普通の毎日2
2人で更衣室に向かい、部活の練習着に着替える。
「今日は先輩たちくるかな?」
「どうだろうね」
「も〜う!結衣〜冷たい〜!」
「知らないよ、紗良が優希先輩と会いたいだけでしょう?」
「あーあ!名前出さないでよ!!」
紗良は、私たちの部活。
テニス部、部長の石田優希先輩のことが好きなのだ。
テニス部に入ろうと決めたのも、紗良が優希先輩に一目惚れしたから。
私はまんまと、一緒に入れさせられたという。
ほんとは弓道部に入りたかったんだけど……
そんなことを思っていると背後から低い声が聞こえた。
「2人とも……うちを置いていくなんていい度胸してるじゃない?」
「ひぃぃ!!」
紗良が悲鳴をあげる。
まぁ、そらそうよね。
鬼の形相でこちらを睨みながら近ずいてくるのはもう1人の私の友達であり、テニス部の女子メンバー北乃雫。
雫は高校から出来た。
仲の良い友達。
「だって雫は、課題してたじゃない?」
「ぅ…それは………仕方ないじゃない…………遅刻……しちゃった……ん……だ……から……」
そう雫は、いわゆるちょっとした問題児で、遅刻魔なのだ。
「ほら、雫も早く着替えて。そうじゃないと置いていくよ?」
「はーい」
「雫ちゃん、結衣に怒られてやんの〜♡」
「あら、紗良ちゃん♡首を絞められたいのかしら〜?」
「きゃあ〜怖い結衣助けて〜!」
この2人の絡みはいつもの事。
そして、
「ふざけてると2人とも置いていくわよ?」
「えーごめん結衣!!怒らないでよ!ね?♡」
「まって急いで着替えるから!!」
私の怒りもいつもの事……。
ははは…………さすがに毎日はしんどいんだけどね……