2:ふしぎな女の子
<ア>
しらない人とははなさない、とおしえられていたきみは、その女の子を見つめたままだまっていた。そんなきみを見ながら女の子は、こてん、とくびをかたむける。
「どうしてだまっているの?」
「しらない人とはなしたらだめっていわれたから」
「ふふっ、そっか」
女の子が目をほそめてわらう。ちょっとだけさみしそうなそのかおに、おもわずはなしかけてしまいそうになるが、ぐっとがまんする。
「きみはいい子だね。じゃあさよなら。この子が正しいみちをおしえてくれるから、こんどはよりみちしないでね。ばいばい、学校をたのしんで」
女の子はきみへむかって手をふり、そして森のおくへときえていった。
「わんわん!」
犬がきみにちかより、そしてついてきてというように、ふりかえりながらあるきだす。きみは女の子のことが気になりながらも、犬のあとをついてあるいた。
しばらくして犬があるくのをやめる。そこにはいつもどおりの町のけしきがひろがっていた。学校のすぐそばのこうさてんだ。
おうだんほどうのしんごうが赤から青へとかわる。
「あれっ?」
まわりを見てほっとしたきみは、先ほどまで犬がいたはずのばしょを見たが、もうそこにはなにもいなかった。
「おーい、なにしてんだよ。しんごうかわっちゃうぞ!」
ともだちのよぶこえにハッとしたきみは、右と左をかくにんして車がきていないかたしかめてから、はしっておうだんほどうをわたった。
「おはよう」
きみはともだちとあいさつをかわして、学校へと入っていく。
「わんわん」
どこかとおくで犬のなきごえがきこえたような気がした。
おしまい
(ノーマルエンド2)
女の子はなにかこまっているみたいだ。(もんだい2)にもどってこんどはたすけてあげてね。
<イ>
「あなたはだれなの?」
きみのしつもんに女の子がにこっとほほえむ。
「わたしはわたしだよ。きみはきみでしょ」
「それはそうだけど……」
「ふふっ、へんなの」
よくわからないこたえに、きみがこまっていると、女の子はわらいながら、またきみを見つめた。
「それで、きみは学校をたすけてくれるのかな?」
(しつもん2)へもどろう。
<ウ>
「どういうこと?」
そうきいたきみに、女の子がしんけんなかおではなしはじめた。
「今、学校はたいへんなことになっているの。このままじゃあ、みんなでたのしくあそんだり、べんきょうしたりできなくなっちゃう。それをふせぐためにもきみにたすけてほしいんだ」
いっしょうけんめいな女の子のおねがいに、きみはうなずいた。ともだちとあそんだりする学校がすきだから。べんきょうはちょっといやだけれど。
「いいよ。どうすればいいの?」
「ありがとう。このノートをもっていってかんせいさせて。だいじょうぶ。きっと、きみならできるよ」
「わんわん」
女の子がとてもうれしそうにわらった。犬もしっぽをぶんぶんとふりながらほえていた。
そのとき、とつぜんまぶしいひかりの玉がきみの目のまえにあらわれ、そして空へととんでいった。きみもそれをおって青空を見る。
「あれっ?」
さきほど女の子と犬がいたばしょに目をもどすと、そこにはもうだれもいなかった。
土の上におちていた白いノートをきみはひろいあげる。
「なんだろう?」
ひろったノートにはなにかがはさまっていた。きみはぱらぱらとまっ白なノートをめくっていく。
はさまっていたのは赤えんぴつとけしごむだった。
きみはそれをおとさないようにランドセルの中に入れる。すると白いノートからひかりがでてきて、森のおくへとつづくみちをてらした。
まるでこっちだよ、とでもいっているかのように。
「よし、いこう」
きみはノートを手にもってあるきだす。はたしてなにがきみをまっているのか?
~つづく~
(手に入れたもの)
白いノート
赤えんぴつ
けしごむ