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乂阿戦記2 第六章 紫の魔女ナイアルラトホテップと邪神ロキは暗躍の影で嗤う-4後編 指輪王ロード・オブ・ザ・リングvs聖王フェニックスヘブン

\超展開✖️熱血変身バトル✖️ギャグ✖️神殺し/


→ ブックマーク&評価、大歓迎です!

その姿を目にした時、その場に居合わせた全員が戦慄を覚えた。

特に神格の高いナイアはその存在の強大さに圧倒され、恐怖すら覚えた程だ。

それほどまでにその宝具は圧倒的な力を秘めていたのだ。

全身を覆う甲冑、背には蝙蝠と鷲のような4枚の翼、右手には刃のついたメイス、左手には盾、腰からは尾が生え、頭には山羊の角と王冠を思わせる装飾が施された兜を被っている。

まるで悪夢に出てくる魔王の如き姿であった。

「ふはははははっ!!これが僕の本気の力さ!イルスッッ!!貴様如きに負ける道理などないっ!!!」

高らかに哄笑を上げるロキに対して、今度は鳳天の方が困惑の表情を見せる番であった。

(フン、野朗……戦闘の前面に出る事を嫌うテメェがえらく熱くなってるじゃねえか?……まあいい、どのみちやることは変わらないしな)

そう結論付けると再び構えを取るのだった。

そんな2人の様子を見守る九闘竜ナイアとアルカームは未だに動けずにいた。

彼らもまた目の前の強敵雷音、獅鳳、キース、神羅、雷華にどう立ち向かえばよいのか判断しかねていたのである。

一方アーレスタロスと激闘を繰り広げるロート・ジークフリードは、いつもと違うロキの様子にどこか嬉しそうだった。

「よお、えらくご機嫌じゃないかジーク?」

突きを繰り出しながらアーレスタロスが尋ねる。

「フン、普段何を考えてるかわからんロキにも武人の熱さがあったのだとわかったのでな!」

突きを躱しつつ蹴りを繰り出すロート・ジークフリード

「は!そりゃあんだけ強い奴があんなに強い相手と喧嘩するんだ!燃えなきゃ嘘だろ?」

蹴りをスウェーでかわすアーレスタロス

「ハ、違いない!!」

両者が拳をぶつけ合い火花が散った!

アーレスタロスとロート・ジークフリード

その実力は伯仲していた!

そんな中、ロキこと指輪王と鳳天ことフェニックスヘブンの激闘も続いていた。

先に動いたのはロキの方であった。

彼は右手のメイスを振りかざし、一気に間合いを詰めてきたのだ。

そしてそれを迎え撃つ形で鳳天も拳を構え動き出す。

両者の一撃が激しくぶつかり合い火花を散らす。

そこから激しい打ち合いが始まった。

互いに一歩も譲らぬ攻防が続く中、不意にロキが後方に飛び退き距離を取った。

「ふん、なかなかやるな、ならばこれでどうだ?」

そう言うと右手を頭上に掲げ、掌を空に向けるとそこに魔力を集中させていく。

すると上空に巨大な魔方陣が浮かび上がった。

やがてその光が収まると、魔方陣の中心に巨大な生物が姿を現し始めた。

その姿は圧倒的に巨大な蛇と狼だった!

クトゥルフに比肩する伝説の神獣、原初のフェンリル狼と原初の世界蛇だ

「フェンリルオリジン!ヨルムンガンドオリジン!我が子らよ!いざ戦場に降り立て!!奴らを喰らい尽くせ!!!」

召喚された二匹の神獣はその巨体からは想像できない程の俊敏さで、HERO達のいる場所めがけて襲いかかった。

「さあ行け我が息子達よ!愚かな人間どもを食い殺せ!!」

雄叫びを上げながら襲いかかる巨大で凶悪な怪物たちを前にして、HERO達も他の九闘竜達も身動きが取れなかった。

だがそんな状況下にあって、全く動じない男達がいた。

その男達こそはHEROフェニックスヘブンとHEROアーレスタロスであった。

「「機神招来!!」」

同じタイミングで男たちは叫ぶ

「機械神アーレスタロス!」

「機械神フェニックスヘブン!」

次の瞬間、二人の体が光に包まれたかと思うと、その姿が変貌していく。

否、招来した巨大ロボに吸い込まれて行く。

蒼き封獣アーレスタロスが顕現し原初のフェンリルの牙を防ぐ

黄金の改獣フェニックスヘブンが顕現し世界蛇の牙を防ぐ

二機の巨大ロボが同時に動く。

圧倒的な力で敵を粉砕せんとする二体の巨獣に対して、2体の巨神は凄まじい力を持って受けて立っていた。

その力は完全に互角であるかのように見えた。

だが徐々にではあるが確実に押され始めているのが見て取れた。

ロキが不敵な笑みを浮かべつつ語り始める。

「ふふ、流石だな……北欧の主神オーディンと最強神トールに比肩する我が子らと互角とはな……」

そう語るロキに対し、鳳天もまた応えるように言葉を発する。

「ああ、お前は確かに強い………だが、今回の俺の目的は別にテメェと闘う事じゃねぇんでな……」

「なに?」

ロキが疑問を抱いたその時、突然背後から強烈な衝撃を受け吹き飛ばされた。

そしてロキはそのまま地面を転がり続けるも、すぐさま立ち上がり衝撃の原因を確かめようとすると、そこには一羽の大きな鳥の姿があった。

いや、正確に言えばそれは鳥ではない。

翼を広げた姿は全長20m以上はあるであろう赤い巨大な人型ロボットだった。

そしてもう一機赤紫のウサ耳頭部の機体もある

「封獣機クトゥグァ!封獣機ユグドラシル!」


封獣機クトゥグァ――雷音と雷華の兄妹が操る、紅蓮の火属性ロボ。

封獣機ユグドラシル――神羅が搭乗する、自然と生命を司る神樹のロボ。今回はオマケで獅鳳とキースも乗っている。


驚くロキを尻目に鳳天が機体より通信を始める。

「フェニックスヘブンより通信、クトゥグァ機、ユグドラシル機、援軍要請に応じてもらい感謝する!イサカの身柄確保は?」

「応ッ!イブ姉ちゃんはコックピットに無事回収した!」

クトゥグァ機内の雷音が答える。

「イブさんは気を失ってるみたいだけど命に別状はないぞ!」

雷音の後で、魔力カプセルの中で全裸で浮かぶ雷華が返答する。

「こちらユグドラシル機、友軍のメンバーは皆集結している。これよりアポートポイントに集合する!」

獅鳳も鳳天に返事を返す。

「ムガハハハハ!生まれて初めて巨大ロボに乗ったぜ!なのになんで俺は目隠しされてんだ?俺も巨大ロボ対怪獣の戦い見てみたいぞ?」


「ちょっとキース君!こっちはカプセルの中で裸なの!今見たら……絶対許さないからね!」

神羅はカプセルの中で慌てて腕で胸元を隠しながら、声だけは強気だった。


神羅がカプセルの中で手で裸を隠そうとする。

「ムガハハハハ!そうなのか、了解した!鳳天のアニキ、こっちの準備はオッケーだぜ!」

獅鳳が操縦するユグドラシル機からの通信にフェニックスヘブンはそれに応えるように右腕を高く上げ応えた。

それと同時に背中のブースターユニットから炎を噴き出す。

「アポート作戦開始する!!!」

その言葉と共に四機のロボはロキの巨獣二体の攻撃を掻い潜りながら鳳天が乗ってきた超高速艇アヴァロンの待つ場所に向かって飛び立った。

「ふん、たかが数機で何ができる。我らを相手にしようなどとは片腹痛いわ!」

ロキはそう言うと、両手を大きく広げた。

すると周囲に黒い霧が発生し、その中から無数の魔物たちが現れた。


挿絵(By みてみん)


その数はざっと見ただけでも数百体はいるだろうか。

恐るべきことに、召喚されたのは20メートルはある巨大なデーモンばかりだった。

巨大な悪魔たちは、魔法の鎧と炎の武器を手に持ち巨大ロボットの軍勢にも見える。

ロキはそれらの魔物たちに命令を下す。

「バルログ兵団進撃せよ!奴らを蹴散らせ!」

その言葉に呼応するように魔物たちは一斉に咆哮を上げ、進撃を開始した。

対するこちらはと言うと、こちらも鳳天の号令に従い、魔物の群れの突撃に対し防御陣形を取る。

だが、敵の数が多い上に、味方の数が少なすぎる。

このままでは全滅するのは時間の問題だろう。

「ククク、どうやらお前たちはここで終わりのようだな。我が大召喚を目の当たりにして生きて帰ったものはいない!イルスよ!貴様の命運もここまでだ!!」

そう言って高らかに笑うロキに対し、雷音は冷静に言い放った。

「それはどうかな、お前はまだ俺たちの恐ろしさを知らない。俺たちには切り札があるんだよ。それを今から見せてやるさ」

そう言い放つと、彼は懐からあるものを取り出した。

それは一見何の変哲もないただのトランシーバーだ。

雷音はトランシーバーを使い友に連絡を取る。

「こちら雷音、おいアキンド、俺たちの姿はそちらのモニターにきちんと写っているか?」

ところ代わり戦闘空母バエルスター内のロボ兵団格納庫

現在、この格納庫には20メートルロボ四機分のスペースが空いていた。

雷音達の様子をモニターで見ながらアキンドが返事をする。

「おっしゃらバッチリだ。任せろ!」

映像はアヴァロンのドライブレコーダーを通し、映されている生放送の映像だ。

そして、ロボ軍団と敵勢力との戦いの様子も映っている。

アヴァロンを中心に円陣を組み

画面の中では次々と巨大悪魔バルログ達を相手に奮戦する巨大ロボ四機の姿が映っていた。

しかし、戦況はあまり芳しくないようだ。

それも当然であろう。

何しろ相手は数百体はいるのだ。

いくら機械神とはいえ、4体では限界がある。

さらに後には原初のフェンリルと世界蛇が控え、予備戦力にもロキの指輪王機械神形態にナイアのパズスフィンクスもある。

もしかしたらレッドキクロプスとアルカームも改獣を保有してるかもしれない。

はっきり言って状況は最悪に近かった。

それでも、彼らは決してあきらめなかった。

「よし、それじゃ始めるぞ、アキンドいいな!?」

その言葉を合図に、各々が動き出した。

「アポート発動準備完了!魔法班能力のブーストを頼むぞ。!!」

バエルスター内部でアキンドがその特殊能力を発動させる。

アポートは転送魔法の一種であり、対象物を手元の場所に移動させる能力である。

アキンドの学友達がアポート能力を強化させるべく呪文を詠唱している。

リリス、アクア、ネロ、ルシル、レイミ、絵里洲が六芒星魔法陣の角上で声を合わせて詠唱している。

六芒星の中心では鵺が転移能力を持つ封獣エリゴスに跨り転移の力をアキンドに上乗せしている。

彼女らは師タットの指示のもと巨大な転移魔法陣を形成していた。

転送魔方陣を見てロキがあざ笑う。

「馬鹿め!屈指の召喚魔法使いである僕を相手に転送魔法を発動できると思ったのか!?容易く妨害してくれるぞ!!」

指輪王ロキが妨害の魔法陣を虚空に描く。

だがアキンドのアポート能力は一芸特化の理外の特技だった。

なんと、ロキの妨害魔法を無視して、強制的に転移魔法を発動したのだ。

アキンドが行ったアポートは目に映るものならばリアルタイムの物ならば映像越しだろうと手元呼び寄せる瞬間移動超能力。

彼の唯一にして最大の特技

魔法学校の名教授タットの指導により手元に呼び寄せる事に関しては窮極に極まっていた。

四機の巨大ロボが次々とバエルスターに転移していく。

「アポート!!・・・成功だな」

その結果を見たロキが驚愕する。

「なんだとぉぉぉぉおおおおおおお!?!」

彼はまんまとイサカを鳳天に奪われ、逃げられてしまった。

「…イルス……イルス〜〜〜っ!!」


絶叫が、虚空を裂く。


誰も応えぬ、その名を。誰も戻らぬ、その場所で。


アキンドは、静かにトランシーバーを握りしめながら言った。


「残念だったな。俺の勝ちだよ」


ロキは歯ぎしりすると、今度は憎々しげに虚空の魔法陣を睨みつける。

「おのれぇええええ〜〜〜〜!!!」

強大な魔力が吹き出し荒れ狂う。

その様子を見ていたアキンドが鼻で笑った。

「へ、ざまあ見ろ!」

そう言いながらダラダラと汗をかきながら思う。

(………向こうからこっち見えてないよね? なんかアイツ最初の印象と違って、めっちゃ強そうかつおっかないんですけど!? 絶対に見えてないよね!!?)

そう心の中で呟くと、彼は能力の使い過ぎでスタミナ切れを起こし、気絶した。


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