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乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


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乂阿戦記3  第五章 巨竜王ケイオステュポーン復活計画-11 女狐達の化かし合い

------

神羅が目が覚めるとそこは皆と軟禁されていた部屋の中だった。

どうやらみんなとの会議中に一瞬だけ気を失っていたらしい……。

ゆっくりと周囲を見渡してみる。

そこにはミネルヴァのメンバーである狗鬼家一同が何事もなかったかのように、軟禁されてる部屋であれやこれやと脱走の計画を練っている最中だった。

(あれ?私何してたんだっけ? いやいや、そうそう! みんなとどう逃げだすか話し合ってる最中だった!……あれ? でもなんか変な夢を見た気がする。私だけメフィストギルドの総帥の前に引っ張り出されて殺されかけたような……でもそんなわけないよね? 怪我とかないし、ずっとみんなと一緒だし……でもなんだろう?……ものすごく懐かしい人と会った気がする………)

などと思案していると不意に肩を叩かれる感触があった。

驚いて振り向くとそこに立っていたのは絵里洲だった。

「大丈夫ユッキー? 顔色が悪いみたいだけど……?」

心配そうに顔を覗き込んでくる絵里洲を見てホッとする神羅。

「うん、大丈夫だよエリリン。ちょっと夢見が悪かっただけだから」

(やっぱり気のせいだよね?)

そう思いながら微笑みかけると彼女も微笑み返してきたので安心した神羅は再び話し合いに参加することにしたのだった。

結局、その後しばらくは作戦を考えることになったが特に良い案も浮かばずその日は休み寝る事となった。

ベッドに横になりさっきの夢のことを考えていた。

だがどんな夢かまるで思い出せない。

ただひどく懐かしい人に会った気がする。

そう感じただけだった。

そんな事を考えているうちにいつしか眠りについていた……。

……翌朝、目を覚ますとまたあの夢を見た気がしたのだがやはり何も思い出せなかったので早々に諦めて朝食を食べた。

そして皆と脱走する方法について話し合うのだった。


一方その頃、ブリューナクのメンバーもメフィストギルドに囚われ、歌エネルギーを集める為、協力するよう迫られていた。

そんな状況の中彼らはと言うと……? ------

血塗れの海の中で踏ん反り返っていた。

ここメフィストギルド移動要塞に囚われたブリューナクのメンバーは六人

絶対アイドルのブリュンヒルデ、ベースで召喚術師の迦楼羅スモモ、女サムライ紅茜、リーダーのゼロ・セイラ、ハクア・プロジェクトCEOゼロ・カリオン、ブリューナクのマネージャーであるアン・テイルの6名である。

血塗れの部屋の中では、ブリューナクに無礼な態度を取った咎で100人ほどのメフィストギルド構成員がミンチ死体に変えられていた。


挿絵(By みてみん)


ゼロ・セイラ……否、乂聖羅はつまらなそうに欠伸をしながら適当な椅子に腰掛け座ろうとしている。

右には今世の父にして前世の弟であるゼロ・カリオンこと乂阿門が、

左には彼女のお気に入りの懐刀である悪鬼絶殺アン・テイルが

後には今世は彼女の母であり前世は近衛侍だった紅茜が控えている。

ブリュンヒルデと迦楼羅は殺戮現場に少しひいて……否、メッチャクチャどん引きしてて離れたところであんぐり口を開けて突っ立っていた。

ブリューナクリーダー乂聖羅は椅子に踏ん反り返りながら欠伸をする。

「ふぁ〜あーあ、メフィストギルドは客人をいつまで待たせるんだい? アテ等に用があるなら、さっさと上の人間を連れてきて欲しいんだけどなあ? アング・アルテマレーザーは……来るわけないか〜、アルテマレーザー家は今回のテロ活動には関係無いですぅ〜っ、テロ主犯はあくまでメフィストギルドですぅ〜ってスタンスで動いてんだろうし……、まあ今回はメフィストの爺さんとの話し合いかな? それで勘弁してあげるからさっさと連れて来てよ☆ んで? メフィストギルドは客人に茶菓子も出さないのかい? お茶菓子お茶菓子〜♪ さっさとお茶菓子持って来い〜♪ クルァーッハッハッハッハッハッハッハッハ!!」

その笑い方は彼女の前世の父にして今世の祖父である乂阿烈にそっくりだった。

運良く生き延びたメフィストギルドの下っ端雑魚達は、ブルブルと恐怖に震えながら上層部に連絡を入れていた。

そんな時だった……一人の悪魔が部屋に飛び込んで来たのである……。

(ああもう、これだから嫌ですわ……)

そう心の中で毒づきながらもクレオラは交渉のテーブルに着いたのだった。


〜数時間後〜 ようやく幹部連中を伴い、ギルド総帥メフィストがやって来たのだが、そこにはなぜか既に先客がいたのだ……。

それは…………


「あら、お父様、ごきげんよう」


「ク、クレオラちゃん!? ……なんでここに……」


メフィストの表情がひきつる。

娘がこの作戦に関わっていることなど、寝耳に水だった。


「……いやいやいや。今回は本当にマジで危険な任務なんだけど? クレオラちゃん……君には関わってほしくなかったんだが……」


「まあ、お父様ったらお忘れなの? 私、一応《副首領》の座に就いておりますのよ?」


「え? いや、それは1ヶ月前の話で――お前がハクア・プロジェクトに参加したいって言い出した時、副首領の任を――」


(解いた、よな!?)


ギルド幹部全員が内心でツッコミを入れたが、誰一人として言葉にする者はいなかった。


「……あー、そうじゃったかのう〜……わはは……」


「うふふふふ♡」


「はは……はははは……」


とてつもなく微妙な空気が流れる中、クレオラはスッと話題を変えた。


「お父様、ブリューナクに“歌エネルギー充電”の協力を取り付けましたわよ♪」


「……え?」


(あ、あれぇ……?なんかおかしくないか? あの大悪党のゼロ・カリオンとゼロ・セイラが、んなあっさりと約束をかわすう?)


「ですから、あのブリューナクと同盟を結んだのです♪ これで安心して《ケイオステュポーン復活計画》を進められますわね♡」


「ま、マジでぇ!?」


メフィストが絶句するのを尻目に、クレオラは涼しい顔で続けた。


「だって約束しましたもの。まず最初に私たちが『ユミルの楽譜』を使って《女神メティム》を復活させる、ということで❤︎」


「な、なにぃぃぃぃ!?!?!? クレオラちゃああああああん!!?!?!? なんでそんな約束勝手にしとるのおおおおお!!!?」


ギルド幹部たちが顔を覆い、メフィストは半泣き。

しかし、当のクレオラは全く気にしていなかった。


驚愕するメフィストをよそに彼女は更に続けるのだった。


〜回想シーン〜

「……なるほどねー、確かにクレちゃんの言うことが正しい……君が見せてくれた研究データを見るに、巨人族を眠らせる安全装置『ユミルの楽譜』は巨人族の歌でないと効率よく発動しない。つまり歌エネルギーの大半をメフィストギルドに奪われた今、君達ザ・メフィストのメンバーの協力無くしてはメティムちゃんは復活できないってわけだ。」

そう言って聖羅は渋々頷いたのだ。

無論、ここで簡単に引き下がるような彼らではない。

乂阿門が軽口でも叩くようなそぶりでこう嘯いた。

「クックック……聖羅、お前にしてはエラく弱腰じゃねーか? 巨竜王が不在ならメフィストギルドを皆殺しにして歌エネルギーを取り返したほうが手っ取り早くねーか?」

それを聞いた瞬間、聖羅の表情が一変した。

その顔には明確な怒りの色が浮かんでいる。

「はぁ!? 何言ってんのパパ! そんなコトしたらアタシ達の首まで飛ぶじゃん!」

聖羅は声を荒らげて抗議する。

そしてクレオラの後に控える三人を見やって指差した。

「伝説の殺し屋ゴドー・ハーケン! 元妖魔帝国大将軍にして現インビジブルオーガ隊長プオム・ホランイ! スフィンクス・アルテマレーザーに次ぐ女戦士ホドリコ・アントニコ! 死ぬから! こんなウルトラメンバーとあんた達が戦ったら、アテら戦いに巻き込まれて絶対死ぬから!! ……つーか、そもそもなんでアンタ達はそんなに余裕ぶっこいてんの!?」

それに対し、三人はそれぞれ答える。

「えっ? いや拙者は別に……ちょっと久しぶりに達人相手の死合いの匂いがして……」と、母の紅茜

「ふっ、なんだかんだ俺もあのクソ親父の息子ってこったな……正直あの無形雷刃とやり合うかと思うと……つい、な……ククク」と、父の阿門

「…………」

テイルは無言で殺気を帯びた眼光をゴドー達に放っていた。

「「「……………」」」

ゴドー、プオム、ホドリコと阿門、テイル、紅茜

この六人が放つ殺気は猛烈極まりなく、殺気だけで部屋の空間が、ぐにゃあ〜っと歪む錯覚さえあった。

強いとは言え武仙の域に達して無い聖羅、ブリュンヒルデ、迦楼羅達は戦いに巻き込まれたら確実に死ぬだろう。

聖羅は再び頭を抱えた。

(あー、まったく、この人間の域を軽々とぶっちぎった怪物どもめ〜〜〜!)

そうしている間にも刻一刻と時間は過ぎていく。

「ああ、もうわかったわかった! 協力する。とりあえずメティムちゃん復活させたら『タルタロスに封じられた巨人達を解放する』ライブとやらに協力するよ……」

クレオラはクスクス笑い聖羅に握手を差し出す。

「では交渉成立ね……」

聖羅は渋々クレオラと握手する。

その瞬間――


ゴオォン……ッ!!


部屋の壁が音もなく砕け、周囲の床が波打つように崩れ落ちた。


破片が宙を舞い、煙と塵が満ちるなか、全員が凍りついた。


そこに立っていたのは――

ゴドー・ハーケン。プオム・ホランイ。ホドリコ・アントニコ。

そしてアン・テイル、紅茜、ゼロ・カリオン。


6人の達人たちは無言のまま、互いに距離を取っていた。

……だが、全員の衣服には切れ目が走り、皮膚のあちこちから血がにじんでいた。


誰一人、武器を抜いた気配すらない。

戦闘音も、気配も、殺気の解放すら感じなかった――

にも関わらず、この部屋は“戦場のあと”のような有様だった。


ブリュンヒルデと迦楼羅スモモは震えながら、あんぐりと口を開けていた。


聖羅が、ようやく言葉を搾り出す。


「……みんな、やっぱり戦ってたんだ……。

光より速く動いて、時間の干渉すら受けない世界で――

この部屋の現実だけが、戦いの痕跡を“後から”追いかけてきたってわけか……」


誰が先に動いたのか、誰が勝ったのかすら分からない。

それでも、ただひとつだけ確かなことがあった。


――この場で、誰かが一歩間違えば全滅していた。


クレオラはクスクスと笑いながら言った。


「うふふ……聖羅さんが交渉に応じてくださらなかったら、私たち全員――今ごろ肉片になってましたわね♡」


「アンタ……それをカードに交渉持ちかけてたってことね……どこまで腹黒いんだよ、女狐……!」


鼻を鳴らす聖羅だったが、視線は自然と6人の“超越者”たちに向けられる。


テイルの眼光には未だ殺気が残っていたが、ゴドーたちは静かに戦闘態勢を解いた。


それを確認した瞬間、聖羅は深く、長く、安堵の息を吐いた。


(……これで少なくとも、今日中にアテらの首が飛ぶことはなさそうね……)


https://www.facebook.com/reel/3618320831831400/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0


↑イメージリール動画

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