乂阿戦記1 プロローグ+第一章- 赤の勇者雷音と魔剣クトゥグァ-1 伝説の始まり
この小説はスパロボやアニメが大好きな自分が、「推しキャラ達を自分の物語の中で思いきり活躍させたい!」という想いから生まれました。
オタク話出来る話相手に飢えてます。
話相手が出来たら嬉しいです。☺︎
勇者✖魔法少女✖スーパーロボット
――神も魔女も戦艦も、全部まとめて拳でぶん殴る!
これは“最強一家の家族愛”が、神々と戦争までも巻き込んでいく物語。
熱血主人公と歌って戦う魔法少女、そしてスーパーロボットが入り乱れる――伝奇バトルが始まります。
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プロローグ:神すら殴り倒す男
俺が異世界に来て目にしているこの光景は、これまでの人生の常識をぶち壊す光景だった。
巨大戦艦に、ただの人間がジャーマンスープレックスを決めていたのだ。
「……は?」
爆音が空を割り、火柱が天を焦がす。
一隻の戦艦が空中でねじられ、別の艦に激突。連鎖爆発が空を赤く染めた。
まるで戦場のビリヤード。だがキューを握っているのは――たった一人の男。
「グルァアア”ッア”ッア”ア”ア”ア”ッ!!」
咆哮が轟き、天地が震える。
名を乂阿烈。
身の丈二メートルを超える、筋骨隆々の狂戦士。
上半身は裸、下半身には血に染まった布を巻いただけ。
その拳は戦艦の装甲を素手で引き剥がし、宇宙兵器を投げ飛ばす。
拳を振れば天が割れ、足を踏み鳴らせば大地が揺れる。
――まさに“戦争そのもの”。
俺の頭は理解を放棄し、ただ口が勝手に叫んでいた。
「嘘だろ……人間だよな、あれ……?」
⸻
「漢児アニキー!! 巻き込まれるってば! 早く逃げようぜ!」
赤髪の少年が駆け寄ってきた。
炎のように燃える髪を後ろに束ね、瞳には闘志の光。
この異世界で出会った弟分――乂雷音だ。
「なあ雷音……あれ、まさか……」
「……うん。あれは俺の兄貴、乂阿烈だよ」
……やっぱりか。
どうやらこの《乂一家》、兄妹全員が規格外らしい。
神を殴り倒し、魔女と渡り合い、冥府から蘇り、女神を嫁にし――
その拳で世界をぶん殴る。
そんな一家の長男が、目の前の阿烈だった。
⸻
ここで一度、自己紹介をしておこう。
俺の名前は狗鬼漢児。
地球生まれのただの高校生。プロレス好きの母ちゃんがノリでつけた妙な名前と一緒に、平凡な日常を送っていた……あの日までは。
そう、トラックに轢かれるまでは。
目を開けた時には、もうここにいた。
十二色に分かれた多元宇宙の一つ、“修羅界”に属する惑星スラル。
夜空だけが常に黒いことから《黒天》と呼ばれる、戦乱と暴力に支配された世界。
そんな地獄に放り込まれた俺が、最初に出会ったのが雷音だった。
人懐っこくて、少し抜けてるけど根性はある。
そして今は――戦艦をぶん投げる兄を持つ少年。
「……おいおい。弟分の兄貴が、戦艦スープレックス野郎とか聞いてねえぞ」
「はは、俺だって最初は信じられなかったさ。でも……これが阿烈なんだ」
雷音の声は少し震えていた。
それでも、彼の瞳は兄への畏怖と憧れでまっすぐに輝いていた。
⸻
火柱の中、阿烈がこちらを振り返る。
目が合った瞬間、心臓が鷲掴みにされるような圧が走った。
あれは人間の目じゃない。戦争を引き起こす災厄の目だ。
だが不思議と、その背中からは“家族”を守る男の匂いもした。
……この一家、やっぱりただの怪物じゃない。
血のつながりと絆で、世界すら殴り飛ばしていく連中だ。
俺? ただの転移してきた地球人だ。
だけど、ここで何者になるかは――俺自身が決める。
そう心に刻んだ瞬間、雷鳴のように爆音が鳴り響いた。
⸻
ここから始まるのは、神々と魔女と巨大ロボが入り乱れる、血と絆の物語。
その序章に立つのは、赤き魔剣に選ばれし少年――乂雷音。
彼が炎の魔剣クトゥグァを引き抜いた時、伝説は動き出す。
⸻
第一章:赤の勇者・雷音と炎の魔剣クトゥグァ
すべての始まりは、雷音が“クトゥグァの洞”で魔剣を引き抜いたことだった。
その日、雷音は義姉・乂神羅とともに、
母・ホエルに内緒で火山ダンジョンへと向かっていた。
神羅は血の繋がらない姉だが、雷音にとっては幼いころから共に育った大切な存在。
赤髪を腰まで伸ばし、それを三つ編みにして戦う体術の使い手。
盗賊スキルと火炎魔法を得意とする雷音は、この冒険に賭けていた。
一方の神羅は、ボブカットのピンク髪に赤いリボンを飾った癒し系少女。
支援・回復魔法を得意とし、魔法を使うときには髪から淡いピンクの魔力がほのかに光る。
ふたりの目的は、かつて母が“邪神ナイアルラトホテップ”を倒した時に用いたという、伝説の武器──炎の魔剣。
兄たちも何度か挑んだが、未熟な探索スキルではたどり着けなかった。
だが雷音はついにその魔剣を発見し──そして、引き抜いた。
「……これが、“クトゥグァ”……!」
紅蓮の死骸に突き刺さった一本の剣。
柄を握った瞬間、空気が震え、剣が呻き、そして──灼熱の炎がほとばしる。
炎は死骸を包み、同時に雷音の身体をも飲み込んだ。
肺が焦げる匂い、皮膚の下を何かが這う痛み――視界が赤に染まった。
「雷音っ!? なにこれ……熱っ!」
神羅の悲鳴が届く前に、雷音は炎の渦の中心へと閉じ込められる。
──そして現れたのは、龍の姿を宿した少年。
赤い鱗に覆われた体。
蝙蝠のような翼が背から広がり、ねじれた角が額に生え、黄金の目が炎の中で妖しく輝く。
その姿はまるで、神話の竜と悪魔が融合したような、終末を呼ぶ“災厄の象徴”。
「きゃあっ、雷音が……化け物に……!」
だがその声に応じたのは、変わり果てた姿の雷音だった。
「……落ち着け、神羅……!」
その声は確かに、雷音のもの。
拳を握りしめ、意志を込めて目を閉じる。
その魂が、魔を制し、炎を鎮めていく。
やがて炎は静まり、霧のように姿を変えていく。
そこに現れたのは──いつもの少年、乂雷音だった。
「ふう……なるほど。母さんが言ってた通りだ。炎の魔剣は、俺に“龍変身”の力をくれるらしい」
「……でも、魔剣の力って、むやみに使ったら呪われたりしないの?」
「さあな。でも今は、そんなこと気にしてる場合じゃない。とにかく、ここから出よう」
「……うん、わかった」
こうして冒険は始まった――《クトゥグァ》の炎に、何かが応じる気配も知らないまま。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます!
いよいよ雷音の冒険が始まりました。炎の魔剣クトゥグァが彼に何をもたらすのか――ぜひ見届けてください。
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