乂阿戦記3 第二章 オレンジ髪の金獅子姫スフィンクス・アルテマレーザー-7 ハクア・プロジェクト出場チーム発表
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そしてところと時間がもどり学校の教室
オームはクラスの皆に昨日狗鬼家で起こった騒動を説明し終えていた。
「と、言うわけであの後オーム君も狗鬼家に泊まらせる事にしたんだけど……」
獅鳳がオームの話を補足すると
「おおっ!それからそれから!?」
はしゃぐ女子達は、オームと神羅の間に何かロマンスがあったのかと、胸をときめかせ聞き耳を立てた。
ところがオームは深刻な表情で話を続けた。
「……僕は、夜中に目を覚まして、廊下を歩いていたんだ」
闇に沈む座敷の奥から、低くくぐもった声が聞こえてきた。
『……オリンポスが動いたか。ならばこちらも、“カチコミ”をかける用意をしておけ』
魔導通信機に向かい、そう呟いたその人物は、まぎれもなく“じいや”だった。
だがその声は――
普段の温厚で人当たりの良い老執事のものではなかった。
彼は魔導通信機に向かって、黄衣の使徒の中でも最悪と名高い三人――獄炎魔王ルドラ、死神フルカス、金剛悪鬼ドルガと連絡を取っていたのだ。
あれは、修羅場を百や二百くぐり抜けてきた裏社会のドンの声だった。
氷のような沈黙をまとい、鉄の覚悟を滲ませていた。
「……怖かったよ、あの夜は……」
「おいおいおいおいッッ!? その三人って、スラルでもトップクラスの戦闘狂どもだろ!? お前のじいや、マジでオリンポスに戦争しかける気かよ!!?」
雷音が絶叫し、椅子から転げ落ちそうになる。
「正直僕はまだ若く、お飾りの魔王だから、じいや達が戦争を本気で決意したら止めることができない。特に武闘派最右翼のドルガじいやと獄炎魔王ルドラ殿がすごく乗り気だった……」
オームが溜息をつく。
「で、僕はセオスアポロ殿に申し出て相談したんだ。セオスアポロ殿はその日女王神ヘラと激しく議論を交わしたらしい。セオスアポロ殿は言った。アテナはハクア・プロジェクトで優勝したチームと一緒に暮らすことになると……かつて十五年前、女神ユキルがハクア・プロジェクトで優勝したホエル殿、プリズナ殿、ユノ殿、アタラ殿と一緒に暮らすようになったのと同じように、アテナは今年のハクア・プロジェクト優勝者と一緒に暮らす事がオリンポスの方針となったんだ」
「いやいやいや? アテナちゃんは神羅達と一緒に暮らしたいと言ってるんだぜ。なんでハクア・プロジェクト優勝者と一緒に暮らすんだよ。おかしいだろう?」
雷音がどなる。
だがオームは話を続ける。
「いや、そこはさすがセオスアポロ殿。彼は、ハクア・プロジェクト優勝者に家を進呈するらしい。それも狗鬼家の真向かいに豪邸をたてるんだそうだ。そして今ハクア・プロジェクト予選を勝ち抜いているメンバーに注目して欲しい……」
オームはタブレットを出し10組のチームの詳細を見せる。
一位 ユニット名:ミネルヴァ
ギター:狗鬼漢児
ドラム:永遠田与徳
ベース:龍獅鳳
ヴォーカル:狗鬼ユノ、峰馬アテナ、狗鬼絵里洲、永遠田神羅、アタラ・アルテミス
二位 ユニット名:紅刀牙
ギター:乂羅漢
ドラム:乂雷音
ベース:乂阿乱
ヴォーカル:乂ホエル 乂雷華 乂羅刹
三位 ユニット名:ナイトメア
ヴォーカル:ナイア・るら
ギター:マジ・エンダ
ドラム:ライト・ブルー
ベース:オレンジア・ネーブル
四位 ユニット名:ザ・メフィスト
ヴォーカル:スフィンクス・アルテマレーザー
ギター:キラグンター・ドラゴニア
電子ピアノ:クレオラ・フェレス
ベース:ティンク・ヴェル
ドラム:ホドリコ・アントニコ
五位 ユニット名:アフロディーテ
ヴォーカル:セレスティア・ヴィーナス
ギター:ヘルメス・メルクリス
ドラム:オル・ペース
ベース:峰場イリス
六位 ユニット名:カオスカオス
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七位 ユニット名:マジェスティ
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八位 ユニット名:センチュリー
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九位 ユニット名:魔王
ヴォーカル:エドナ・ソウル
ギター: オーム・ソウル
ドラム:イ・シュリ
ベース: 今宵鵺
十位 ユニット名:ドラキュラ
ヴォーカル:リリス・ツェペシュ
ベース:神楽坂レイミ
ギター:蛮童熹助
ドラム:浪花明人
十一位 ユニット名:ドアダ戦歌隊
ヴォーカル:イブ・バーストエラー
ギター:ネロ・バーストエラー
ベース:伊藤修一
ドラム:キャプテン・ダイナマイトボマー
十二位 ユニット名:フレイア
ヴォーカル:フレア・スカーレット
ベース:紅烈人
ギター:露木サウロン
サックス:蝶野照美
ドラム:イサカ・アルビナス
十三位 ユニット名:秘密結社ぐれいとでいもんず
ヴォーカル:ミリル・アシュレイ
ドラム:モロク・プルコギ
ベース:アムドゥシアス・バニク
ギター: グラャラボラス・イッヌ
電子ピアノ:白水晶
十四位 ユニット名:人魚姫
ヴォーカル:鮫島アクア
ギター:プラズマ絶斗
ドラム:クラブ・キャンサー
三味線:キロネ・海月
ベース:浜田車虎
十五位 ユニット名:魔法学園小学部軽音部
ヴォーカル:乂紅阿
ドラム:シルフィス・ドラゴニア
ヴァイオリン:鳳アリス
ベース:浪花スイカ
ギター:蛮童ヒース
「ううん?なんかほとんどウチのクラスの面子がハクプロの予選突破してね?」
「その通り!」
雷音の疑問にオームが答える。
「まあ、このメンバーがリストアップされた理由もおおよそわかる。まず第一にハクア・プロジェクトは普通のアイドル選定オーディションじゃない。対邪神用歌姫を本気で選考しようとしている戦場アイドル選定オーディジョンだ。先のクトゥルフ戦争で活躍したウチのクラスの女子が選ばれやすいのは必然だ」
「なんだよ。リリスもセレスティアもちゃっかり応募しやがって、お前らもなんだかんだアイドルになりたかったんだな?」
「うぐ!」
「あ、あははは……」
リリスとセレスティアがバツが悪い顔をする。
気になることがあり雷音はネロに尋ねた。
「なあネロ……お前達がエントリーしているドアダ戦歌隊って……」
「……守秘義務があるので黙秘する」
ネロは答えない。
ところが空気を読まずイポスが横から口を挟んできた。
「ああ、それ実はハクプロにメフィストギルドが現れると情報が入ったんで、ドアダで特別部隊が編成されたんだ。で、見晴らしの良い場所で敵を燻り出そうってドアダ七将軍のイブ様とネロ隊長、俺とウチのクソ親父が大会に参加することになったんだ。暗殺に備えてドアダ随一のバリア使いカメッス先輩も出張るし、一般客に扮したドアダ戦闘員も大勢入場してくる。みんなドアダ関係者だってバレないようにイブ様の熱心なファンだって誤魔化すべくオタ芸の猛練習してんだぜ! つーか全員ガチでイブ様推しのファンなんだけどな! いやー、趣味と実益を兼ねた良い作戦だ!」
得意げに話すイポス
「お前なに軍の作戦情報漏らしてんだあああ!!」
ネロはイポスの首根っこを両手でひっつかむと首相撲の体勢で膝蹴りの連撃をビシバシお見舞いした。
「ぎじゃぁー、ネロ隊長ごめんなさいーー!」
イポスはネロにボコボコにされ力なく床に転がる。
そして雷音はハタと気づく。
「ん?クソ親父?……ってことはイポスの父ちゃんてまさかキャプテン・ダイナマイトボマー?」
えーっ!とクラスみんなが驚く。
「うむ、ボマー将軍の本名は――伊藤剛三。そして今、床で転がってるあのアホが伊藤修一。つまり、親子ってわけだ」
「えええええぇぇぇ!?!?」
教室に爆音のようなどよめきが広がった。
「もしあいつがボマー将軍の息子じゃなかったら、とっくに軍法会議送りだろうな。いや、銃殺されててもおかしくなかった……」
「ご、ごべんなざい……ピクピク……」
イポスは床で痙攣しながら謝罪ポーズ。その姿は、まるでさばかれた魚だった。
そんなイポスを放っておいてオームは続ける。
「つまり予選通過者が、僕らの縁故ある者ばかりが固まっているこの状況は、とてもアテナちゃんに有利になんだ。僕らのうち誰か一人が優勝したら狗鬼家の前の家に引っ越してしまえばいい。何なら名義だけ移すだけでもいい。アテナちゃんは表向き新築の家に引っ越したことにして、実際には狗鬼家にそのまま住んでしまえばいいんだよ」
「オーム〜、お前ってほんま悪知恵働くのなぁ〜……」
雷音はオームを誉めていいのやら呆れればいいのやらわからないといった顔をした。
そうこうするうちクラスの担任教師タット先生が教室にやってきた。
弟子のルシルと一緒にハクアプロジェクトに関する資料をドッサリ持って教壇の上にそれを置いた。
「みんな待たせてすまない。ではハクアプロジェクトについて説明するので皆席に着いて欲しい。」
クラスの皆は先生に促され着席し、作戦会議を開くのだった。
https://www.facebook.com/reel/2476837069371604/?s=fb_shorts_tab&stack_idx=0
↑イメージリール