第280話 『住民の謎』
いやお久しぶりです。もう忘れられてしまいそうです……(´•̥ ω •̥` )
「眠れたか?」
すぐ横で知った声がした。
顔を上げるとやはりヴァリアスが立っていた。
「あんた、今までどこに行ってたんだ?」
「どこって、そこら辺だよ。何しろパブに来たってんのに飲めなかったんだろ。出る意味ねえからな」
な……まあ、こいつなら当然か。
奴越しに見ると先生は変わらず仰向けの姿で、まだぐっすり寝入っているように見えた。
だがここは昨日言われたように注意しよう。
『すぐ近くにいたってことだな。じゃあコレも知ってたのか。そうだろ、あんたがこんなこと見逃すはずがない。ひょっとしてあんたが仕組んだのか?』
俺は脇に転がった靴を指さしながら日本語で言った。
すると奴がニヤリと牙を見せる。
『ちゃんと学習してんじゃねえか。
まあそうだ、もちろん知ってた。だがワザとじゃねえ、たまたまの偶然だ』
そうワザとらしく肩をすくめる。
『わかってんなら教えろよ。っていうか、不用意に幽霊を近づける危険性は無視なのか?』
『危険はないと判断した。ただお前の睡眠の質に影響が出ると思ったから途中でシャットダウンした』
『急に眠くなったのあんたの仕業か! それなら俺じゃなくてあっちをシャットアウトしろよ』
得体のしれない相手ではなかったが、行動不能になったら何されるかわからない。
助けを求める首にすり寄られるところを想像してゾッとした。
『大丈夫だ。ソイツはそこから出て来れねえよ』
『だから~~、その上で眠るって気味悪いだろうがぁ~~!』
って、絶対理解できないだろ、こいつは。
そこへもそっと先生がこっちに寝返りを打つと目を開いた。
「……んぉ、 旦那来たのか」
挨拶もそこそこに先生に靴底を見せながら例の件を話す。
むうと先生が唸りながら靴を手に取った。
「あいつらに捕まって引きずり込まれたんだな。なんとも痛ましいもんだ」
そう言って先生は靴底から歯の欠片を取り出すと、荷物から取り出した白い布に丁寧にくるんだ。
「絶対に助けるからもう少し頑張っててくれ」
その言葉を頼もしく思うと共に、俺もアレと対決しなくちゃいけないのだと考えると気が萎える。
物理で撃退できるゾンビだったらまだ良かったのに。
腕時計を見ると5時47分だった。
下で暖炉か厨房の窯に火を入れる音が微かに聞こえてくる。
着替えて下に行こうとすると、ヴァリアスが一緒について来るので慌てて止めた。
「待った、あんたはついて来ないでくれ。
今一緒に降りたらなんでいるんだってことになっちまう。俺たちが賊を招き入れたと思われるだろ。
タイミングを見て外から入りなおしてくれよ」
当たり前のことを言ったつもりだが、奴はムスッとして消えていった。
まあビールでも飲めばすぐに機嫌を直すだろう。
しかし階下に降りると酒場だけの経営なので、朝は営業していないと言われた。
しょうがないので近所の朝早い職人相手に開いている食堂を教えてもらう。
そうして店の表口から出ようとしたとき、戸口の下に何やらモゾモゾと黒い物が動いているのに気が付いた。
一瞬ネズミかと思ったが、そいつは小さな人型をしていた。まるで焦がし過ぎて炭にしてしまったジンジャーブレッドマンみたいだ。
その黒いクッキーはするすると扉をつたうと、ちょこんと取っ手の上に立ち上がった。
ポコッと小さな口が開く。
【 ちょいと心当たりを思い出した。もし良い情報があったらあんたら買ってくれるかい?
興味があるなら今夜またここに来てくれよ。おれはそこら辺の情報屋より有能だぜ~ 】
そう言うと人形は黒い霧となって搔き消えた。
影のメッセンジャー、闇で作った傀儡人形だった。
俺と先生は顔を見合わせた。
警吏ならヘタな情報屋より裏情報に精通しているかもしれないが、上司に怒られた昨日の今日で、またこんな取引を持ちかけてくるとは懲りねえ奴だなぁ。
「またあの子ときたらまったくしょうがないねえ」
バタパタと窓を半分ずつ空けながら、オバちゃんが甥っ子の不正(グレー?)を子供がヤンチャしたくらいのノリでぼやく。
「だけどまた来てくれるんなら、もう少し早めにしてくれるかい? 閉門半刻(6時半~7時)までなら有難いんだけど。
ちなみにウチはベリー酒がお勧めだよ」
俺は礼を言って扉を開けた。
外は冬の曇天とあってかなり薄暗いが、仕事や朝市に向かう人たちの姿がちらほらとあった。
その人たちの中には露骨にこちらに目を向けた直後、慌てて目を逸らして足早に通り過ぎていく者が何人かいた。
この感じ、これまでも何度もあった――俺はすぐに左右を確認した。
するとやはり出入口のすぐ左脇にヴァリアスの奴がいた。ヤンキー座りをしながら通りに光る眼でガンを飛ばしている。
どんな世紀末なスラム街の酒屋やコンビニ前でも、これほど凶悪な存在感を放つ奴はいないだろう。
「何やってんだよ、店の前で迷惑だろが」
「入るタイミングがねぇからしょうがねえだろ。だからこうして大人しく待ってやってたんじゃねえか」
毎度恐ろしいのは、こうして本人が周囲を威嚇していることに気づいていないところだ。猛獣は一見大人しくしていても猛獣なんだと理解して欲しい。
店の人に気づかれる前にせかせかとその場から離れた。
「言っとくがオレはベリー酒はあまり好きじゃねえぞ。他になけりゃあ飲むが」
「この際あんたの好みはいいんだよ。こっちは情報が欲しいだけなんだから」
また文句を言いたそうだったが、食堂の前に来ると酒の匂いがしたらしく機嫌を直した。
「ふん、まあ今朝はこれでいいか」
中に入るとすでに数人の客がいた。みな暖炉のある奥側に詰めている。
俺たちはわざと角の窓際の席についた。
本当は外をぼんやり眺めるのが好きなところもあるが、ヴァリアスの奴を客に背を向けて座らせたかったからだ。
今は冬とあって開けた窓には、半透明のゴム製の膜が張られている。こちらのガラスの代用品だ。
それでも冷気は防げないので、保温効果も兼ねて近寄らなければ話が聞き取れない程度に軽い遮音をかけておいた。
「ホーネット酒、面倒だからコップじゃなく大ジョッキで」
奴がメニューも見ずに即座に注文した。
ホーネット酒は文字通り大きな蜂が入っている酒で、アルコール度も焼酎並みに高い。朝から普通飲まないということはないが、まず量がおかしい。
注文を取りに来た親仁さんが「えっ?」と言いたげな顔をしたが、奴が釣りはいらないと出したコインにすぐに相好を崩した。
朝メニューは、蕪と赤豆のスープ、ホップバード(ウズラ似の鳥)のスクランブルエッグ、ゴブリンのすじ煮込み、塩パンのみだった。
俺はスクランブルエッグ、パン、煮込みを注文してゴブリンの骨付き肉だけ別皿に取って奴に回した。
先生は食欲がないのかスープとパンのみ。朝だからなのか、ホットビールも頼まなかった。
「先生もいつものように朝からお酒飲んでもいいんですよ。旅先だからって遠慮しなくても」
「なんだよ、いつもって。いいんだよ、今朝はこれでいいんだ」
そう軽く笑いながら俺と同じく紅茶を頼んだ。
「で、どうでしょう、あの人たちの情報買ってみますか?」
「そうだなあ、少なくとも彼らは光派じゃないようだから新しい話が聞けるかもしれんな」
それには俺も同意見だ。
この町の住民の大半が光派だ。
そういった宗派が偏った土地は結構あるが、あの教会はどこか信用出来ないところがある。
もし情報屋が光の信徒だったら教会の不利になる事など言わず、それどころかわざとデマを教えてくる可能性も捨てきれなかった。
大体この事件の対処の仕方からしてなんだかおかしい。
ギルドの所長はビショップが来てくれれば解決するような事を言っていたが、それならなんで始めからビショップに依頼しなかったのか。
あの教会に在籍してなくてもその上の本部なりには絶対いるはずなのに。
「う~ん、こいつはあくまで憶測だが、地元だけでなんとかしたかったのじゃないのかな? 一概には言えんが、教区支部から本部に応援を要請するっていうのはかなり勇気がいるもんなんだよ。
内部評価にも影響するし、何より管轄区から悪霊を出したというのはかなりの汚点になるんだ」と、先生。
なるほど、まるで会社組織みたいだ。宗教でもそういう風潮があるのか。
体裁を気にして内々で事を収めようとしたが解決できず、気が付くと町の資金も底をついて、本当に力ある上役を呼べなくなってしまったというところかな。
よく考えてみたら、日本だって冠婚葬祭みんな金額によってピンキリだった。本当に地獄の沙汰も――じゃなく、手前まで金次第なんだなあ。
こんなとこで現実をあらためて感じた。
「で、今後の行動なんだが、まず目的を明確にしよう」
先生が本題を切り出してきた。
「今回の件は完遂しなくてもいいって条件だったよな?
あの悪霊となった者たちを無事に鎮めようとするのは残念だがおれ達には難しい。出来るのはせいぜい一緒に湧いてきたグールども駆逐するぐらいだろう」
そうして先生は向かいのヴァリアスに向きなおりながら
「旦那の力を侮るわけじゃないんだが、一時的に祓う事は出来てもあの浄霊は難しいと思う」
すると今まで我関せずと、梅酒の梅みたいにジョッキの底に沈んでいた青いスズメバチ(茄子くらいある)を取り出して食べていた奴も一言返した。
「確かにクソ親父の言う通りだな。浄霊なんて面倒くせえし」
不可能説を唱えられても反発することなく、あっさりとここは認めるのか。
しかし出来ないのとやる気がないのとは違うだろうに。
本当ならこいつがその気になりさえすれば、全員天国(または地獄?)の門まで飛ばして一気に事件解決なのに。
神様の使いを名乗っているくせに、もっとも神にすがりたい事に関しては力を貸してくれないんだよなあ。
そんな俺の不満を感じ取ったのか、奴は続けて話に加わって来た。
「蒼也、お前オレがなんで昨日みたいにアイツらを吹っ飛ばさないかと思ってるんだろ? あんなことやっても無駄だからな」
「無駄? そりゃ中途半端じゃなくもっと――」
そこへ親仁さんが頼んでもいない料理を持って来たので話を中断した。
「こいつはサービスで」
常連客にしか出してない裏メニューとかで、ナッツとスズメバチを塩と辛子でカリカリに炒めたものだった。
見た目がゲテモノのくせにやたらと香ばしい旨そうな匂いをさせてくる。
「ひと口食うか?」
「いらないよっ」
1年経ってもまだ俺は虫食は苦手だ。……コオロギ煎餅ならまだ何とかかな。
「お前さ、力尽くでその場から強制退去させられるのと、説得されて納得してから立ち退くのとどっちが良い?」
奴がフォークで蜂を転がしながら言う。
「そりゃあ納得する方に決まってるだろ、普通」
「それが祓うのと浄霊の違いだよ」
「あ、え? そうなの……?」
俺はその2つの意味を今までニュアンスの違いぐらいにしか考えてなかった。浄霊よりも供養という言葉の方が日本ではポピュラーなせいかもしれないが、そんなに意味が違うものだったとは。
そこでふとある推測が浮かび上がって来た。
ずっとおかしいと思ってた点、それは罪を贖うために自ら贄になったのに、なぜ悪霊になってしまったかということだ。
贖うつもりだったならとっくに冥府に行ってても良さそうなのに。
そうするとシンプルに考えられるのは――
「そう、おれも兄ちゃんと同じ考えだよ」
重々しげに先生が言った。
「おそらくだが彼女たちは自ら望んだわけじゃないと思う。多分、無理やり生贄にされたんだろう……」
奴がフンと軽く鼻を鳴らした。
「なだめるのはかなり骨が折れるからな。
だから封じ込めたってとこじゃねえのか? その方が簡単だからな」
しれっと自分の意見みたいに言ってるが、こいつは全てを知っているはず。ならそれは真実なのだろう。
となると悪霊が出たから慰霊碑の上に上塗りしたんじゃなくて、元々封じ込めるための物だったのだろうか。
罪人とはいえ死んだ後も閉じ込められるなんて……恐ろしい刑罰だ。
だが先生は俺と違って恐れるのではなく、憐れんでいた。
「この後、司教がお出ましとなれば事は収まるかもしれんが、また閉じ込めて終わりにする可能性は高い。
悔しいがおれにはそれを止める権限もない」
そうして顔を上げると
「だがせめて巻き込まれた墓守りの魂だけは助け出してやりたい、と思うのだがどうだろう?」
本当はもうこれで終わりにしたいくらいだった。
しかしあの墓守りの必死に救いを求める顔、それを見てしまったからには放っておけるわけもない。
「えぇ、自分もそう思います」
隣で奴がニッと口角を上げて牙を見せた。
「よし、決まりだな。それじゃ次は装備を整えるとしよう。
聖水はもちろんだが、他に聖灰や神杭などが出来るだけ欲しいところだ。
昨日は隣町でと言ったが、やはり地元で揃えた方が良いかもしれん。
旦那、悪いが一度アグロスに戻ってくれるかい?」
「いいぜ、ここじゃ酒の氣もあんまり良くねえからな」
そう言うわりにはしっかりお代わりを注文している。
ただ酒作りに環境が影響するのは確か。この町を包む不穏な氣や、作り手の不安感なども作用しているのかもしれない。
「もしかしてこの近辺の氣が悪いから、聖水の質も落ちてる可能性があるってことですか?」
「いやいや、流石にそこまではいかないと思うが、もしかすると近くの町や村でも聖水を入手するのは難しいかもしれんからだよ」
「……あぁ、そうか、自給じゃ間に合わないから、近隣からも回してもらってるかもしれないんですね。なら近場も不足してるかも」
「お前の頭の中はババアんちの裏庭みたいだな」
ヴァリアスがジョッキを揺らしながら妙な謎かけを言ってきた。
「変なとこにやたらと危機感を募らせるくせに、どこかに必ず花畑(花壇)がある。
もっと単純に考えてみろ。
例えばすぐ隣の家が炎に包まれてたら、どうする?
消火する前にまずてめえんちに水をぶっかけて貰い火しないようにするだろ。
他所に回す分なんかねえよ」
互いに助け合うどころか、なんて無情な対応。神さまに一番近い立場のはずなのに慈悲の欠片もない考えだ。
しかし現実はそんなものかもしれない。相手を助ける前にまず自分の町と家族を守るのが優先になる。
”頭の中がお花畑”というフレーズにはちょっとムッとなったが、やっぱり俺はどこか甘ちゃんなのかもしれない。
――っていうか、全世界のお婆ちゃんに謝れっ!
「いやまあ、両方ともあり得ると思うぞ」
先生が宥めるように手をかざした。
「それに需要が高くなれば相場も上がる。普段より馬鹿高くなってる可能性もあるからな。予算は有効に使おう」
さすがは元ハンター、お金にも現実的だった。
時間も惜しいのでアイテムの調達は先生に任せることにして、その間俺は近隣の町で情報を集めることにする。大体調べる要点はわかったし。
再び転移するのに先生が一度町を出てと言ったが、奴の「面倒くせぇ」の一言で諦めた。
「……まあいいか。昨日町に入ったことになってるしな」
また夕方の5時頃に迎えに行くことにして、店のすぐ路地裏で先生をアグロスの教会中庭に送った。
さてひとまずはまた水の教会を訪ねてみるか。下男の男が何を言おうとしたのか念のため確かめておこう。
これが俺の勘違いで、ただトイレに行きたかっただけだったら笑うしかない。
大通りに出るとさっきより人が多くなってきた。
上開きの鎧戸を台にして商品を並べるパイ屋や、店先や窓に服を吊るし始める古着屋、カゴ一杯に洗濯物を入れて川辺に降りていく洗濯女。
よくある忙しい朝の光景だ。
ただ相変わらず頭上に広がる重だるい雲同様、人々の表情も暗く、呼び売り商人の掛け声にも活気が感じられない。
背筋をまるめて下を向き、誰も彼も老体に鞭打つ老人のような雰囲気だ。
無理もない。
あんな夜が毎晩やって来るのだ。俺なら即座に不動産屋に飛び込んで引っ越しているところだ。
しかしこの世界では、引っ越し先の市民権を得るためにはまずそれなりの住民登録税が必要となる。
ウチのラーケルは田舎の小さな村でおまけに過疎化していたから安かったが、町と名がつくところは1人あたり少なくとも数十万~数百万単位になるそうだ。
王都のような都市部なら一千万は超える。
庶民にとって引っ越しは高嶺の花で、怖くても耐え忍ぶしかないようだ。
本当に早く解決してやりたい。俺の力じゃないけど。
『蒼也、町の奴らを見て何か違和感を感じないか?』
隣を歩く奴が日本語で話しかけてきた。
『クソ親父はすでに気がついているようだぞ』
『町の人たちが? 昨日と変わった感じは特にしないが……』
しかし後から来た先生が分かっているというのなら、俺に見落としがあるのか。
『見た目そのままの単純に他所とは違うところだ』
『みんな生気が少なくて元気がないとか?』
『そんなの当たり前だろ。逆に元気になる奴いるのか』
『なんだよ、見たまんまって言ったくせに。じゃあ子供が、いや、老人が少ない』
『そりゃあまり外に出歩かないんだろ。寒いしな』
『えーと、じゃあ若い娘があまりいない』
『たまたま見かけてないだけだろ。お前そういうとこには妙にアンテナ張ってるな。
だけど少ないっていうのは良い目の付け所だぞ』
ぬうぅ、なんだよ、男なんだから仕方ないだろ。
しかし”少ない”がポイント?
それを言ったら光派が圧倒的に多くて、他の系統がかなり少ない点か。
でもそれは昨日から散々言ってたしなあ。
あ、先生の顔を思い出して閃いた。
『もしかしてこの町には亜人とか、獣人が少ない……とか』
『そうだ、やっと気が付いたか』
あらためて言われるとこの町に来てから町の住民はヒュームしか見ていない。
特殊能力(聴覚や嗅覚など)を必要とする警吏や衛兵たちにも1人もいなかった。ギルドでもちらほらいたハンターたちはみなベーシス系だったと思う。
奴隷制が禁止になり人種差別撤廃宣言が唱えられるようになったこの国でも、たまに昔の名残りでそういう偏見が残っている地域があったりするのだが、ここは商業都市でありモダンな繁華街を中心にした町。
そんな露骨な差別があるようには思えないし、これまで会った人たちは先生に対してそんな嫌味は感じられなかった。
現にオットー所長も、以前までよく来訪してくれたノーム人の隊商が来なくなって貿易額が下がったと嘆いていた。
また町の人たちが毎年楽しみにしていた、大サーカス団(比較的亜人や獣人が多い)から興行をキャンセルされてしまい皆がっかりだとも。
その他に観光客の中にはある程度いたと思う。
――うん? だけど住んではいないってことか?
まあ亜人はもともとベーシスに比べて少ないし、こうやって同じ人種が固まるのは珍しいことじゃないが……。
じわじわと俺の頭の中に不穏な可能性が広がって来た。
ここまでお読み頂きありがとうございます。
書き直しばかりしていたら、今回書こうとしていたポイントまでいけなかったです。
うぅ……、もっとストーリーを早く巻かんと。
ちなみに夢を見ているのに眠いのって何なんでしょうね?
たまにあったりします。
夢の中で急に激眠になって寝落ちして改めて目が覚めたのは体験からです。しかも●●と会話中……(;^ω^)?!




