3:かずのおしろ(1)
白いノートからでたひかりのみちをあるいたきみは、森のおくへとすすんでいった。その先にまっていたのは……
「うわぁ」
いきなり目のまえにあらわれたのは、すべてが金いろのおしろだった。そのまわりには川がながれており、おしろのもんへとむかうには、石でできたはしをわたるひつようがあった。
でもそのはしは、川のまん中でとぎれていて、わたることができそうにない。きみはこまってしまい、じっと川の水を見つめた。
するとぷくぷくとあわが立ちのぼり、そして水の中から一ぴきの小さなかえるがとびだした。
「なんだ、おまえは。おしろへいきたいのか?」
「うん」
「そうか。ならこっちにこい」
そういうとかえるは四本の足でピョンと大きくはねていった。きみはそのあとをあるいてついていく。
「ここだ、ここだ」
「ここ?」
「そうだ。このナゾをとかないと、おしろへは入れないぞ」
ピョンピョンとはねながらかえるがきみを見つめる。その足もとにあったのはいくつかのすう字ときごうのかかれた貝がらと、それがぴったりとはまりそうな小さな石のつくえだった。
そしてその石のつくえにかかれていたのは
【「1+ =9」 貝をはめてかんせいさせて。いっぱいかんせいさせてほしいな】
「つまりこの貝をおいて、9をつくればいいんだね」
「そのとおり。でもいっぱいつくるのをわすれちゃだめだ」
「そっか」
きみは手にもった貝を見る。その十まいの貝にかかれていたのは
「3」「8」「2」「+」「+」「4」「7」「1」「2」「+」
きみはうーんとがんがえた。
(もんだい3)
さて十まいの貝をつかっていくつ「9」をつくることができるかな?
1.1つ
→(1)へすすむ
2.2つ
→(2)へすすむ
3.3つ
→(3)へすすむ
(1)
「1となにを足したら9になるかっていえば、8だよね」
きみは「8」とかかれた貝を石のつくえのくぼみにはめた。
【1+8=9】
でもなにもおこらなかった。
「正かいだ。でもまだまだ9はつくれるんじゃないか?」
かえるがぴょんととびながら、きみをわらった。
(もんだい3)へもどって、もうちょっとかんがえてみよう。
(2)
「えっと、まずは8でしょ」
きみは石のつくえに「8」とかかれた貝をおく。のこった貝はあと九まい。
「3」「2」「+」「+」「4」「7」「1」「2」「+」
「えっと1はもともとあるから、9をつくるためには8がひつようだよね。この中で8がつくれるのは……」
きみはじっとのこった貝を見つめ、そして気づく。
「あっ、1と7を足すと8になる!」
きみは石のつくえのくぼみに「1」と「+」と「7」の貝をおいた。
【1+8=9】
【1+1+7=9】 (【1+7+1=9】でもいいぞ)
しかしなにもおこらなかった。
「ふふっ、おしいな。でもまだまだあるんじゃないか?」
かえるがピョンピョンとたのしそうに円をえがくようにはねる。うーん、まだまだ正かいがあるってことかな?
あともうすこしだ。(もんだい3)にもどってかんがえてみよう。
(3)
「まずは8だよね。で次は1と7を足すと8になるからこれでも9はつくれる」
きみは手にもった貝を石のつくえのくぼみにはめていく。
【1+8=9】
【1+1+7=9】 (【1+7+1=9】でもいいぞ)
ふたつの正しいくみあわせができあがった。そしてのこっている貝はあと六まい。
「3」「2」「+」「+」「4」「2」
「うーん、1この+じゃあ、一ばん大きくても3+4で7だよね。じゃあもう1この+をつかわないとだめだよね」
きみは石のつくえに貝をならべていく。
【1+3+4+ =9】
「1+3+4は8だよね。9になるためにはあと1があればいいけど……」
きみは残った貝を見るが、のこっているのは「2」の貝が二まいだけだった。
「うーん、これはちがうみたい。じゃあ入れかえるとして、なにとかえよう」
きみは3とかえようか、4とかえようか、かんがえはじめる。うーん、うーんとなやみながら正しいこたえをさがしていく。
「さっきは1がほしかったんだよね。あれっ、ということはかえるすう字に1を足したかずがつくれればいいんじゃないかな?」
3をのこしたなら、4+1の5がつくれればいいし、4をのこしたなら、3+1の4がつくれればいいってことだね。そうすればりょうほう8がつくれて1と足せば9をつくることができるから。
「じゃあ4か5をつくれるくみあわせってかんがえると正かいは……これだ!」
【1+4+2+2=9】 (【1+2+4+2=9】や【1+2+2+4=9】でもいいぞ)
石のつくえの上に三つのこたえがならんだ。
「正かいだ。おしろへのみちがひらくぞ」
「えっ?」
つぎのしゅんかん、ゴゴゴゴゴ、という音とともにじめんがゆれた。そして目のまえの水の中からゆっくりと石のはしがうかびあがってきた。
それはとちゅうでとぎれていたはしとぴったりとくっつく。おしろへのみちができあがったのだ。
「では、あんないしよう」
「うん」
ぴょんぴょんととびはねてすすむかえるのあとを、きみはゆっくりとあるいておしろへとむかっていった。
(つづく)