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第145話☆『アジーレ 第1層 攻略』

最近、ふと思いました。出稼ぎから外れてる……。

もうタイトル変えた方がいいかなぁ……。

でもいいのが思いつかない……。


「なあ、さっきリブリース様が言ってた事だけど―――」

 俺は歩きながら横について奴に訊こうとした。

「あん? わかるだろ、アイツは子供が作れそうな女には見境ないんだ」

「それパネラに失礼じゃないか。いや、そういうことじゃなくてさ、さっきの―――」

「変態で合ってるだろ? まだ変質者まではいってない」

「だからそうじゃなくて―――えっ? 変態と変質者ってどう違うんだ? 

 ―― いやっ! そうじゃねぇっ、あんた、ワザとはぐらかしてるだろ?」

 ギロっと俺の方を睨むように目を向けると

「今、お前が考えてもしょうがないことだ。ダンジョンのようなとこでは、多かれ少なかれ何か起こる。

 お前はお前の出来ることをやればいい」

 そんな事言われたって、なんだか漠然とした不安だけ残ってモヤモヤするんだが。


 イルミネーションに飾られたダンジョン内を、前を歩く参加者達がぞろぞろと奥へ入っていく。

 中はホール程ではないとはいえ、やはり祝日のテーマパークくらいに混んでいる。

 その中にちらほらと、柱や壁に寄り添うようにジョーカーの笑い面のような仮面を付けた、道化師風の恰好をした者たちが立っていた。

 左腕に腕章が付いているので係員のようだ。

「アイツら、地の能力使いだ。ああやってダンジョンの動きを見張ってるんだろう」

 ああ、例のジゲー家が集めたっていう人材か。

 地の使い手というと、あの魔法試験の時の試験官ガイマール氏はどうしたろう? あの注意連絡書の報告ミスで、降格とかされてなければいいが。

 ついサラリーマンの悲しい不安が頭をもたげてしまう。

 

 オーロラの光に照らされて、色を変化させる隆起した岩場をどんどん進んでいくと、波が盛り上がるように岩肌がそそり立つような上がり坂が右手に見えてきた。

 その先はイルミネーションがされていないようで、明かりは天井や岩肌にくっつく光ゴケの黄緑色の柔らかい光だけ。

 明るい大通りから外れた、裏淋しい路地裏がぽっかり口を開けているようだ。

 そこを岩の山肌を登っていくように皆が上がっていく。

 一番高い所では、天井から下がった氷柱石が2m位のところまで来ていて、手を伸ばせば触れる程だった。


 その頂上まで来ると下り坂の向こう側には、1人がやっと通れるくらいから4,5人が裕に並べそうな、大小さまざまな穴が5つ口を開けていた。


「う~ん、前までは2つだけだったのになぁ」

 レッカがボサついた頭を掻きながら、俺の方に向いて説明した。

「この前まで1つは途中で行き止まりで、もう1つがさらに奥に行ける穴だったんだよ。今回は選択肢が増えちゃってるね」

 確かに下に降りて行った他のパーティ達も、順繰りに穴の中を覗いたり、立ち止まって思案しているようだった。

 中には地面に棒を立てて、倒れた方向の穴に入っていく者たちもいる。もう運任せなのだろう。

「それって極端な話、全部が下に行けたり、その逆にどれも行けない場合もあるんじゃないの?」

 実は別のとこに降りる階段があるとか。

「ダンジョンはな、必ず奥に行けるようになってるんだ。入ってくれなきゃ意味ないからな。ただ、こうしした迷宮系は、選択肢を増やして惑わせることもするんだ。奥に入った獲物が逃げづらくなるからな」


「あっち、左から2番目」

 小さく囁くような声でエッボが言った。

「ちょっと真ん中で迷う素振りしてから入るよ」

 パネラも俺たちに振り返って小声で言う。

 先に歩いていく3人の後ろをゆっくりと追いながら、隣の奴にテレパシーで訊いてみた。

『(なんで分かったんだろ?)』

『(魔素の匂いだ。2番目が一番濃い空気の流れがある。アイツも伊達にハンターはしてないな)』

 匂いに敏感なのは獣人に多いらしいが、それの元まで嗅ぎ分けるのはある程度訓練が必要なのだと奴が言った。


 言った通り3人が穴の前でちょっとウロウロと小芝居してから、さも適当に決めたように入っていった。穴の入口は2人が並んでぶつからない程度の広さだった。

 中は横や上に広がったり、逆にすぼんだりして、反対側からもし戻ってくる人がいたら壁に張り付かなければいけない場所もあった。

 だが、誰も向こう側から来る者はおらず、やがて開けた場所に出た。


 相変わらず足元は鍾乳石の岩肌なのだが、苔や細かいシダ類のような草があちこちに生えていた。今度は大き目の穴が4つになった。中を覗くと3つが緩やかに、1つがやや急勾配気味にどれも下り坂になっている。

 見上げると天井はまた高くなり、所々に光苔をまとった氷柱石がぽうっとライトグリーンの色を放っている。

 

「そろそろ探知しておけよ」

 奴が言ってきたので俺は探知の触手を辺りに忍ばせてみた。

 まだ風と同時には出来ないし、人が多くて探知しづらいが、とりあえず近くに不審者はいないようだ。

 そんな風に探っていたら、隅っこの盛り上がった岩の穴の中に何か生き物を感じた。

 その穴に意識を向けると、探知の触手を感じ取ったように、穴から小さなものが飛び出してきた。

 

 ちょこまかとそれは岩場を走りだすと、そのままジャンプして氷柱石に飛びつこうとした。

 ボトンと、氷柱石から滑り落ちるようにそれが奴の手の平に落ちた。

洞窟ケイブモモンガだ」

 奴がその手に落ちた、こげ茶色の小さなものを見せてきた。


 それは丸まった状態で10㎝くらい。同じくらいの長さの細めの尻尾と、頭から背中にかけて白い筋が縞リスを思わせた。手足を丸めて縮こまり、大きい目をギュッとつぶっているが、鼻先が短くてちょっとハムスター似の可愛い顔をしている。

「ほら、ここに皮膜があるだろ。これで空中を飛ぶんだ」

 ヴァリアスがその丸まっているハムスターもどきの、小さな手と足を摘まんで広げてみせた。薄茶に薄ピンクの皮が伸びる。


「おい、何やったんだよ。丸まったまんまじゃないか」

「ちょっとバインドしただけだ。コイツは臆病な性格だから急に恐怖を感じると、こうして擬死ぎし状態になる事があるんだ。いわゆる気絶だよ」

 いわゆる狸寝入りか。可哀想に。

 受け取ろうとして、ちょっと思いとどまった。

「可愛い顔してるけど、噛みついてきたりしない?」

 兎の件があるからなぁ。

「いいや、脅かさなければ糞尿をかけてこないし、ペットとして飼う奴もいるようだぞ」

 そうなのか。じゃあこんな凶暴な奴に渡してはおけないな。

 俺は奴からその毛玉を受け取った。

 コロンとしたモモンガは、まだ手足を丸めて目をつぶっているが、微かにその鼻をひくつかせて生きていることを示していた。


「ああ、まだ生き残ってたんだね」

 レッカが覗き込んできた。

「え、これもしかして絶滅危惧種とかなのかい?」

 やっぱりこういうダンジョンじゃ生きるのは大変なんじゃないのか。

 するとレッカが軽く頭を振って

「それがね、あのジェレミーが入ったときに、ほぼ抹殺しちゃったんだって……。天井から糞を落とすのをジェレミーが嫌がったから。その時のお付きの人に命令して火で焼いちゃったんだって……」


「えっ、それだけの理由で? そんな事のために、この可愛いのを皆殺しにしちゃったのか !?」

 よく見ると、光苔の生えてない部分に微かに焦げ付いた煤が付いている。モモンガが焼かれた痕だ。

 暴君ネロかっ、そいつは!

「外見が可愛いかどうかは個人の嗜好だから関係ないだろ」

 横を歩く奴が振り返りもせずに言った。

「そうだけど、ゲジゲジとかだったらまだしも、こんな罪もない小動物を―――」


「虫が動物より、殺されてもいい存在とは言えないだろ」

 奴が底光りする目で俺を睨むように見てきた。

「わかってるよ。だけど少しくらいいいじゃないか、好みで言ったって。そんな事言ったら●キブリなんか抹殺出来ないぞ」

「ああ、クカラーチャね。地方によってコックローチとか言ったりするみたいだけど。もちろんここにもいるよ」

 レッカが当たり前のように言ってきた。

「えっ、いるの、アレ!? それで……それも、もちろん抹殺したんだよね?」

 俺は悲願を込めて訊いてみた。


「ううん、それは別に聞いてないなあ。多分明かりに驚いて隠れて、邪魔にならなかったんだと思うよ」

 なんだとぉーっ!! 人類の敵は放っておいて、なに可愛いモンを殺ってるんだっ。

 そいつ馬鹿じゃないのかっ?!


 俺が憤慨していると、穴の前をウロウロしていたパネラから声がかかった。

「ソーヤ、こっち入るよ」

 一番坂のキツイ穴の前で2人が待っていた。

 他の参加者達もこちらをチラチラ見ている。やっぱり獣人が選んでいる事が気になるのかもしれない。


『(蒼也、もう少し奥にソイツの仲間がまだ残ってる。そこまで連れてってやれ)』

『(おお、まだいるのか。わかった)』

 俺はその暖かい毛玉のようなモモンガを、上着のポケットにそっと入れた。


 穴の中は所々で地下水なのか、ちょろちょろと水が滲み出していて、岩肌を濡らし滑りやすくなっている。

 その濡れた硬く凸凹した岩盤の急な坂を、注意しながら降りていった。

 たまに上から落ちてくる雫が岩に落ちる音以外、ザッザッと岩肌を歩く音だけが穴の中を響いていく。


「おわぁっ!」

 後ろで声がした。

 振り返ると、男が仰向けで滑り落ちてくるところだった。

 急な斜面でもあり、濡れた岩面のせいで滑ると中々止まらない。

 男はそのまま、真っ直ぐ俺の方に両足を上げたまま滑ってきた。俺は咄嗟に空気の層で盾を作ろうとした。


 ガッ! と、俺の横から棒が繰り出されて、その男の上げた足を払った。

「痛ってぇ!!」

 男が足首を抱えて横に転がった。だが、今のでとりあえず止まれたようだ。

「て、てめぇっ! 何しやがんだっ。折れるとこだったぞっ」

 男が足をさすりながら、睨み上げてきた。

 後ろから男の仲間らしい数人が続いて降りてくる。


 俺が喋ろうとするのを遮るようにパネラが怒鳴った。

「ふざけんじゃないよっ! わざとじゃないかっ、そんなスパイク付きの靴で滑って来やがってっ!」

 えっ?

 あらためて見ると、確かに男の靴底に、画鋲を何個も付けたようなベルトが2本巻きつけてある。

 確かにあれなら氷の上でも、下手な歩き方をしなければ滑らなそうだ。

「打撃部でやらなかっただけでも、有難いと思いなっ。今度やったら足だけじゃ済まさないよっ!」

 パネラがグッとメイスを両手で握りしめる。さっきのはメイスの柄の部分でやったんだ。


「っだとぉっ! 仲間に怪我させておいてその言い分はっ」

 仲間らしい大柄な男が上からガシガシ降りてきた。滑ってきた男は、ちょっと痛そうに足を踏みしめながら上に上がっていく。

 入れ替わりに他の仲間も降りてきた。


 バアァッと大男の前に、急に火の帯が出現してグルグル回り出した。エッボだ。

「こんな炎っ、屁でもねぇや。俺は水属性だっ」

 大男がそのデカい手むくじゃらの手で、炎を払おうとした。


「てめぇら……、オレ達の邪魔をするなら、それなりに覚悟はあるんだろうなぁ?」

 横から重低音の声が反響してきた。

 炎がふっと消えたが、大男の動きも止まった。


「ダンジョンじゃあ、何が起こっても自己責任。例え犯罪でも分からなければいい。

 それを十分にわかってるって事だよな?」

 そう言うとヴァリアスはネックゲイターを下ろして、ガチガチ、歯を鳴らしだした。

「あ、アクール人……っ?!」

 大男が2,3歩後ろに引いた。後ろの男たちも固まった。

 フードのせいで真横からは見えないが、おそらく奴の目が、この薄暗がりで不気味に底光りしているはずだ。

 エッボ達に見えてるかわからないが、奴の周りからあの黒い瘴気がにじみ出て、大男たちの方に漂っていく。


「覚悟がねえなら初めっからするんじゃねぇっ! いいかっ、オレ達が見えなくなるまで、この穴から出てくるなよ。足の先でも見えた時には、二度とその足で歩けなくなると思えっ」

「ぐっくぅ……」

 言い返せないのか、それとも瘴気に負けたのか。大男は詰まったような声を喉の奥から出した。


「さっさと行くぞ」

「あっ、うん」

 パネラが我に返ったように目をぱちくりすると、すぐに前に向き直った。エッボとレッカも慌てて後について行く。

「いいか、前にも言ったが、ダンジョン内の敵は魔物だけじゃないぞ」

 俺の隣に並びながら奴が言ってきた。

「あいつらって、例のジゲー家の回し者?」

 まだその場に立ちすくんでいる男達を振り返りながら訊いてみた。


「違うよ。ただの小悪党チンピラだよ」

 レッカがこっちを振り返りながら言ってきた。

「こういうとこじゃ良くある事なんだよ。ワザと別のパーティに怪我人を出して、ポーションを使わせたり、探索を中止させたりするんだ。常套手段だよ」

「しかしアイツら、よりによって蒼也を狙いやがって。やっぱり足の2,3本折ってやるべきだったかな」

 また奴が歯をガチガチ鳴らした。

「やめろ。とにかく無傷ですんだんだからいいだろ」


「お前は甘すぎるんだよ」

 また奴がこちらをギロっと見てきた。

「アイツはあのスパイクでお前を蹴ろうとしたんだぞ。空気なんかでクッション作るなんて甘っちょろい事してねぇで、一気に焼き払ってやれば良かったんだ」

「それこそ死んじまうじゃねぇかよ。俺は人殺しはしたくないんだ。それに土壁を作ったら、衝突しちゃうかなと思ったから……」

 フン、と奴が鼻を鳴らした。

「まあいい。そのうち否応にも、やらなくちゃいけなくなる時が来るからな」

 そんな場面、来ないでほしい。


 穴を抜けるとまた視界が開けたが、今度は切り立った崖の途中の足場に出てしまった。

 俺達の立っている足場はいびつな半月型の、平均的な1Kかワンルームサイズ、25㎡くらいの大きさに感じた。

 下を覗くと長く尖った鍾乳石が、暗い深淵の底の方から無数に伸びてきている。

 その針石のような上にぽつんぽつんと、何人かのあのジョーカーたちが立っていた。足元をどうやら立てるように平面にならしてあるようだ

 離れた前方の壁面にいくつかの歪な穴が開いていて、どうやって向こう側に渡ったのか、何人かがその穴によじ登って入っていくのが小さく見えた。


 これはどうやって向こうに渡るんだ?

 俺とヴァリアスだけならいざ知らず、3人もとなると俺の魔力だけで支えられるかどうか。魔法使いのエッボだって攻撃は出来ても、宙は飛べそうにないし。

 パネラの土魔法はどちらかと言うと金属系らしいし、俺が岩を崩して坂にする考えもあるが、ちょっとかなり深そうだ。そこまで出来るか自信がない。

 あのジョーカー達はただ見ているだけで、手助けしてくれそうにない。

 ふと見るとレッカが、しきりに岩肌や地面に顔をつけるように手で擦っていた。するうちに

「あった!」

 レッカが嬉しそうに声を上げた。


 見るとレッカが足場すれすれの壁に張り付きながら、片手が入るぐらいの窪みに手を入れていた。

 中の何かを引っ張る仕草をすると、目の前の壁が急にサラサラと音を立てて崩れ、ぽっかり高さ3mくらいの穴が開いた。中には緩やかな坂道が見える。

「うん、正解。こっちの方が濃厚な空気の匂いがするよ」

 エッボが鼻を動かしながら言った。


「なんでわかったんだ。大体これは何だ?」

 中を確認しているパネラの後ろ姿を見ながら、俺の頭の中は???ばかりだった。

「隠し通路だよ、ソーヤ」

 レッカがちょっと得意げに言った。

「僕の能力は、こういう隠れたモノを感じ取れるんだ。すごく範囲が狭くて、隠蔽の術がかかってると分からないけどね」

「じゃあ、あの向かいの穴はハズレなのか?」

「いや、あれも多分正解だよ。ただ遠回りなんだと思うよ。空気の匂いが遠いから」

 エッボが穴の前で言った。

「多分、この下は2層に直結してるね。空気の匂いが違うもの」

「ダンジョンって奥に入ってほしいんだろ? それならこんな通路を隠さなくてもいいのに」


「そんな簡単にゴール出来たらつまらないだろ?」

 奴がさも当たり前のように言ってきた。

「ダンジョンの成り立ちに人の意思が影響していると言っただろ。そういう遊戯ゲーム性があるんだよ、特に迷宮タイプにはな。

 惑わすだけじゃなく、何回でも入ってきてくれる(挑戦する)娯楽性を帯びてるんだ」

「なんだそれ。じゃあもしかして、離れたとこにレバーがあったり、謎を解かなくちゃ先に進めないようなとこもあるのか?」


 パネラが代わりに返事した。

「う~ん、あたい達はまだ巡り合った事はないけど、上級者向けにはあるようだよ。前に酒場で自称Aランクのヒュームが『今日は2つ謎を解いた』とか嬉しそうに地図広げてたの見た事があるもん」

「そういう攻略する事自体を目的にする奴がいるから、またダンジョンはその思念を吸収してどんどん難易度を上げていくんだ」

 どうだ、なんとなく分かってきただろっと、奴が面白そうに口角を上げた。

 面倒だな~っ、とんだリアルダンジョンマスターだ。ストレートに到達させろよ。


「大体お前、何のための探知能力者サーチャーなんだ? 索敵だけじゃなくこういう隠し部屋とか仕掛けを見抜くのも、お前の役目だろ」

 奴がワザとらしくあきれ顔で言う。

「まだ玉はないだろうと思ってたから、壁は見てなかった……」

「そういう中途半端が一番危ないんだ。岩を見落として船が沈むような事だってあるんだぞ。お前の能力にパーティの命がかかってるんだぞ。請け負ったからにはしっかりやれっ」

 うっ、悔しいが言い返せねぇ~。 

 だけど1つ言わせてもらうと、探知と索敵を同時にするのは大変なんだぞ。特に見えない相手を探す索敵は疲れるんだ。

 馬鹿力チートなあんたにゃわからないかもしれないが。


「ソーヤ、灯り点けてくれる? 光苔だけじゃちょっと暗くて」

 パネラに言われて俺は、頭の中でぼやきながら光球を3つ、宙に浮かべた。


ここまで読んで頂き有難うございます。

Gはコックローチでもなんだか生々しいので、スペイン語の『クカラーチャ』で

呼ばせてもらいました。


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