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爆縮と体温の機知(12)

空気のラジオ

山にぶつかった救急車の音

平野に広がり響く

衝撃が無ければ

感情が揺れることは無いみたいに

空気のラジオが聞こえる


中の様子は分からないが

夜の暗がりに赤いランプは目立ち

しばらくして

ファミリー向けの乗用車が

その後ろを付いていった


遠くで

「右に曲がります。ご注意下さい」の音

そう流れているように聞こえた

明確な部分は

知っている道と施設の場所で補完する

実際には

「〜〜曲がります。〜〜意下さい」しか

聞こえていない

絶対ではないが

不明確すぎるということも無いから

勝手な想像は生まれたのかもしれない


音の大きさほど

揺れることは無くなった

子供の頃より少なくなったのだ

裏返せば

心配することも

大丈夫だろうかと考えることも

少なくなったことになる

他人と自分の境界線が

明確になったのだろう

優しさを注力する相手を

選んでいるのだ


悲しいことなのかは

全く分からないし

人間の出来ることなんて

そんなに多くは無い

効率的でもある

手の届く範囲内でしか

人の感情は揺れないのだ

しかし

巷の人間は知らない他人の死を

良くないことのように叫ぶ

あれは優しさと呼んでいいものではない

そんな気がしている






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