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乂阿戦記2 終章 死せるクトゥルフ、ルルイエの館にて、夢見るままに待ちいたり-15 HEROアーレスタロス&ロート・ジークフリードvs真狂王ジ・エンド!!

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「ハ、まさかあんたと共闘することになるとはな。レッド……」

「フン、狗鬼漢児、貴様と馴れ合うつもりはない。だが、今俺は……俺には真っ先に倒さなきゃならない敵がいる!!」

「奇遇だな。俺も丁度いま、どうあっても、徹底的にボコってやりたい胸糞悪い外道共が目の前にいる!!」

ライバルであるはずのアーレスタロスとロート・ジークフリード

二人の漢はイサカとフレアを助けだすとクトゥルフと真狂王に向き直り臨戦態勢をとった。

「何の真似だレッドキクロプス? 貴様裏切るつもりか?」

「裏切る?俺は最初から最後までお前の部下ではない。」

真狂王の問いに堂々と答えるレッド

「何だと、貴様あああ!!」

激昂するマクンブドゥバに対してレッドキクロプスは不敵な笑みを浮かべる。

「……ついに、ついにこの時が来たなマクンブドゥバ! 我が恩師にしてフレアの両親である英雄シグルド・スカーレットと戦乙女クリームヒルト・ドラゴニアの仇を討つ刻がついに来たな!!」

「馬鹿め! ワシがニカにかけた呪いの事を忘れたか? お前がワシを殺したらフレアの妹ニカは呪いで死ぬのだぞ?」

「……さっきまではな」

「っ!?」

「マクンブドゥバ、貴様イサカさんをエクリプスに仕立て上げるため全呪力を注ぎ切っているだろう? ニカの呪いについてはイサカさんと打ち合わせは済ましてある。あの人は言った。ニカの事は、私に任せろと! 貴様の呪いは全て自分が引き受けると! マクンブドゥバよ! お前はこれから俺ではなく、子を想う母の愛によって斃されるのだ!!」

クトゥルフの中のマクンブドゥバが図星を突かれ動揺する。

「ぬううう! あの忌子めえええ! どこまでもワシに逆らいおってええええ!」

クトゥルフが全長500メートルの巨大を震わせ吠える。

クトゥルフが触手を振るうと、100メートルを超える巨大なワームや、全長20メートルを超える恐竜型巨大生物、4本の腕を持つ人型巨人などが現れた。

エクリプスの復活の儀式を9割方終えたクトゥルフは、強力な魔物を次々に作り出すことができる。

だがそんなものは二人のHEROの歩を止める理由にはならない。

レッドキクロプス…否、紅烈人が変身ヒーローの口上を述べる。

「顕現せよ!ヤマンソス・ドゥヴェルクの力!皆曰く、その性は雄風高節にして磊落不羈、他に並ぶものなくして、古今独歩の大豪傑なり。その名は人々の口からも生々世々絶えることなかるべし。変!神!ロート・ジークフリード!!!」

狗鬼漢児が変身ヒーローの口上を述べる。

「無茶無理無謀と言われようと意地を通すが漢道!!無茶でも壁があったら殴って壊す!無謀でも道がなければこの手で切り開く!無理をとおして道理を蹴っ飛ばす!無茶無理無謀、そんなものは殴って壊せと俺の拳が唸る!変!神!アーレスタロス!!!」

赤と蒼

好敵手同士の2人が同時に変身し、忌まわしい邪神に向かい駆け出した。

「フン、下らん。我が忠実なる僕と化したイサカは最早、我が手足も同然だ!もはや貴様らには勝機など無いと知れ!」

クトゥルフが巨大怪獣を召喚し、襲い掛かってきた。

全長100メートルの巨大なワームや10メートルを超える恐竜型巨人などが出現したのだ。

そんな怪物達に向かってロート・ジークフリードは構えを取ると……。

『ファフニール・シュトラール!!』そう言って拳から赤い光線を放った。

すると数百体に及ぶ魔物達は全て焼き尽くされたのだった……。

「ふん、これで全てか。思っていたより弱かったな?」

「そうだな、これならロキの召喚獣達の方がよほど手強かったぞ?」と二人のHEROは交互に邪神クトゥルフを挑発する。

「っ!おのれ、だがな、我が忠実なる僕である巨人は倒したが、果たしてこの大軍勢を倒せるかな?」とクトゥルフは言う。

「ほざけ」と烈人が言った瞬間だった。

100メートルを超える巨大怪獣達が召喚され始めたのだ。

さらにそれに続くように全長20メートルの巨大生物達も出現する……

それらが一斉に襲い掛かってきたのである……。

だが二人のHEROはそんなものにひるまない。

まるで今からウォーミングアップでもするかのように、魔物の群れの中に飛び込んでいった。

「漢の鉄拳ドリルパーーンチ!!」

アーレスタロスが右腕を突き出すと、蒼い拳骨のビジョンがドリルのように放たれる。

すると瞬く間に数百もの魔物達を貫いた。

気勢を削がれる魔物たち

さらにその隙を突いて、烈人の赤い斬撃波が魔物たちを切り刻む。

「う、うおおおお!? ば、馬鹿な! 此奴ら二人とも胡蝶峰剣に匹敵する武仙か!?」

二人から放たれる覇気に押されるかのようにクトゥルフはその巨体を大きく後退させたのだ。

不意に声がかけられた……。

「マクンブドゥバよ下がれ。此奴らの相手はワシがしよう。お主はお主の役割を果たせ。ネオ・エクリプス復活まであと僅か。ヌシでなくば儀式は完遂出来ぬのじゃ!急げ!」

ついに敵軍総大将"真狂王"カルマストラ二世が二人のHEROの前に立ち塞がった。

「奴め、総大将自ら出張って来たか。まあいい、我が復讐の障害となるなら排除するのみ!」


「喰らえ……ファフニール・シュトラール!!」


紅蓮の光が咆哮と共に放たれた。

だが――


「無駄だ」


真狂王カルマストラ二世は、悠然と片手を掲げる。

その掌が、光線を吸い込むように受け止めたのだ。


一瞬、時が止まったかのような静寂。

そして――


ゴッ!

真狂王がそのまま拳を握り潰すと、紅の光は弾け飛び、消失した。


「な……!? あり得ん!」


烈人の目が驚愕に見開かれる。


「吠えるな、雑兵が」


真狂王が腕を振り下ろす。


その一撃は、空気そのものを裂いた。

ドォンッ!!


轟音と共に烈人の身体が吹き飛び、数十メートル先の地に激突した。


「クッ……ぐ、あ……!」


しかし、烈人はすぐさま立ち上がる。

その目には――恐れではなく、闘志が燃えていた。


だが、その時――!


「おおおおおおおおおおおッ!!!」


蒼き漢、アーレスタロスが猛然と走り出した。

速度はもはや音を裂き、視線すら追いつかない。


跳躍――

空中で回転――

右足を突き出す――


その姿はまさしく彗星。

大気ごと貫くその一撃が、真狂王に襲いかかる!


「喰らいやがれッ!超流星アーレスキィィィック!!」


ズガァァァァァン!!!


地が裂け、山が崩れるかのような衝撃音。

土煙の中、静かに浮かぶ一人の巨影――


真狂王、カルマストラ二世。


その胸元には、確かに痕が刻まれていた。


「……やりおる。小童風情が、この我に……傷を、付けたか」


だが、余裕は崩れない。

その声音はなおも嘲るように、獲物を睨んでいた。


「フン、面白いではないか小童共! ならばワシも改獣の力を解放し、貴様らをねじ伏せるとしよう!」

真狂王の手に手品のように武器が現れ、気づけばその手に巨大な方天画戟が握られている。

真狂王は方天画戟で演舞を踊りながら口上を述べる。


「我こそは最悪の暴君!心求めるまま振舞い欲一念を貫きし狂気の圧政者!」


「有象無象の心ある者どもよ!我を否定せよ!正義の名の下、我に刃を向けよ!試練を捧げよ!試練こそは我が娯楽!それを乗り越えしは至福!貴様らの正道を打ち破り我は婆娑羅の頂点に至らん!」


「変!神!真狂王――ジ・エンド!!!」


その姿は、まるで狂笑を湛える道化の死神。

赤紫の毒々しい装甲が光を呑みこみ、背には黒きマントが戦場の瘴気を切り裂いてはためく。

頭部から伸びる二本の角、紅に灼く双眸。

右手には――人智を拒む破滅の凶器、死神の鎌に似た巨大な方天画戟。

鍛え上げられた筋肉質の肉体が、静かに地を踏みしめるたび、重圧が空間ごと軋ませる……。


挿絵(By みてみん)

「我が名は真狂王ジ・エンド!婆娑羅の求道者!!さぁどこからでもかかってくるがいい!正義の英雄どもよ!!」

その言葉と共に、肩の装甲からレーザービームを連発してくる真狂王。

「クソ!なんて火力だ!」と漢児が叫ぶ。

逆に烈人はニヤリと笑いつつこう言った。

『フン!偉そうな事を言っておきながらコソコソと遠距離攻撃か?俺の剣技にそんな小細工は効かんぞ!』

そう言って、ロート・ジークフリードは両手で剣を構え瞬時に間合いを詰め攻撃してきた。

しかしジ・エンドは焦ることなくそれを避けるとカウンターで反撃した。

『馬鹿め!接近戦ならばワシにかなうとでも思ったか!』とジ・エンドが嘲り笑う。

だが死神の鎌と鍔迫り合いになった次の瞬間、驚きに目を見開いた。

「むう?……まさかその剣は!」

「さすがは真狂王、俺の剣の力に気づいたか……そうだ、この剣こそは伝説の魔龍ファフニールを屠しバルムンク! 竜殺し剣バルムンクよ、俺に力を貸してくれ!」

その瞬間、バルムンクの柄の装甲が開きそこから光の粒子が放出され、真狂王に降り注いだ。

「うぉおおおお!!」


ロート・ジークフリードの剣――バルムンク。

その刀身が輝きを放ち、烈人の咆哮と共に振り抜かれた。

剣圧に触れた瞬間、真狂王の方天画戟が、悲鳴を上げるように軋んだ。


刃が削れ、柄が腐蝕する。

死神の矛に、錆が走った。


「……ほう」


ジ・エンドが、わずかに口元を吊り上げる。


「さすがは竜殺しの剣……バルムンク。だが――」


その手に力を込める。

すると、矛に走っていた錆が、音もなく崩れ落ち、元の姿を取り戻した。


「……無駄よ。貴様の聖剣がいかに伝説でも、我が矛を砕くことなど叶わぬ!」


烈人が目を見開く。


「なに……!?」


ジ・エンドは語り始めた。


「この“死神の矛”の柄に用いられているのは――《トネリコの樹》」


「……!」


「そう、かつて主神オーディンが《グラム》を砕いた時に用いた、神域の素材よ。

この矛もまた、グングニールと同じく“人の理を越える神具”なのだ!」


矛が赤黒く脈動する。

それはまるで、神話そのものの再現――死をも統べる権能の発露。


「貴様の剣が竜を屠ったならば、この矛は神すら討つ! 我が神槍、貴様の刃を粉砕し、正義の幻想ごと地に堕とす!」


だが、烈人は一歩も退かない。

バルムンクを構え、歯を食いしばる。


「……ならば、見せてやるさ。俺の正義が幻想じゃないってことをな!」


その言葉と共に、再び紅蓮の斬撃が閃く――!


やはり決着はつかない……それどころか二人の力はどんどん増していっているように見える。


轟音と共に、戦場に新たな疾風が駆けた。


「オイオイオイ! 俺を差し置いて盛り上がってんじゃねぇぞ!!」


雄叫びを上げながら、アーレスタロス――狗鬼漢児が突撃する。

全身をバネのようにしならせた高速タックル。

その進路は、真狂王ただ一人。


「フン……その程度の奇襲、見切っておるわ!」


真狂王は矛を構え、アーレスタロスを貫くのではなく、

絡めとるように受け止め、投げ――


ズシャァッ!


――だが、アーレスタロスは空中で一回転。

軽やかに地を蹴り、逆に矛の余波を利用して距離を取った。


「チッ、読まれてやがったか……。ならば、正面から叩き潰すだけだ!」


漢児は抜き放つ。

蒼き刃、アーレスブレイドが閃いた。


それに応じるように、烈人もまた剣を構える。


「バルムンク――相棒、共に戦場を駆けよう!」


赤と蒼、二筋の閃光が、真狂王を挟むように前後から間合いを詰めた。


「矛対剣か……面白い!」


ジ・エンドが嗤い、方天画戟を掲げる。


刹那――


「参るッ!!」


烈人の姿が消える。

次の瞬間、真狂王の目前に現れ、右下からの斬撃を見舞う!


キィンッ!


その斬撃を矛で受け止めつつ、ジ・エンドは左から横薙ぎの返し技!


「遅いわッ!!」


だが、そこへアーレスタロスが斬り込む。


「後ろがガラ空きだぜ!!」


矛が戻るより早く、アーレスブレイドが切っ先を突き出す!


――しかし、ジ・エンドもまた反応していた。

その重厚な鎧を軋ませながら身を翻し、アーレスタロスの攻撃を弾き返す。


「くッ……!」


そして矛をくるりと回転させ、漢児の足元へと薙ぎ払う。


「まずは貴様からだッ!」


「――なめんじゃねぇッ!!」


咄嗟に跳び上がって回避。

逆に上空から袈裟斬りを浴びせるアーレスタロス。


火花が弾け、剣と矛が正面からぶつかる。


その一撃、その応酬、すでに一合一会の剣戟ではない。

全てが命を懸けた“実戦”。


赤と蒼の剣閃が交錯し、狂王を包囲する。


そして、真狂王ジ・エンドもまた、笑っていた。


「ふはははッ! この緊張、この充足……実に愉快だ!! よいぞ、もっと踊れ小童ども!!」


二人の勇者が放つ剣気は、まさしく神代の伝承そのもの。

だが――この戦場には、明確な“地の利”があった。

この地は、ネオ・エクリプスの復活を目的として築かれた暗黒の魔力炉。

空気は淀み、瘴気が満ち、神聖の理が拒まれる。

その全てが、暗黒魔術の化身――カルマストラ二世にのみ味方する。

勇者たちの剣がいかに煌こうとも、彼だけは……傷つくたび、魔力の渦で即座に癒えていくのだった――。

↓イメージリール動画


https://www.facebook.com/reel/3909793739248647

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