表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
姫巫女ともう1つの世界  作者: 新城真理亜
1章 はじめての異世界
5/7

説明と選択

「結衣!!」


結界を解くのと同時に紗良が私に抱きついてくる。


「今の何!?その人誰??」

「わかるように説明してよ!」


紗良と雫が泣きそうな目で私を見ながら叫んでいる。

その後ろで、先輩と同級生の2人も見てくる。

内緒にしておきたかったけど、仕方ないわね。


「説明するから、少し集まってくれますか?」


優希先輩に目で助けを求めると頷いてくれた。

私の後ろでそれを眺めるルナウス。


「ルナウス、説明するから、一緒にお願い出来る?」

「いいぜ。お前の頼みなら」


そう言ってニヤと笑う。


―――――――――――――――――――――――


ある教室に移動し、一応周りには話が聞こえないように結界をはる。

そして、みんなの方に向き直る。

一息をつき、私は話し始めた。


「信じられないと思うけど、私は1年前もう1つの世界に行ってしまったの。そこで、姫巫女という、その世界で1番の魔力を持つものとして選ばれた……………」


姫巫女という存在は何か。

そして、さっき私たちを襲ってきたのは、その世界に住む魔物という生き物であること。

でも、本来はこの世界にはいないこと。

向こうの世界に異変が起こ、こっちに通じてしまった。

理由は分からないけど助けを求められたこと。

私はその世界に行かなければならないこと。


「どういうこと??」

「訳が分からない。」


(そうだよね……)


「分からなくてもそういうことだ。そして、お前らには、向こうの世界に着いてきてもらわなければならない。」

「どうして?」

「この世界と繋がってしまった以上。魔物がいつ現れるかわからないの。」

「結衣がいないと、お前らを守るものは誰もいないってことだ。死にたくなければついてこい。」


ルナウスが私の話の補足をしてくれる。


「みんなのことは、私がちゃんと守るから。一緒に来てくれるかな?」


ほんとはもう二度と行きたくない。

でも、こうなった以上行かなければならない。


「分かった!紗良はついて行く!!だって結衣がいるもん!!」

「紗良が行くならうちも行くわ。結衣と紗良だけ行かせられないもの。」

「紗良と雫が行くって言うなら、俺らも行かないとな瑛人。」

「そうだな。お前ら2人をいらん事しかしないからな。」

「な!なんですって!」

「みんなが行くというのなら僕も行くよ。部長としてみんなの安全を保証しないといけないからね。」


そういい。

みんな承諾してくれる。


「ありがとう。早速で申し訳ないんだけど、明日には出発したいの。だから、今日は家に帰ったら準備して欲しい。生活に必要な物は向こうにあるから、借りたりすることはできるけど。」


「必要なものがあれば準備しておけ。戻ってきた時は、そう時間がたったように思わない。時間の進みが違うからな。」


やはり、ルナウスが不足をしてくれて、話は終了する。

みんな各自に話をして、その場は解散となった。


「結衣……」

「ルナウスどうしたの?」

「大丈夫か?」

「大丈夫……今度は1人じゃないから」

「そっか……まぁ、何があっても俺が傍にいるから」

「うん、ありがとう。」


(不安しかないけれど、仕方がない。みんなの事は私が守る。絶対に)


そう、心に誓った。

横で心配そうに私を見るルナウスには気づかずに……


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ