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第173話☆『戦いの終わり ダンジョンのお仕舞い』

やっとアジーレ・エピソードが終わりそうです。

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『カクヨム』様の方で連載させているもう一つのパラレルストーリーに

地上でチラッと出てきたタブロイド紙の記者チコが登場してきました。

<a href="https://kakuyomu.jp/works/1177354054921157262/episodes/16816452219222309613">『第142話☆ ヤブルーと情報屋』>


こちらとあちらの世界は似ているので、同じ人達が違う形で出てきたりします。

今はまだ時系列的に4日前なので、のんびりしてますが

こちらが落ち着いてきた頃、あちらが代わりにヤバくなってくるはずです。

もちろんレッカやヨエルも今後登場予定です。


『ア゛ァ〟ア゛ァ〟ア゛ァ〟ァ〟ァ〟ーーー!』

 黒サソリが大きくのけ反った。そのまま大きく横に逸れようとするので、風魔法で火をあおると同時に腹に密着させる。

 ガッゴンッ ガランッ ガラガラッーーー 

 サソリゴーレムが瓦礫を崩しながらのたうち回る。だが、火は消えたりしない。俺が炎を空気で包んでいるからだ。

 もちろんサソリ自身に密着している面は、空気を操作出来ない。だからあくまでサソリの腹に沿わせるように、布にのみ風魔法をかけているのだ。

 それでも火は魔法じゃなく、布が燃える本物の火。魔法抗性では消えはしない。


 ガラゴロ転がりまわるサソリが、ジェレミーに近づかないように注意しながら、俺も少し後ろに引く。

 よし、サソリ野郎の体から、白い煙が立ち上ってきている。ダイヤが気化している証拠だ。

 これで玉のところまで気化してくれれば―――。


 いきなり俺目がけて、瓦礫が吹っ飛んできた。

 すんでのところで、右に跳んで避ける。

 なにっ! 何が起こった ?


 次いで、折れた柱の一部や、砕けた床の欠片が爆発時したように飛び散ってきた。

 咄嗟に土魔法で空中で抑える。

 だが、大きい破片は重いし、運動エネルギーも強くて抑えきれない。ギリ体を捻ってなんとか避けた。

 避けながらサソリが、脚の爪で次々と瓦礫を掴むのが見えた。

 あいつ、俺に向かって瓦礫を投げてきてやがる。俺が火をつけたのを認識してるんだ。

 俺を何とかすれば、火が消えることがわかってるのか。


 クソっ、風魔法は火を押さえつけえるのに精一杯で、もう服の下に空気の緩衝材を入れておくことが出来ない。アレが一つでも当たったらシャレにならない。

 距離を取ろうとすると、サソリがいきなり腹ばいになった。燃えている腹を地面に押し付ける。

 もうほとんど炭化していた布は、そのまま燃え尽きてしまった。

 気付かれたか。でも結構燃やせた。まだ白い湯気が出ている。

 なんとかあそこに打撃を与えられれば。


 その時、また蠕動が起こった。

 同時にサソリがダッシュしてきた。揺れのせいで走りづらい。

 さっき作ったストーンヘンジの柱のように立てた瓦礫が、ガラガラ音を立てて崩れ始める。

 ジェレミーが隠れている瓦礫も激しく揺れた。

「ひ、ひゃあぁ」

 潰される恐怖から、ジェレミーが瓦礫の下からまろび出てきた。

 サソリがそちらを向く。


 マズいっ。転移させるかっ?! でも地上までの連続技は今おそらく出来そうにない。頭痛が酷くなってきてる。

「ジェレミーッ こっちに向かって走れっ!」

 俺の声に若造が振り返って、揺れる瓦礫に手をつきながら走ってこようとした。

 その後を猛然と怪物サソリが追ってきた。

 もちろんすぐ追いつかれる。もう転移しかないっ。

 みるみる後ろに迫ってきたサソリのドアップ見て、悲鳴を上げた時、思い切りジェレミーがけつまづいた。

 頭から吹っ飛ぶように宙を舞う。

 その上から覆うように、黒いダイヤモンドの体がのしかかって来た。


 ガッゴッォオンッ! 

『ア゛ア゛ァ〟ァ〟ァ〟ーーー!』

 サソリが叫ぶ。

 その下腹に尖った床の瓦礫が当たっていた。サソリがジェレミーに飛び掛かった瞬間に、下の瓦礫を立てたのだ。土魔法で作った物なら無効だが、既存の物ならいける。

 そして俺は、瓦礫の下に転びそうになったジェレミーと、位置を入れ替えて転移していた。


 ヤツの腹の下に滑り込むように出現した瞬間、ファルシオンを真っ直ぐに立てて、下から思い切り岩を突き上げて押した。

『ア゛ッ ゥ゛ッ ッ アアァア゛――― !!!』

 悲鳴と共に黒い破片が辺りに飛び散る。腹が削れた。

 刃は折れてない。もう一度。

 ガキキィッンンンンンッーーーーー!

 響くような音がして、剣がサソリの腹に刺さった。


 上手くいったっ ! もういちどぉ ――― あっぶねぇっ!!

 サソリが横ざまにひっくり返った。もうちょっとで巻き込まれるところだった。

 だが、剣は刺さったまま、黒サソリは腹を上にしてガタガタガラガラ、瓦礫の上を暴れまわった。


 剣を通して、刃が核に触れているのを感じる。もうちょっとだ。

 あともう1打撃。

 もう頭の中が千のハンマー状態だが、かまわず転移。

 サソリの腹の上に出ると同時に、思い切り剣のグリップを蹴った。


 ビクともしない。

 ブンッ! 尾が鋭く横殴りに振られてきた。

 バッキンンンッ!!

「でぇっ!」

 避けれきれずに背中に当たって吹っ飛ばされた。

 瓦礫にぶつかりそうになって、咄嗟に圧縮空気でクッションを作る。


 ぐぞぉっ……、背中を打たれて息がしづらい。すぐに転がって体勢を整えようとした。

「えっ?」

 剣が足元に転がっていた。それに黒い欠片も沢山だ。


 黒サソリがブルブル全身を震わせていた。もう蠕動は終わっている。地面の揺れのせいではない。

 そして腹が、砕けていた。


 さっきの音は腹が砕けた音だったのか。

 自分で俺ごと剣まで打ってしまったんだ。そうか、先に剣に当たったから、俺はこれくらいで済んだのか。

 偶然だったが助かった。

 で、玉は?

 俺は破片の散らばる辺りを探した。

 

 あったっ!

 黒い欠片の中に紛れて、銀色の玉が半分顔を出した塊があった。

 思い切り踏みつける。

痛゛(い゛)ってぇっ!」

 さすがにブラックダイヤ。そう簡単にはいかなかった。尖った岩をもろに踏んだ時の痛みが、靴底から響いてきた。

 

 サソリが復活しないか、注意しながら剣でガンガン叩く。

 てぇなあ。

 そうだ、もうあいつの体から離れた破片なのだから、魔法が効くかも。


 ボウッと今度はよく燃えた。白い煙がシュウシュウと音をたてて小さくなっていく。

 よっしゃっ 外れた。

 玉にはさっきの金の玉と同じく『▲と斧と蔓』のレリーフがある。硬く閉まっていたが、手に身体強化をするとズリッと動いた。

 中には鳥の姿をした鈴が2つ入っていた。その片方が角度によって7色に輝く。これがジゲー家が血眼になって探していた、領主から貰った家宝だ。

 やっと手にいれた。


 振り返ると、サソリはもう動かなくなっていた。腹の辺りがさらに壊れて、体が2つに分かれていた。

 そういや、ジェレミーが大人しいな。

 見ると先の方にあの若造が伸びていた。恐怖で気絶したか。

 まあいいや、起きたらお説教だ。

 とにかくジェレミーと家宝の両方手に入れたんだから、もう絶対ジゲー家には約束を守ってもらう。


 そんな事より、今はヨエルだっ。 


 俺は急いでヨエルのところに戻った。

 今度はすんなり結界の中に入れた。


 彼は先程と全く変わらないように見える。それはもちろん時間を止めていたから、当たり前なのだが。

「よしよし、よくやったぞ。最後までよく頑張ったな。

 もう少し時間がかかってたら、アイツ 進化して耐火性を身に着けてたかもしれないからな。

 ギリギリ間に合ったぞ」

「そんなことより早く、回復してくれよ……」

 急に疲れがどっと押し寄せてきた。頭の中はもう工事現場のような頭痛が荒れ狂ってる。

 ヴァリアスを急かしながら、体力と魔力を元通りにしてもらった。

 頭痛も収まった。


 ダンジョンはまた蠕動を始めている。さっきより揺れが大きくなりだしているのだ。何かわからないが、ヤバい事になっているのだけは分かる。

 よし、とにかく彼を動かせるところまで回復―――。

 彼をあらためて診て俺は愕然とした。


 大脳皮質がほとんど真っ黒になっている ! つまり意識を司る細胞が死んでしまっていたのだ。

「ヴァリアスッ! 何だっこれはっ!? 時間を止めてくれたんじゃなかったのかっ?」

俺は思わず奴に怒鳴った。

「もちろん止めておいたぞ」

「じゃあなんでっ こんな状態になってるんだよ ?!」

「さっきからその状態だった。お前がちゃんと確認しなかっただけだ」

「なにっ?! いや、そんなハズはないぞっ、だって俺はさっきまで……」


 ………… 俺は果たしてちゃんと診てやっていたのか?

 治療を諦めて、生命エナジーを注ぐのに夢中になって、肝心の診ることをしてなかったんじゃないのか。


「この大怪我であれだけの魔力を使ったんだ。体への負担は相当なものだろ。よくここまでもった方だ」

 そう言いながら俺の頭をポンポン叩いた。

 

「お前は本当によくやったよ。正直ここまで踏ん張るとは思ってなかった。

 コイツも本来なら、1人淋しく逝くはずだったんだ。最後まで自分の為に死闘までやってくれて、コイツにしたら礼を言いこそすれ、お前に対して恨みなんか持たないはずだ」

 奴の声がまた少し遠のいていく。

 ヨエルの傍に力なく座りながら、触手を伸ばした。

 探った脳がどんどん冷えていく。心音もほとんど感じられない。


「……だって、これからなんだろ……彼は。これから自由になって……」

「少しの間だが、コイツは自由だった。それで十分だろ。最後まで囚われ人だったよりは」

 そうして奴が俺のそばに屈んできた。

「さあ、もう行くぞ。コイツもあと少しで体から離れる。ここも時間の問題だしな」

「でも、まだ……生きてるんだ、なんとか」

「もう間に合わん」

 冷たく無慈悲な神の声がする。


 そんな……、だってここまで一緒にやって来たのに…………。

 それにエイダ、彼女だって、俺が1人で戻ったらきっと泣くだろう。俺の事を責めたりしないとは思うが、逆にそれも辛い。

「でも、こんなに……彼だって必死にここまで頑張ったのに……」

「努力したからといっても、必ず報われるとは限らん。ただ、やりきったほうが納得もいくだろ」

 じゃあ何だ……? 俺は自分の自己満足の為にやったのか…………。


「コイツの魂は穏やかだよ。女も助けられたし、最後は自由人として逝けるんだからな」

 本当にそれでいいのか……? ヨエル……。



 その時、ヨエルが目を開いた。

 俺が諦めきれなくて、脳を探る触手が、記憶をつかさどる海馬に触れた時だ。

 刺激による反射だったようだが。


「…… マァテル ヴェンダントゥ メェ ……」 

 微かに呟くと また目を閉じた。

 そのままヨエルから最後のエナジーが消えていく。


 それは大陸共通語ではなかった。どこか知らない国の言葉だった。

 だが俺は言語スキルで意味がわかった。

 それはこう言っていた。


『…… ママ 僕を 売るの …… 』 




 ガバッと俺はまた彼の頭と胸に手を当てていた。


「蒼也、諦めろ。モノには潮時ってのがあるんだ」

「うるせぇっ! これが諦められるかよっ。まだ彼は死んでないっ、死にきってないぞっ」

 俺はありったけの生命エナジーをかき集めて、彼に流し込んだ。

 だが、光るだけでほとんど入っていかないのがわかる。だけどやめられない。


「あんたもだっ ヨエルッ! あんたも諦めないで頑張ってくれよっ!

 あと少し頑張って生きてくれれば、地上に連れてけるんだっ。そうすれば最高の治療師に治してもらえる。

 助かるんだよっ 頼むから生きてくれよぉ」


 揺れがどんどん激しくなってくる。

 俺たちの場所は奴が結界を張っているので揺れないが、まわりの壁や地面が激しく振動し、地響きが唸るように聞こえてくる。

 もしかすると地割れも起こり始めてるのかもしれない。

 だが今はそんなこと知ったことじゃない。いまは彼にエナジーを注ぐだけに集中だ。


「蒼也、もう時間がない」

 奴が俺の腕を掴もうとしたのを振り払った。

「だめだっ! 俺は行かねぇぞ。このままヨエルを残していけるかっ。もし強制的に脱出させたら、俺はあんたを一生恨むからなっ!!」

「もういくらやっても無駄だ。ただの悪足掻わるあがきになるだけだぞ。静かに逝かせてやれ」

 奴を一瞬睨みつけて、すぐにヨエルに向き直った。


「悪あがきして何が悪いっ! 俺は俗な人間なんだよっ こんなんで達観なんか出来るか!」

 可能性は0じゃないんだ。例え0.1%以下だって、あるならそれにすがってやる。

 もうそれしかないんだから。

 だってあんな……あんな悲しい言葉が最後の一言なんて―――そんなことにはしたくないっ。


 勢いよく流していたせいか、さっきより早く息が辛くなってきた。

 だが、ヨエルに一向にエナジーが溜まった気配が見えない。俺の流し方が悪いのか、それとも、もうエナジーが留まることも出来ないのか。

 ゴォオォオォーーーという音がずっと響き渡っている。

 地響きが強くなってきたのか、俺の耳鳴りがしてるのか、もうどちらか分からない……。


 と、急に奴が俺の頭を掴んだ。

「よせっ! 俺は行かないぞっ おいっ」

 振り払おうとした瞬間、頭からフワフワしたモノがスルスルと入ってきた。

 それは俺の体を包み込み、背骨や内臓、四肢にまで染み込んでいく。

 そうして更に俺の腕を通って、ヨエルの体にも流れ始めた。


「え……ヴァリアス、これ……!?」

「うるさいっ、下手くそ過ぎて見てられねぇっ! そんなんじゃ、ウチの眷属として恥ずかしいわっ。

 オレが直に教えてやるっ!」


 そのフワフワしたものは、俺の掌を通してヨエルの頭と胸に確実に流れ込んでいく。

 そして俺の頭の中に、凄い勢いで修復、いや再生されていく細胞の数々、組織、骨などの再構築されていく様子が、早回しのように後から後から流れてきた。

 凄まじい情報量の波に頭がクラクラする。

 だが、確実に俺の手の下で、細胞が復活していくのを感じる。


「ヴァリアス、助けてくれるのか? 有難う! 恩に着るよっ」

「勘違いするなっ。ここから早く出るためだ。それにこれはお前に教えてるだけだ。

 …………ったく、お前のせいでオレも甘くなっちまった……」

 最後の一言は苦々しそうに呟いた。


 すると怪我が治っていくうちに、表面にも変化が起きている事に気が付いた。


 ヨエルの髪が、黒まじりの焦げ茶色から、段々と青緑色に変わっていく。

 それはさわさわと付け根から、染み込んでいくように毛先まで全て色を変えていくと、今度は所々に黄緑色のメッシュが通るように浮き上がった。

「これって……」

「これがこの男の本来の髪色だ。今まで変装の為に染めてやがったんだ」

「そこまで元通りに復活させたのか。それじゃあ……」


「うっるせぇなぁ!! 文句は後で聞いてやるよっ! いまオレは忙しいんだっ、一昨日来やがれっ!」

 ヴァリアスが何も見えない空中に向かって、怒鳴るように文句を言った。

 だが俺は、生命の嵐のような渦の感触に圧倒されて、そちらに気を向けることが出来ない。


 突然、俺の体に流れて来るフワフワがすっと消えた。


 すぐにヨエルの首に手を当ててみた。体温が戻っているし、脈動もしっかり感じる。

 続けて解析した。

《 ……異常なし 》

 水魔法で顔から血を飛ばす。傷はまったく消えて無くなっていた。

 そしてあの火傷の痕も、跡かたなく消えていた。


「凄い……。完全に治ってる」

 奴が俺の頭から手を離したので、振り返った。

「とにかくここを離れるぞ。もうこのダンジョンは、ここから()()()()()からな」

 確かにもう地鳴りと共に揺れが止まらない。立っていた瓦礫が次々とひっくり返る音がする。

「どういう意味だ? それにヨエルがまだ目を覚まさないぞ」

 怪我は治ったらしいが、一向に目を覚ます気配がない。


「魂が剥がれかかってたんだ。そんなすぐには魂と体の調整が取れないからな。だがもう心配ない」

「そうか……助かった。本当に有難う」

「よし、じゃあ行くぞ」

 奴が立ち上がった。


 その時、また悲鳴が聞こえた。ジェレミーが起きたんだ。

「あっ あいつも連れてかないと」

 そう瓦礫から顔を出してビックリした。


 あの黒サソリが復活していた。

 2つに分かれた上半身ではなく、尾のある下半身のほうがだ。その残った4本の脚を使って、腰を抜かして後ずさりする若造を、まさぐるように掴もうとしていた。

 玉は取り出したはずなのに!?


「 !? 」

 ジェレミーをこちらに転移させようとしたのに、何かに阻止されたように弾かれた。

「ヴァリアスッ! あんたかっ? 妨害したのはっ」

「違う」

「何っ だってこんな事出来るのは……」


「うわぁぁぁぁっ !」

 振り返るとジェレミーの上に、サソリの半身がのしかかっているところだった。

「ジェレミーッ!」

 立ち上がろうとして奴に止められた。

「アイツの邪魔になる」

「なにっ?!」

「視てみろ」

 奴が俺の目のまえでサッと手を振った。


 黒サソリがその脚の爪で、ジェレミーの体をしっかりと捕まえて抱え込むようにしていた。

 そしてその傍らに男が1人立っていた。

 黒い服の男の顔は立ち上る黒い霧が覆って見えなかったが、すぐに誰だかわかった。

「リブリース様……どうして?」


【【【 ジェレミー、お前はおれが直々に地獄に連れていってやる 】】】

 いつもとは違う、地を這うような低音だった。

 

 それから右手を軽く曲げて、こちらに向けて指をヒラヒラさせると

「じゃあこいつは貰ってくね~、 チャオ チ・ヴェディアーモ(バイバイ また今度ね)」

 またいつもの陽気な声で言った。


「こっちも出るぞ」

 唖然としている俺の頭の上で声がした。

 次の瞬間、転移していた。


ここまで読んでいただき有難うございます。

やっとダンジョンから脱出です。長い1日だった……。

作中の『大脳皮質が真っ黒になってる』というは

20年近く前に父が脳挫傷で脳内出血したときに、医者から言われた言葉です。

冗談じゃなくこういう言い方をされたんですよ。

というか医者は最悪のことしか言わない。

次回はやっと地上での話。

また、ぶり返しで蒼也が鬱になったり、だけどまわりが騒がしくて落ち着かない。

シリアスなのかギャグなのか、もう自分でもわからないです(;´д`)トホホ。

一つわかったのは、自分に構成力が無いということ……あああ、まとまらない。

あともう少しで第3章終わります。

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