乂阿戦記3 第二章 オレンジ髪の金獅子姫スフィンクス・アルテマレーザー-5 ぐれーとでいもんず
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翌日学校にて
……
「ふぁ〜……。おはよう、みんな」
「おはよ、神羅」
「あら、珍しく今日はゆっくりじゃない?」
「ああ、なんか昨日バタバタして遅く寝ちゃったからかな? まだ眠いわ〜」
「駄目よ。夜更かしせずに早めに就寝するのは健康に大事なのよ」
教室に入るとクラスメイト達が集まってきた。
「え?オーム君が神羅ちゃんの家においとました日に夜更かし!?」
「おい、聞いたか? 今の言葉」
「ああ、確かにそう言ってるぜ!」
「この調子ならオームと神羅ちゃんピーしちゃってるかもしれねえ!!」
「あの野郎ぶっ殺してやる!!」
「わー、落ち着け雷音!」
と、あちこちから歓声が上がる。
そのセリフを聞いて神羅が顔を真っ赤にして叫ぶ。
「ちょっと、なんなんですか!? 」
「気にしないで、神羅が一足先に大人の階段登ったって私達友達だから。」
ポンと神羅の両肩に手を置くリリス・ツェペシュ
「いいや違う! 私とオーム君はまだそーゆーのじゃない!!」
「まだっていつかする気はあるってこと? ちなみにそーゆーのじゃないってどーゆーの?」
リリスはニヨニヨと、とってもいやらしく微笑んでいる。
「〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
神羅は真っ赤な顔を両手で覆い隠すと、ダーッと教室から飛び出して行った。
「し、知らない〜っ!リリスちゃんの意地悪〜っ!!」
「あ、神羅待って!」
教室から逃げ出した神羅をクラスメイトの今宵鵺が追いかけていくのだった。
さて今回ばかりは絵里洲はリリスに一言注意した。
「ったく、いつもいつもああやって茶化してくるのはマジで勘弁して欲しいわね。さすがの私もさすがに呆れてるよ?まあ神羅も反応が可愛いから余計からかいたくなるのはすごくわかるけど」
「ご、ごめん。さすがにさっきのは言い過ぎた。後で神羅ちゃんに謝っておくわ」
今回はリリスも素直に反省する。
「今回ばっかりは私も悪ふざけが過ぎたかな。悪いと思ってるけど、ついつい可愛いくていじりすぎちゃうわ」
そんな時だった。
「お、皆ちょうどいいところにいるのだ。おい、神羅が一体どうしたのだ? 大丈夫か?」
「あ! ミリルちゃん!」
「雷音はどこだ? 私のフィアンセに会いに来たのだ〜♡」
雷音の婚約者ミリルがお供を連れ教室に入って来た。
風紀委員のアクアがミリルの入室を咎める。
「おい! 小等部の生徒がなんでここに? ここは中等部の学舎だよ。小等部の生徒が入ってくるのは校則違反よ」
「なんで? 貴方誰? ウーンと、ひょっとしてもしかして雷音と私がラブラブなのを嫉妬してるのか? 自分も彼氏が欲しくて悔しいとか?」
「あなた……もしかしてバカにしてるの?」
彼氏無しのアクアはちょっとカチンときたようだ。
引き攣った作り笑いを浮かべている。
「おっと、ちょっとからかっただけなんだが言葉が荒いな。私にはきちんと名前で呼んでくれないか。これでも私はアシュレイ族の姫なのだ」
偉そうにふんぞりかえるミリルの頭を雷音はパチンと軽く叩き叱る。
「こらミリル! 先輩に対して礼儀がなってないぞ? 姫だろうがなんだろが年功序列はきちんと守れ。学校には学校のルールがあるんだぞ。」
「うう、雷音がそう言うなら…アクアちゃん先輩ごめんなさいなのだ。」
「あっはは! わかってくれたらいいのよ。何か大事な用事があるなら構わないけど、基本小等部の子が中等部の教室に出入りするのは基本校則違反だから気をつけてね」
「あー、わかりました、以後気をつけますなのだ」
「それでお前一体何しにきたんだ?」
雷音が尋ねるとミリルはハッとした顔で彼の方を向いた。
「あっはは、そうか。忘れてたな……おお! そうだ! 紹介しよう!!今度ハクア・ホールデン・プロジェクトで私と一緒にバンドを組む事になった『ぐれーとでいもんず』のメンバーなのだ!!」
「わおーん、ここが噂の魔法学校問題児軍団のクラスなのかワン!」
「んもー、噂通り綺麗なお姉ちゃんたちがいっぱいいるんだモー!」
「んあー!」
そう言ってミリルが紹介したのは、見覚えのある3匹の子供悪魔達だった。
「おや?お前たちはこの前アテナちゃんをメンバーにしようとしていたチビっ子悪魔達じゃないか。たしかグラちゃん、モロ君、アム君だっけ? あと白水晶、お前もミリルのバンドメンバーか?」
「正解……ただし当機は電子ピアノ担当……」
「えー、せっかくだから白水晶ちゃんもボーカルやればいいのに……」
獅鳳が少し残念がった。
「ねえねえミリル姫、このクラスのお姉さんたちみんな美人なのに何で問題児クラスって言われてるだワン?」
グラちゃんの疑問に雷音が答える。
「甘いぞグラちゃん? この美少女軍団はみなとびきりの悪党だ。綺麗な花には、棘があるって諺を覚えておくがいい」
雷音の言った通りこのクラスの女子たちは皆A級魔道士の実力を誇りつつ、性格破綻なところがある危険な存在ばかりである。
「特にあそこにいるルシル・エンジェルなんかは銀河連邦ヒーローランキング2位の女傑で、多分俺んちの極悪姉貴とタイマンはれるくらい強いぞ……」
「ら、雷音さんご冗談を……私のような未熟者が羅刹どのと渡り合うなど……頂を目指し挑みたい気持ちはありますが、今はまだ彼女に勝てる自信がありません……」
「おいおい、今のはただの軽口だからマジレスするなよ。あー、でもルシルならウチの姉貴を相手しても結構渡り合えると思うな〜」
そんなことを言っていると不意に扉が開いて金髪褐色肌の美丈夫が顔を出す。
黒ずくめの服装のオームだった。
教室に入るなりオームはクラスの皆から質問攻めにあった。
「おいオーム!お前昨日神羅ちゃんの家に泊まり込んだって本当か!?」
まずはアキンド
「ねえねえ、ナニがあったの?ナニがあったの?」
続いてリリスが口を開いた。
「うん、しばらく僕と姉上は狗鬼家にご厄介になることになった。まあ、ただの同居じゃないんだけどね……」
「ええ!?それどういうこと?ねえどんな関係?」
リリスはそんなオームに食いつくように口を開いた。
「それは……。ここじゃちょっと話しにくい内容だから……後でもう少し時間をおいてから……実はタット先生にも話を通している。放課後皆に説明をさせて欲しいんだ」
そう言うと、オームは腰に手をあててやれやれとため息をつく。
そして、真っ直ぐ皆の目を見てお願いをした。
「僕の姪御であるアテナちゃんを助けたいのと、オリンポスと覇星の使徒による全面戦争を回避するため、みんなの力を貸して欲しいんだ!!」
「「「お、おお……っ!?」」」
流石の魔法学園問題児軍団も、彼の真剣な発言に少し驚いているようだった。
「い、いや、お、驚いたな。え? オリンポスと覇星の使徒の全面戦争?誰がそんな事を言ったの? それに、そんな事実があるっていったいどういうことなんだ?」
「……ここで話すには少し複雑でね。タット先生にも話は通してある。放課後、皆に説明させてほしい」
「ふむ、まあいいだろう。いいぜ!放課後だな?」
そんな訳で、今回の物語がいよいよ本格的に始まるのである。
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↑イメージしたリール動画