを浮かべたような“気配”を放つ。

と同時に手にしていた錫杖を天高く掲げる!

するとそこから眩い光が放たれたかと思うと次の瞬間、大きな宮殿が現れて彼らを迎え入れてくれた!

挿絵(By みてみん)


https://www.facebook.com/reel/347330381391595/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0


↑イメージリール動画

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