第136話☆『契約成立』
「それで契約なんだけどさぁ」
パネラが意を決したように前屈みになった。
ここは下宿の屋根裏部屋。俺たちはまたテーブルを挟んでソファと椅子に座っていた。
あのメトカロ・ダンジョンから戻ってきて、まだ夕食までには時間があるのでひとまずここにやってきたのだ。
セバスと別れたあと、3時近くまで1層をウロウロしていた。
あれからレイザーバックのような面倒な魔物には遭遇せず、雷や火で威嚇して追っ払える程度のブッシュジャッカルやブルーパイソンくらいで、戦闘までにはいかなかった。
それにまた魔石も見つけた。
樹の洞の中に出来ていたのだが、その前を別のパーティが素通りしていくのを見ていた。彼らは地図にある隠し部屋しか探してないらしい。やはり探知できないと分かりづらいところは多いようだ。
パネラたちも短時間にしてはまずまずの収穫にホクホク顔だったし、俺も役に立つ事を示せてちょっと気分が良かった。
それであらためて本契約の話をしようという事になったのだ。
「その、ソーヤは傭兵の兄さんと組んでるでしょ? だけどさすがにあたい達、兄さんは高過ぎて雇えないんだよね……」
ちょっと気マズそうにパネラが俯きながら言ってきた。
「あ、別に俺はこいつとセットじゃないから、バラバラでいいよ。そうだろ?」
「構わないぞ。オレは基本手伝わないから、いないものとして考えててくれ」
そう言うわりに存在感がラスボスなんだよなあ。
「そうか、良かった。よくコンビとかになってる人って、そのまま単体で雇えない事が多いんだよ。助かるよぉ」
エッボが嬉しそうに言う。
「ところで念のため聞くが、必ず見つけられる勝算はあるのか? いくらコイツが探知能力者だとはいえ、他のパーティにだってサーチャーはいるだろ」
ヴァリアスが聞いた。
「うん、それはまず参加者がほぼDランク以下だからだよ」
エッボが話し出した。
「1等賞金300万は確かに大金だけど、たった1つのパーティか個人だけが貰える難易度だからね。ある程度能力がある者なら、そんな低確率なことにかけるより、大きい仕事をした方が確実だからさ。
これに集まるのは、まあ普段の仕事で50万も稼げないハンターとか、物見遊山で参加する奴ぐらいと考えられるのさ」
ふーん、という事はCランク以上は50万くらい稼ごうと思えば、稼げるってことか。そう考えると、この間のブリック沼の泥は、量が少ないこともあって20万そこそこだったしなあ。前に倒したオークも大きさにもよるけど、大体1頭あたり15~20万くらいだった。ハイオークは30~40万くらい。
買取りの価格だからなんだろうけど、そう考えるとDランクの仕事も命がけなのに結構高くないんだよな。まあランクが上がるとそれだけ難易度も上がるんだろうけど。
「ジェレミーの匂いやオーラをおいらとポーの鼻で探す以外に、高能力のサーチャーがいればかなりの高確率で見つかるだろう? いや、必ず見つけてみせるさ」
「だが、例の豪族だって確実に見つけるために、自分たちの配下を紛れ込ませてくる可能性もあるんじゃないのか。
当日中に見つからないと、ダンジョンに吸収されちまう恐れがあるだろ」
ヴァリアスが疑問を口にした。
「ああ、確かに当日、ジゲー家がサーチャーを何人か雇おうとしているって動きはあるのよ」
パネラが話を引き継いだ。
「それがなかなか上手くいっていないようなの。賞金を出すのが惜しい訳でもないのに、なんでそんな裏で手を回すのか、口止めしなくちゃいけないからね。子飼いの家臣の中には、それほど高い能力のサーチャーはいないようなのよね。だけど高い能力の部外者を使いたくても、秘密に触れることになるからおいそれと雇えないって訳ね。高ランク者を集めるために賞金をこれ以上吊り上げると、さすがに怪しまれちゃうしね」
「だから必ず仕事内容を聞かれるギルドも通せないんだよ。まず嘘はつけないからさ。裏組織の連中なんかももちろんダメさ。恐喝のネタをやる事になっちまうからね」
パネラとエッボが軽く笑う。レッカだけが暗い顔をしている。
「まっ、これもあたい達、亜人の情報網で掴んだ情報なんだけどね」
今回はあたい達、亜人仲間も危険に晒されてるからと、彼女は顔を引き締めた。
「だからソーヤみたいな『ウィザード』級のサーチャーがいてくれたら、相当有利でしょ?」
そう言って期待した目で3人が俺の方を見てきた。
なんか、今さらながら俺の役割ってかなり重要な役目じゃないのか。つい話に押されて受けるって言っちゃったけど、なんだか胃が重くなってきた。
目を逸らした俺のそんな気持ちを読んだのか、レッカが声をかけてきた。
「ソーヤ、頼むよ。断らないよね? 一緒に来てくれるよね?」
うう、人のまさしく命を左右するような件に、もし失敗したらゴメン、なんて絶対言えねぇー。
『(ヴァリアス、もしもの時はちゃんと手助けしてくれるか)』
『(探知の協力はしない。オレがするのはあくまでお前のサポートだ)』
『(でも、見つけやすくとか、ヒントはくれるんだろ?)』
『(駄目だ。今回は特に多数の運命に関わってくる事だから、お前の力だけで探せ)』
くそ~、ヒントもダメなのかよ。
しかし普通はこんな奴が付いてる訳じゃないから、やっぱり自分の力だけでなんとかしなくちゃいけないんだよなあ……。胃が重いが腹くくらんと。
「……わかった。責任重大だけど、やらせてもらうよ」
「良かったっ! ありがとソーヤ!」
立ち上がったレッカが俺の手を握ってきた。
「それは……成功してからにしようよ。まずは確実に見つけないと」
パネラが続けた。
「昨日も話した通り、1等の玉を見つけても賞金は貰えないから、山分けって訳にはいかないんだ。だけど見つける前提だから賞金の半分の150万は報酬の基本としようと思うの。あとはその他の手当とかだけど……」
半分って、頭数で割る訳じゃなくて、パネラ達と俺達の2グループで考えてるのか。だけどそれってパネラ達の自腹になるんだよな。
「相場がわからないけど、そんな気を使ってくれなくてもいいよ。もちろん金額に関係なく一所懸命やるけどさ。俺たち今お金に困ってないし、練習になるからなんなら無償でも――」
「それはダメだっ!」「駄目だよ!」
奴とパネラが同時に言ってきた。
「前も言ったがハンターは慈善事業じゃないんだぞ」
「気持ちは嬉しいけど、1エルでも貰ってくれないと、あたい達の気持ちが落ち着かないよ」
「……うん、じゃあ今夜の夕食代を払ってもらえれば」
バッチンッ。
「馬鹿か、お前は。なに恰好つけてんだ」
「痛ってえな。デコピンするなよ」
俺はこめかみを擦りながら文句を言った。
映画とかドラマだと、よくBARとかで飲んでる時に依頼を受けた主人公が、その場の酒代だけでOKしたりするシーンがあるけど、俺には役不足みたいのようだ。
結局、正式に契約するためにギルドに行く事になった。
「蒼也、練習したいなら、1等を探してみろ」
ギルドへ向かう途中、奴が言ってきた。
外は相変わらず紙吹雪がキラキラと舞っている。
「うん、だけど人が凄くて探しづらいんだよな」
人々のあちこちから飛ばしてくる思念が、探知や索敵の触手を真っ直ぐ広げることを妨害している。
「それが良いんだ。丁度いい障害になる」
そんなものなのか。俺は人にぶつからないように最低限注意しながら、人混みの中を歩いた。パネラ達もそんな俺を援護して、真ん中に囲うように歩いていく。
ポーは可哀そうだが、下宿に置いてきた。従魔とはいえ、こんな人混みに用も無いのに連れ歩くわけにいかないからだ。
ただ、通常山猫は獲物を捕まえる以外は、さほど運動せずにゴロゴロして過ごしているらしい。そういうとこは地球の猫と変わらないようだ。
3等はたまに視つけることは出来るが、1等はなかなかヒットしない。ホントにあるのか怪しいもんだと疑い始めていたら、2等を視つけた。
壁面に沿ってするすると上にリバースしていく紙吹雪の中に、六芒星のマークが2つ描かれた紙があった。
すかさず風魔法でこちらに引き寄せる。
「よっし、2等見つけた」
俺は手に取って皆に紙を見せた。
「やったね、ソーヤ!」
「さすがじゃん、すぐ交換しようよ」
早速、十字路にあった景品交換所に持って行く。
「2等おめでとうございます!」
中国の正月の大きな被り物のように、3倍くらいの大きさの赤い牛の頭を被った係がハンドベルを鳴らした後、後ろのボックスから持ち帰り弁当ぐらいの袋を出してきた。3等より急に大きくなった。
「どうぞ、ソルトワームの素焼きです。火を通してあるから、そのまま食べられますよ」
げんなりだ~~~~~。
「良かったな。調理済みで」
奴がニヤニヤしながら言う。くそっ、あんたの酒のつまみにしかなんねぇよ。
ちなみに以前出会ったロックワームよりは小さくて、大体人間の胴体と同じくらいの太さだとか。
それ十分に大きいだろ。いや、まずそういう問題じゃねぇっ。
「あの……ちなみに1等って何なんですか?」
念のために聞いておこう。これで1等がまた何か虫系だったら、探す意欲が削がれそうだ。
「1等はグリーンボアの肉ですよ。見つけるのは難しいですけど、頑張ってくださいね」
ううむ、虫じゃないけど、今度は蛇かよ。みんな長い紐状のもんばっかりだな。微妙~~。
「グリーンボアかぁ。山猫の大好物だなぁ」
レッカがぽつっと呟いた。ナニ、そうなのか。それじゃ頑張らねば。
俺は俄然やる気が出た。
だが結局ハンターギルドまでの道のりで1等は見つからなかった。いや、見つけられなかったと言うべきか。やっぱりこの障害物レース状態の中で探知も索敵も難しい。さっきのダンジョンの中の比じゃないな。あの魔法試験の時よりも難しい。ハッキリとわかる範囲がグッと狭まってしまって、ちょっと遠くを視ると急に視界が狭くなったような、ランダムに積み重なった物の隙間ごしに、向こうを見るような感じというのだろうか。それを色々角度を変えて、視界を動かしていくような感じで探っていくので、しばらくやっていると神経が疲れてくる。
ギルドに着いた頃には、頭の奥が少し痺れてきた。
「Dランクで仕事は探知、危険度はFまたはE、作業拘束時間が1日未満となると、報酬は平均8,000エルというとこでしょうか」
カウンターで係の中年男が、何か台帳をめくりながら言った。
ギルドでは契約の際、公正な取引が行われるように仲立ちしたり、このように相談に乗ってくれたりする。もちろんギルドを通すので契約書作成や諸々手数料を取られるが、後々のトラブル回避になるからだ。
「それはランク一括りでしか計算しないの? 彼の探知能力は『ウィザード』級なんだけど」
依頼主のほうが契約金を吊り上げるという、逆転現象が起こっているがここは静観していよう。俺はカウンターから少し離れた壁際の長椅子に座って水を飲みながら、パネラ達が受付で相談しているのを聞いていた。
「これくらいで疲れるようじゃまだまだだな」
隣でデカい態度で座ってる奴に言われたくない。
「2等は見つけただろ。大体俺の近くに1等はあったのかよ」
「お前が通常探知出来る範囲に、2つあった」
「ホントかよ」
くそぅ、奴がこんな事で嘘は言わないから、本当なんだろう。俺の能力がまだまだって事だよな。今回はなんとしてでもやり遂げなくてはいけないのに。
「ヴァリアス、探知能力をもっと効果的に上げるのに何か他に方法はないのか? もうあんまり時間がないし」
「今はこのやり方がいい。というか、今回はこれがベストの練習法だ」
「そうなのか? こういう風に障害物で邪魔されながらやってると、自然に鍛えられるってわけか」
「ふん、当日になればわかるよ」
「ウィザード級……その方、本当にDなんですか? ああ、でもギルドの登録が最近なのかもしれませんね。あとは今までの経歴を鑑みたりしてできますけど」
ちょっと失礼と係が席を立って、奥の衝立の陰に行った。外からは見えないが、あそこには何かデータを蓄積している水晶のようなものがあるらしい。
しばらくして戻ってきた係は、さっきまでのんびりした感じではなく、どこか緊張した面持ちだった。
手には契約書作成の為に、パネラに預けた俺のプレートを持っている。
「こ、この人は今、ここにいるんですか?」
マズいっ! 俺は咄嗟に狐のお面を収納してフードを目深に被った。せっかくお面で俺だと分からないようにしてるのに、今度はお面を付けているとバレたら台無しだ。
「あそこに座って……あれ、兄さんは?」
いつの間にか奴が姿を消していた。いつもの事ながら早いな。
カウンターから係が身を乗り出して、こっちを凝視している視線を感じながら、俺は下を向いていた。頼むからパネラ達に俺たちの事バラさないでくれよ。
「何かマズいことでも?」
エッボが不安そうに聞いている。
「……あ、いえ、全然そんなことはありませんよ。ただ最近、その……早いスピードで頭角を現して来ている方なので、ちょっと気になっただけです……。
ええ、そうですねぇ。そうするとこれは……随分と加味しなくてはいけなくなりますね」
やめてくれ、そこで変な忖度いらないから。
「と、いうと?」
「うーん、ちょっとこの方の場合、前例がなくて……」
「ソーヤ、ちょっと来て」
ああ、呼ばれちゃったよ。
仕方なく俺は少し下を向いたまま3人の側に行った。
「兄さんは何処行ったの?」
パネラがキョロキョロ辺りを見回す。
「ええと、多分トイレかな? あいつはすぐ勝手に動き回るから」もう適当だ。
「そのお連れの方は、もしかしてアクール人の方ですか?」と係。
「そうだけどハンターじゃなくて傭兵だよ。そんなギルド違いのパーティ要員の情報もあるの? やっぱりアクール人は珍しいから?」
パネラがちょっと不思議そうに答えた。
「傭兵……ですか」
もうやめて。ボロ出ちゃうから。
「わかりました」
係の男は台帳を閉じながら1つ息を吐いた。
さすがに俺たちにあまり詮索しないように通達が出ているせいか、係はこれ以上聞いてこなかった。
「それではソーヤさんのご要望もお聞きしますが、今回いくらぐらいがお望みで?」
「日給8,000エルでお願いします」
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「作っといてなんだけど、本当にこれでいいの?」
パネラが契約書を前にして心配そうに聞いてきた。先ほど係の事務員が俺たちの話を聞いて、作成してくれた契約書が目の前にある。
「うん、だってこれが妥当なんだろ。危険も少ないし本来はEとかFレベルの仕事なんじゃない?」
俺はモスキートペンを手に取りながら答えた。
「そりゃ概要だけとればそうだけどさ、今回問題が特殊でしょ」
「特殊も何も単純に考えようよ。とにかく俺は探し物に専念するだけだからさ」
さっさとサインして契約書をパネラの前にまわした。あとは代表者のパネラがサインすれば完了だ。
「……わかった。じゃあ何か不足があったら言ってね」
パネラもサインした。これで契約成立だ。
契約書をギルドで預かってもらいカウンターを離れた途端、奴が階段を上がってきた。
ナニ、下にいたのか。
「例のブツの換金は明日になるとさ」
ペロっと買取明細書と預かりプレートを出してきた。あんたがブツって言うと、なんだか違うモノに聞こえるのは俺だけか。
「ああスイマセン。先に行ってくれたんですか」
エッボが頭を下げる。
「えっ、全部買取に出しちゃたのか? 肉は少しポーの分も残しとかないと」
「いやもう大丈夫だよ。さっきだって食べさせてもらったし、大体あんまり贅沢させちゃうとそれに慣れちゃうから」
贅沢って普段どんな餌やってるんだよ。まさか猫のカリカリじゃあるまいに。
「それにそんなにお肉を一度にもらっても、保存して置くとこがないんだ。僕の部屋には人工氷室もないし、ポーはあればあるだけ一度に食べちゃうから、毎回調達してるんだよ」
「毎回って朝昼晩いちいち?」
「ううん、1日1回だよ。それでも多いくらい」
「えっ? それじゃしょっちゅうお腹空かせてるわけじゃないか」
「蒼也、野生の動物は1日に何度も食事なんかとらないぞ。10日くらい何も食べないのなんかザラだ。人間くらいだぞ、そうやって日に何度も食べてるのは」
そうかもしれないけど、俺の知ってる飼い猫は、3度の食事と3時のおやつだって貰ってるぞ。おかげで太り過ぎて最近ダイエットさせてるけど。
「さっきさ、別の係から聞いたんだけど」
階段を降りながらエッボが小声で話し出した。そういや俺たちが契約書にサインしている最中に、別の獣人の係と話していたな。
「ジゲー家でなかなかサーチャーが集まらないから、イベント参加者の人数を増やしたらしいんだ」
「ええっ、増やしたって幾つに? 確か300組で終わりだって、先週に受付は終わらしてたじゃないか」
レッカが不安そうに声を高めた。
「うん、それが再受付を始めちゃったらしくて、なんだかもう1,000組を超えたらしいんだよ」
「ハアッ?! 1,000 !?」
奴が急に声を上げた。
「馬鹿じゃないのかっ?! 1,000人でも多いのに、1,000組だとっ?」
パネラ達も1,000組という言葉に一緒に驚いたところだったのに、それ以上に奴の言動に度肝を抜いたようで、一瞬体を強張らせた。
「そ、そうなんだよね。おいらも多過ぎると思ったんだ。そりゃ、あのダンジョンは前より大きくなってるし、それくらい入れなくもないけどさ……」
「チッ、そういう問題じゃねぇ」
奴が少し歯ぎしりした。
「馬鹿な人間共が、昔の惨事を忘れやがって。まったく教訓が生かされてねぇな」
それきり黙ってしまったので、皆も顔を見合わせたが、その話題は一応打ち切りになった。
ギルドを出てパネラ達と別れた。
パネラ達は下宿に置いてきた荷物を取りに戻ってから帰るようだ。レッカもそろそろ下宿の食堂の手伝いをする時間が迫って来ていた。
俺たちはまだ街で探知の練習をすることにした。
段々と爽やかな空が深い青色に変わり出し、教会の鐘突き塔をオレンジ色の光が照らし出す頃、するすると町中の紙吹雪が天に戻っていった。するうちに天の川のように一筋の帯を作って、町の上空を横断して行く。なんでもこの祭りの実行委員会の事務所がある、どこかの建物にまた回収されるらしい。
空を飛ぶ風使いのグライダー達は、紙吹雪が全て戻っていったのを見届けてから、自分たちも巣に帰っていった。
昼の部の終わりである。
町中に閉門前3の鐘が鳴り響き、その鐘の余韻が消えた頃、どこかからポンポンと、花火を打つような音がし始めた。
夜の部が始まったようだ。
ここまで読んで頂き有難うございます!
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★ほんのちょっとですが、PNを変えました。
『青田空子』あらため『青田 空ノ子』になりました。
読み方は同じ『あおた そらこ』のままです。
今後ともどうかよろしくお願いいたします。
ちなみに今回のオークとかの買取値段は、日本の猪とか熊の買取価格を参考にしました。
意外と安いんですよね。猪狩りとかの値段って。40㎏ぐらいの猪で5万くらい?
やっぱり食べる目的より、討伐目的が多いせいでしょうか。
それにしても猟師さんは命がけなのに、少なすぎる気がする。
比較しちゃいけないが、マグロ漁師さんの方がそれなりに稼ぎがあるような気がする。
まああちらは、何十日も海の上だけど。
異世界では討伐兼食用だけど、比較的庶民(中流)も手に入れられるお肉なので
やはりお安いだろうと。でも下級庶民にはそれでも口には入らないかな……。




