表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
乂阿戦記~勇者✖︎魔法少女✖︎スパロボの熱血伝奇バトル~  変身ヒーローの勇者様と歌って戦う魔法少女は○○○○○○○○○○○○   作者: Goldj


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

227/514

乂阿戦記3  第五章 巨竜王ケイオステュポーン復活計画-9 漆黒の闘い、今宵鵺vsクレオラ・フェレス

囚われていた魔法少女一同は、銀河連邦HEROランキング二位・ルシル・エンジェルの駆けつけにより、形成は完全に逆転したかに見えた──

だが、その時である!!


部屋の外からどっと足音が響いたかと思えば、扉が勢いよく開かれ、武装した男たちがなだれ込んできた!

それを見たルシルはすぐさま叫ぶ。


「みなさん急いで逃げてください!!」


その声と同時に、一同は一斉に駆け出した。

最後尾にいた鵺も逃げようとした、が──

何者かがその行く手を阻んだ。


現れたのはクレオラ。

どうやら、先回りされていたらしい。


彼女はニヤリと笑い、冷ややかな声音で囁いた。


「ふふ……逃がさないわよ? 私と同じ、ヨグソトースのカケラを持つ時間魔法の落し子。せっかくこうして出逢えたんですもの――」


「っ……ヨグソトースのカケラ? じゃあ、あなたも……!」


鵺の表情が険しくなる。


クレオラは甘く微笑み、手にした杖を鵺へと向けた。

次の瞬間、杖の先が赤く光り──光弾が、閃光とともに放たれる!


それは警告ではなかった。“狩人の合図”だった。


挿絵(By みてみん)


直感が叫ぶ。

鵺は地を蹴って身を翻した。耳元をかすめた光が背後の壁を爆ぜ飛ばす。


(……危なかった。あと一秒遅れていたら……)


冷や汗が頬を伝う。だが安堵も束の間──


「っ……!」


今度は真横から、光弾。避けきれず、肩に命中する。


鋭い痛み──ではない。

ビリ、と。神経に直接、冷たい針が突き刺さるような感覚。体が震え、痺れて、動かない。


「ふふっ、どう? 動けないでしょ? これはね、神経系に直接“ふわっと”効くのよ〜。お薬みたいに❤︎……副作用は“ちょっと壊れちゃう”かもだけど♪」


ダメージは浅いはずなのに……体が動かない。まるで全身の神経が凍ったかのように。

その様子に、クレオラは満足げに笑みを浮かべた。


「うふふ、可愛い顔してるわ。安心して、しばらくすれば治るから……その前に、行きましょうか?」


そう言ってクレオラは近づき──突然、鵺を抱きしめてきた。


「捕まえたわよ……さあ、一緒に行きましょう?」


だがその瞬間。

鵺は己の意思を奮い起こし、痺れる身体に鞭打って立ち上がる!


「っっ!」


ごちんっ!!


頭突き──クレオラの額と激突し、鈍い音が響く。

その激痛に顔を歪める暇もなく、続けて腹に蹴りを叩き込むと、その体を吹き飛ばした!


壁に激突し、蹲るクレオラ。


「……はぁ。往生際の悪い子は嫌われるわよ? 大人しくしてれば、痛い目に遭わずに済んだのに」


クレオラはため息まじりにそう呟くと、再び手を伸ばしてきた。

鵺はそれをかわし、素早く起き上がると背後に回り込み──チョークスリーパー!


「っ……!」


動きを封じ、首を締め上げる!


だが、相手は冷静だった。


「黒翼よ!!」


クレオラの背中から黒い翼が変形し、刃と化して襲いかかる!

鵺は拘束を解いてすぐさま距離を取った。


(くっ……流石ね……!)


心の中で舌打ちしながら、次の手を思考する。


(時を操る力……私と同じタイプ……動きが読まれている……厄介すぎる)


その時、新たな敵影が現れる。

クレオラが操る三機の人形兵士だ!


武器を構え、じりじりと包囲する。


(やるしかない!)


懐から2丁の拳銃を抜き放ち──

まずは一番近い敵へ走り寄り、至近距離から鉛玉を叩き込む!


次に背後から迫る機体を蹴り上げ、最後の一機には回し蹴りを叩き込んだ!


撃破──かと思いきや、背後に気配。


振り向いた瞬間、槍が飛び出してくる!


咄嗟に回避──が、バランスを崩し転倒しかけた。


だが鵺は倒れ込みながらその体勢のまま──


「はああっ!!」


滑るように滑り込みながら2丁拳銃を連射!

1発は外れるが、2発目が命中。敵の装甲を破壊して撃破に成功した!


だが、安心する暇もない。即座に立ち上がり、建物の陰へと身を隠す。


冷え切った廊下を駆ける。

だが鵺はは、どこからともなく聞こえる不穏な足音に、警戒心を高めていた。

時間停止の能力を持つ彼女の直感が、この空間の因果律に異物を感じ取っていた。

廊下の角から、クレオラが現れる。

ゴシックドレスに身を包んだ彼女の右目には、時計盤ヨグソトースのカケラが浮かび上がっている。


「あら、見つけたわ。鵺さん」

クレオラはにこやかに、しかし捕食者のような冷たい視線を鵺に向ける。

「あなた…やはり私の時間停止の中でも動けるのね」

鵺は盾から武器を取り出し、クレオラに問う。

「さあ、どうかしら。貴女の能力、試させてもらうわ」

クレオラが巨大な古式銃、刻ノ魔法銃を構える。

長針の銃口から放たれた弾丸が、鵺に目掛けて飛んでいく。

鵺は即座に時間を止める。

世界は静止し、弾丸もその場で動きを止めた。

しかし、クレオラの時の瞳がチクリと動き、弾丸の軌道をわずかに変えた。

鵺は、クレオラの『時間』への干渉能力を再び目の当たりにし、警戒を強める。

鵺は時間を停止させたまま、周囲の空間を把握する。

建物内は、複雑な構造になっており、彼女の封獣エリゴスによるワープ能力と、時限爆弾による陽動が有効だと判断した。

時間を解除すると同時に、鵺は手にしたショットガンを連射する。

だが、クレオラは人形兵たちを呼び出し、弾丸を相殺する。

その隙に、鵺は廊下の曲がり角に時限爆弾を設置し、ワープで別の階へと移動した。

クレオラは、鵺の残した爆弾に気づき、不敵な笑みを浮かべる。

「面白いことをしてくれるじゃない」

クレオラは廊下の端で、新たな人形兵を呼び出す。

その兵は、瞬時に爆弾へと向かい、爆発の直前に別の時空間へと飛ばした。

「さあ、次はどこに隠れたのかしら?」

クレオラは、鵺の気配を追って建物内を探索し始める。

一方鵺は、別の階の病室に身を潜め、状況を分析していた。

(このままでは分が悪い…彼女は私の『時間』の能力を無効化できる。正面から戦っても勝てない)

鵺は、自分の能力と、クレオラの能力を冷静に比較し、逃走に専念することに決めた。

彼女は再び時間を停止させ、建物内の全ての時限爆弾の爆発時間を調整し、クレオラが予測不可能なタイミングで爆発するように設定した。

そして、鵺はワープ能力と時間停止を巧みに使い分け、クレオラの追跡から逃れる。

クレオラは、あちこちで発生する爆発に惑わされ、鵺を見失ってしまう。

「くっ、逃げられた…」

クレオラは、怒りとも悔しさとも取れる表情を浮かべ、鵺の残した微かな因果の残滓を追う。

しかし、鵺はすでに、闇の中へと姿を消していた。

(…厄介な相手だった。でも、このままでは終わらない)

鵺は、遠ざかるクレオラの気配を感じながら、次の戦いのための準備を心の中で進めていた。


そのとき──背後から声がした。


「鵺ちゃん……! ウチや、エドナや! 無事で、よかった……!」


驚いて振り向けば、そこには金髪をなびかせた褐色の女戦士──魔王オームの姉、エドナの姿があった。


その褐色の腕が、迷いなく鵺を抱きしめる。


その温もりに、一瞬、鵺の中で張り詰めていたものが音を立てて崩れそうになる。

――誰にも手を伸ばせなかった、あの時の私が。いま、こうして抱きしめられている。


(……私は、まだ……一人じゃなかった)


その思いに、涙がこぼれそうになる。

それを押しとどめるように、鵺は唇を強く噛みしめた。


「……状況を、なるべく詳しく教えてください」


小さく、しかし確かな声で。

それは、傷だらけでも立ち上がる、ひとりの少女の決意だった。


挿絵(By みてみん)


https://www.facebook.com/reel/1491065501493940/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0


↑イメージリール動画

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ