第124話☆『パーティ要員の募集』
次の日の昼下がり、王都の下町食堂で昼をすますと、また魔導士ギルドにやってきた。
ただ奴には外で待っててもらうことにした。
俺だけならともかく、奴と一緒にいるとやっぱり目立つからだ。それに多分また高確率でトラブルになりそうだし。
そう言うと奴は面白くなさそうな顔をしたが、とりあえず外で待っていると承諾した。
だけどそのまま入口の近くに立ってるなよな、みんなが入りづらいから。
受付で貝殻でできたような受験プレートを見せると、「少々お待ちください」と係が席を立って奥に入っていった。
まわりをパッと見た感じは俺に注意を向けてる気配はないなと、少し安心していたら
「ソーヤ君!」
名前を呼ばれて振り返ると横のドアから、あのメイヤー部長が両手を広げてやって来るところだった。
なんとなく来るかもとは思ってたけど、目立つからやめてくれ。
「昨日は失礼した。あれからあらためて通達を見させてもらったよ。ガイマールがハンターギルド経由と言っていたが、ちゃんと見たら元は内務省発出だった。まったくとんだ違いだよ」
部長は眉間に皺を寄せながら少し口元を歪めて言った。
「こちらこそ昨日はお騒がせしてすみませんでした」
それはそれは……ガイマール氏は大丈夫かな。左遷とかされないだろうか。
「今日はあのアクール人の彼はいないのかね?」
あたりを2,3度見渡す。
「あいつは外で待ってます。それで認定証のほうは……」
「もちろん、出来ておるよ。ここに」
さっと左手に持っていた丸めた紙を見せてきた。
貰おうと思ったら、出した時と同じように引っ込められた。
「君、魔導士ギルドに加入する気はないかね?」
背の高い部長が少し屈み気味に話してきた。
「魔法使いの登録という事ですか?」
「そうだ。もし君が入るというなら、ここだけの話、登録料は無料にする。もちろん年会費も免除しよう」
少し声を落として顔を近づけてきた。
「それってハンターと掛け持ちで入っても良いモノなんですか?」
「もちろんだ、複数の組合に加入している者は結構いるぞ。どうだね?」
ハンターと魔法使いの仕事の違いがいまいちわからないけど、入ってても邪魔にならないかな。
だけどなあ、ここで即決するのは……。
「うーん、今すぐにはちょっと返事出来ないです。すこし考えさせてください」
部長は俺の顔をジッと見ていたが
「そうか。まあ結論を急がせるのも良くないからな。だが、決して悪い話ではないのだよ。良く考えてくれたまえ」
部長は筒状の紙を差し出した。
「ではプレートを」
あっそうだった。俺は受験プレートを交換に渡そうとした。
ガシッと出した右手を握手するように握られた。魔法使いの割に戦士のように力強い。
「ぜひ、しっかりと検討してくれたまえ。いい返事を待っているから」
「は、はい」
期待されても困るけど。
では今日はこれでと、忙しい身の部長は現れた時と同じように、ドアの中へ戻っていった。
でも晴れて魔法能力の認定証は貰ったから、これでこれから能力の証明ができるな。
認定証を手に奴のところに戻ろうとして、ふとフロアをあらためて見回した。
昨日まではどこか落ち着かなくて、ちゃんと見ていなかったけど、この広いフロアにはハンターギルドのように仕事の依頼書らしき紙が貼られた、衝立のある一角があった。その近くには何組かのテーブルと椅子があり、魔法使いと依頼人らしき人物が、書類を前に何やら商談をしている。
衝立のそばに行くとやはり仕事の依頼広告の掲示板だった。
ここではランクではなく、求められる魔法別に分類されていた。
『水魔法』の衝立には『求む、水魔法 メイジ級以上。内容:庭内の池の水の洗浄及び掃除。イーブン邸……』 『求人 水魔法使い アプレンティス(見習い)級 可。 水道管工事補佐……』などが貼ってある。
『風魔法』のところには『風魔法 メイジ級 乞う。 風車点検・試運転……』。
『土魔法』には 『土魔法 エキスパート級以上 仕事内容:鉱山にて採掘作業及び落盤防止……』。
魔法使いとして登録すれば、ハンターの仕事がなくてもこちらの仕事を受けられるのか。そういえばハンターギルドは比較的、狩りの依頼が多いけど、こっちは作業的な仕事が多い感じだな。
俺は狩りよりこっちの仕事のほうが合うんじゃないだろうか。
ちょっと魔導士ギルド、本気で検討するか。
俺は認定証を開いてみた。
認定証は保存用のせいか羊皮紙に書かれていた。ちょっと匂いを嗅いでみる。もちろんだが獣臭さはなく、なめした薬品かインクの匂いなのか、微かにペンキとハーブグリーンような匂いが鼻をついた。
一番上に俺の名前、次に出身地、種族名などがあり、認定発行日が記載されていた。
少し段を空けて『火』から力の強さを『パワー』『操作』『速さ』などの内容で、レーダーチャート式の多角形型のグラフで表示されている。
思った通り、『火』はパワーが一番大きい評価だ。
『火』の総合評価は『メイジ++』となっていた。
『風』は『操作』が一番で総合は『メイジ+』。
『土』の総合は『アプレンティス+』……。
ほとんどが『メイジ』級だった。
このメイジ級というのがハンターでいうところのDランクぐらいらしい。
ただ1つだけ抜きん出ているものがあった。
『探知』だ。
これだけ『ウィザード』級と記載されている。レーダーチャートもさほどの差異がなく、キレイな円に近い形になっていた。文字も『メイジ』や『アプレンティス』が緑や青なのに『ウィザード』はクッキリした赤文字で目立っている。
確かに探知も良くやっている技だよな。そう考えると生活魔法より使っているかもしれない。
じゃあ一番得意のこの探知を生かせる仕事とかあるのかな。
俺は『探知魔法』の掲示版のところに行った。
「あの、あなた、‟探知”を使えるんですか?」
いつの間にか20代半ばくらいの男(外見的には俺と変わらないぐらい)がすぐ横にいた。背丈も俺と同じくらいで戦士系にはまず見えない。あえて言うなら職人だろうか。近寄ってくるまで気がつかなかった。
しかも俺が半分開いていた認定証をしっかり覗き込んでいる。
「えっ――」
ぶしつけな奴だな。俺はすぐに認定証を丸めた。
「あ、すいません。つい……。実は僕たち、今、探知魔法を使える人を探してまして――。あの、これです」
と、別の衝立にある1枚を指さした。その掲示板には『パーティ要員』とプレートが付いていた。
「オレの相棒に何か用か?」
いつの間にかすぐ横にヴァリアスが立っていた。
一瞬、男がビクッと体を硬直させる。
「あ、あ、あの、もう別の方と組んでましたか。すいません、失礼しました……」
男はそそくさと離れていった。
「なに現れてるんだよ、来るなって言ったろ」
「だけどお前、さっきもあの卵の欠片野郎(部長のこと)にまた押されてただろ。危なくてほっとけねぇからな」
「俺だってお子様じゃないんだぞ。それに今は魔除けも付けてるし、何か術はかけられないだろ」
「直接かけられなくても、持ち物のオーラとかから探る事は可能だぞ。さっき奴がお前から直接プレートを受け取っただろ? あれはお前のオーラをプレートに保存するためだ」
「えっ、そうなのか?!」
そういやプレートを先に取るどころか、挟むように手を握ってきたな。
なんだか気持ち悪い……。
俺は手を上着の裾でゴシゴシ拭いた。
「まあ、探ると言っても出来るのはせいぜいお前の今の力ぐらいだろうが、やり方が気に入らないからキレイに消してやった。今頃は驚いているだろうよ」
更に悪そうな顔付きをして奴がニヤリと笑う。
「そうか。それはどうも。確かにそんなの気持ちの良いものじゃないからなあ」
「魔法使いの奴らは、狡猾な奴が多いからな。ただ、こういう事は良くある事なんだよ。あの野郎が特別な訳じゃないさ」
そういうもんなのか。でも個人情報保護法なんか無さそうな世界だからなあ。
「あっ、だったら昨日の検査の時に採った血なんかもヤバくないか?」
オーラでわかるぐらいなら、血でいろんな事がわかりそうだ。
「あれなら大丈夫だ。検査した血と付けた紙は、アイツら自身がその場で処分の為に燃やしちまってるよ。まさか後で必要になるなんて思ってなかったんだろうからな」
奴が笑いを押し殺して言うと、凄い悪巧みをしているように見える。
「ところで今、お前に言い寄ってきた男、ぼーっとしててアイツの気配に気がつかなかったろう」
「別にぼーっとしてたわけじゃないぞ。ただ、考え事してただけだ」
「同じ事だ。そうやってるといつか足をすくわれるぞ。ちなみに今の男はアサシン系だ」
「エッ? あの気の弱そうな男が?」
俺は振り返った。
さっきの男はまた『探知魔法 求人』の衝立の横に、所在無げに立っている。
「別に弱虫だろうが、力が無かろうが関係ないぞ。逆に弱者が隠蔽を使えるのは強みだろう?」
「……そうか、確かに……。草食動物の保護色みたいなもんか」
どうもアサシンというのは忍者のような暗殺者のようなイメージを俺は持っている。
アルディンが自分のアビリティは実はアサシン系が一番強いと言っていた。それを俺はすんなり納得して聞いていた。本人はアクール人なら戦士系が良かったと言っていた。確かにユエリアンやアクールは基本的に身体能力に優れた戦士系が多いらしい。大酒飲みで好戦的、本当にこいつの完コピの人種だ。
「ん、だけどこういう公共施設でそういうの使っちゃいけないんじゃないのか?」
確か隠蔽とかは犯罪行為をやり易くなるから、公共の場では軽犯罪にあたる行為と本に書いてあった。
「おそらくアイツは無意識にやってるんだよ。それにあれくらいじゃ隠蔽とまでは言わない。せいぜい気配が薄いという感じだ。そんな奴にお前は気がつかなかったんだからなぁ」
わざと呆れたような顔をしてみせた。
どうせ俺はいつもボケっとしてるよ。大体そんないつもピリピリしてなくちゃいけないのかよ。
「そういやここでも『パーティ要員』の募集ってあるんだな。ハンターギルドにもあったけど」
「そりゃ魔法使いが欲しい奴はこっちで募集した方が早いからな。両方に広告を出す奴は結構いるぞ。その分掲示料はかかるが」
「あんな風に直接声をかけてくることもあるんだな。求人票出してるのに。そんなに切羽詰まってるのかな」
以前、ハローワークに通ってた時、なんだかヤバそうな会社の勧誘がやたらと建物前に立っていた事があったのを思い出した。(* 作者の場合は保険会社の勧誘でした。今は確か禁止されてるはずです)
「そりゃ有名どころじゃなければ、そう簡単にパーティには入らないだろ。仕事内容にもよるが、全然知らない奴と手を組むんだからな。能力の他に何かしら実績があるとか、評判とか、報酬が良いとかな。それがどれも無いような無名なとこなんかに進んで入ってくる奴はいないぞ」
「そっかあ。なんかゲームとかだと、こう、酒場とかで意気投合した奴がパーティになるみたいなノリなんだけど」
「そんな2軒目行くノリで組んだら即、仲間割れか全滅だぞ」
奴が本当に呆れた顔で言った。
確かに……。
だけど一番そういうノリのあんたが言うか。
さっきの男は衝立の反対側に移動して姿が見えなくなった。その隙に男が示した求人内容を見てみようと『パーティ要員募集』の掲示板に近寄った。
真っ先に『ダンジョン探索』の文字が目に飛び込んできた。
やめておこう。俺はすぐに踵を返した。
が、ヴァリアスが喰い付いた。振り返ると奴がジッと求人票を見ているので俺は怖くなった。
「もう行こうよ。またあの部長が戻って来るかもしれないじゃないか」
俺達は魔導士ギルドを後にすると、今度はハンターギルドに入った。
せっかく仮とはいえランクが上がったのだし、何か依頼を受けてみようと思ったのだ。
広い1階ロビーの中央に、低木のパーティションで簡単に区切られている商談用テーブルの後ろに、沢山の掲示板が整列していた。
さすがに本部ともなると近隣の地域からの依頼だけではなく、国中の依頼が張り出されているようだ。
もちろんそういうのは難易度の高い、A以上のモノなのだが。
Dランクの常時依頼も何台もの衝立に掲示されていた。大まかに依頼内容別に分かれていて、『採取』『狩り』『警護』『賞金首』『探索』などだ。
ちなみに『救助』は緊急依頼に掲示されている。もう他のハンター達が見ていたのでまずは一安心だ。
まず『狩り』はやりたくないな。『警護』は俺なんかじゃ無理だろう。もちろん『賞金首』もだ。
『探索』も何やらヤバそうなところの調査だったり、何気に恐ろしそうな場所ばかりっぽい。
やっぱり俺に合うのは『採取』かもしれないな。
薬草、鉱石、卵、魔物の糞……。
あれ、奴がいない。
辺りを見回すと少し離れた衝立の掲示板の前にいた。掲示板のプレートは『パーティ要員 募集』だ。
なんであんたがそんなもの見る必要があんだよ。まさか俺をどっかに入れる気なのか。
「おい、あんた、見たところ戦士系だろ? 仕事探してるのかい」
「あ゛」
ありゃー、怖いもの知らずがヴァリアスに声かけたよ。
「おっ、あんた、アクール人かい。珍しいな。でもそれなら腕っぷしも自信あるだろ。だとするとAランクあたりかい?」
ハイオークみたいなガタイの、山賊にしか見えない男が気安げに奴に話しかけている。
「オレはただの傭兵だ。それにただ見ていただけだ。別に入る気はない」
「なんだよ、そうかい。じゃあしょうがねぇか、邪魔したな」
そう言って山賊男はすんなりと離れていった。いや、紛らわしい真似している奴が悪いのだが。
「おい、蒼也、見てみろよ。結構魔法使いの募集があるぞ」
奴が手招きしてきた。
「なんだよ。俺、別にどこかのパーティに入ろうとかは考えてないぞ」
「ソロとパーティとじゃやり方が違うからな。たまには他人と連携プレイするのも勉強になるだろ」
「俺はあんたと組んでるんじゃないのかよ」
「オレはあくまでお前のサポートだ。相棒だがコンビじゃない」
う~ん、そう言われるとそうか。確かにいつもほぼ俺1人だしな……。
「コンビじゃなくてファミリーだろ」
すまん、俺そこんとこは拒否させてもらっていいか?
――とはいえ、知らない人の中に無理矢理入る気しないしなあ。
「ねぇあなた、探知能力者じゃない? もし良かったらウチに入らない?」
すぐ後ろで女の声がした。なんだ、なんで俺が探知できるってわかったんだ。
だが、振り返ると俺のすぐ後ろで募集広告を見ていた女を、別の男女の2人組が声をかけていたところだった。その彼女が見ていたらしい募集広告は、『***森の調査・探索 サーチャー求む……』と書いてある。
ふと辺りを見回すと、あちこちで勧誘が行われているようで、掲示板の前には何組ものハンター達が立って交渉をしていた。注意して聞いていると半分近くが『サーチャー』を探しているらしい。
上手く話が進んでいくと、その場から離れて上の階に行く者達もいる。どうやら上の階に酒場があって、そこで本格的に交渉をするんだろう。商談用テーブルじゃ酒が飲めないからな。
「なんだ、ここじゃサーチャーは人気なのか?」
ギーレンでもたまに声掛けは見た事はあったけど、こんなにあちこちで起こっているのは初めてだ。やっぱり王都のは大きいからなのだろうか。
「サーチャーは元々、比較的少ない技能なんだ。前にギーレンの売店で索敵機を見ただろ? 探知は索敵より視る力と精密さを求められるから、魔道具も決して安くない。探知能力の少しある奴が補助として水晶や鏡を使う場合もあるが、それも一度に視える範囲が狭いしな」
それにと、奴がさっき見ていたパーティ要員募集の掲示板を指で突っついた。
「これ見てみろよ。ほとんどが同じ場所へ行くパーティの募集だ」
俺は奴の隣に並んで掲示板を眺めた。
『アジーレ 地下迷宮 捜索 探知能力者求む……』
『乞う! 索敵または探知能力者 場所:アジーレダンジョン内 ……』
『急募! 光魔法または土魔法能力者 アジーレ迷宮 捜索……』………………。
「なんだ、ほとんどがダンジョンの捜索要員だな。捜索だからサーチャーが必要なのはわかるとして、なんでこの『アジーレ』ってとこばっかなんだ?」
「何かイベントでもあるんだろ。さっきの魔導士ギルドの募集広告も同じだったぞ」
そうだったのか。そう言われてよく見てみると、捜索開始予定日がみな同じ日だった。
「ちなみにさっきの大男のアビリティは魔法使いだ」
と、少し離れた場所で別の男と話している、さっきヴァリアスに声をかけた山賊顔男を親指で指した。
「えっ! あの男が?! あんな、‟捻じれのハンス”(第62話の盗賊)みたいな顔してるのに?」
「顔や姿は関係ないだろ。お前、たまに他人に容赦ないこと言うよな。……まあ、俺もそれは少し思ったが」
「なんだよ、あんたも同じ事考えたのかよっ アッハッハッハ!」
「カッカッカッカッ!」
俺達はついその場で声を上げて笑ってしまった。まわりの数人が振り返る中、ちょっと離れたあの山賊顔も ‟ん?”という感じでこちらを見た。
「んん、シーッ」
俺は慌てて口に指を当てた。
「まあ人は見かけによらないって事だな」
俺はあたりを見回して、もうみんながこちらに興味を示さなくなったのを確認してから言った。
「だけどそう考えると、あんたはそのまんま見かけ通りなんだな」
「そうだろ。やっぱり内面は姿に現れるっていうもんだ」
なんだか、ちょっと自慢げに腕を組んだ。
俺は褒めてるつもりで言った訳じゃないんだが……まっいいか。
しかしこの時から俺と、この場にいた人達の運命の横糸が絡まりつつあったのを、もちろん知る由もなかった。
ここまで読んで頂き有難うございます!
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またも雑談。『人は見かけによらない』と言いますが
その逆に固定観念というか一般的イメージのまま作られた映画が
『栄光の北アフリカ戦線』という古い映画。何か国かの合作なのに
登場人物たちがそれぞれのお国柄を代表する性格の持ち主ばかり。
(ここからは私の古い記憶でお送りしますので、間違ってるところがあるかと思います。そこはどうかご容赦ください。何分、もう資料がないので)
まず主人公がゴーイングマイペースのアメリカ軍人。
勝手に1人で作戦行動をしてる。続いて彼と手を組んだ、脱走してきたイタリア兵2人。
そっちの陽トリオに比べて、同じくドイツ軍を阻止しようと孤軍奮闘している
中東系軍人の渋いオッサンと、無口な若いドイツの脱走兵の陰コンビ。
もうこれだけですでに何かがオカシイのに、他にギリシャ(フランス?)人の女記者とか、
イギリス軍だか諜報機関だかのおっちゃんとかが入り乱れて、砂漠が大変な事になってる。
砂漠でエンストしてる陰コンビの横を、「(抜いて)やったぜーっざまあーっ!」みたいな
歓声上げて追い抜いていった途端に、地雷にドーン! の陽コンビ。
だけどジープはオシャカになったけど、3人とも穴から出てきたな。
こんな場面、実写ではドリフでしか見た事ないよ。
「そういや、さっき地雷注意の看板あったな」「えっ、もっと早く言ってよ~」で
済んじゃう恐ろしいアメリカ・イタリアトリオ。
しかしそうはいかないシリアス陰コンビ。ラストが嫌~。
「これを君にやる」とか思い切りフラグ立てないで、オッサン(悲)
貰ったからにはお前は後を追うなっ、ドイツの兄ちゃん。
そしてドイツ軍を食い止めて、陰コンビ以外のメンバーとアメリカ軍が揃って喜んでるとこで
「ん、君たちはどこの部隊だい?」と聞かれて
「俺達、イタリア軍から脱走してきたんすよ」ってケロって言うな。お馬鹿さん。
「……じゃあちょっとこっちで話そうか」ってなっちゃうから。
しっかり貢献したんだから大目に見てあげて~。多分彼らなら大丈夫だろうけど。
とにかくそれぞれのお国柄が出ている映画でした。




