第五話 研修開始
大学編は授業受けたりしかしないので、カットしました。恐らくいずれ回想などで出てきます。
強いているなら人間の解剖を書きたかった。
2019/6/10更新
医療大学というものは六年制で、大学に六年間行くことを条件とした医師国家試験を受けて合格することで、医師免許を手に入れられる。その後、研修を受けてやっと立派な医師として認められる。
・・・・・・あれから6年がたった。僕は医師国家試験に無事合格し、研修医となった。僕の研修先は、高橋記念病院。研修医は医者と言えば医者なのだが、まだまだ未熟者として、周りからは少し軽蔑の目で見られる。
今日が初めて高橋記念病院に行く日である。空は青く澄み渡っており、海を目指したくなる。
石川健太朗と出会ったから6年。大分この体にも慣れてきた。しかし、細かい動きなどは、やはり現実の物には劣る。数十回、数百回とアップデートを繰り返し、やっとの思いでここまでの動きが出来る様になった。時とともに、科学は進歩するようだ。
「着いた・・・。」
ここが高橋記念病院。とても大きく、複数の医科があるので沢山に人がここに来る。まぁ、あまり人が来ない方が、世間的にはいいのだけれども。
「やぁ、あなたが今日からうちで働く研修医ね?」
病院の前で入っていいのかどうかに迷い、うろちょろしていると、ここの看護師であろう女性が僕に話しかけてきた。
「あ、初めまして。黒崎真人です。これから宜しくお願いします。」
「さぁ、中に入って。」
中に入ると、待合室があり、僕は奥へと連れて行かれた。スタッフルームと書かれた扉を見て、怖ず怖ずとその部屋に入ると、少し強面の男性が座っていた。
「どうも、君が研修医の黒崎真人だね?この紙を見る限り、研修は初めてだそうだけど、大丈夫?」
「あ、はい。大丈夫です。夢にまで見た医者への道の第一歩ですから。」
そんなことを言うと、面食らったような顔で
「えっと、夢にまで見た・・・ねぇ。そんなに良い物じゃないよ?医者って。確かに、人を助けることは、とても素晴らしいことだけど、この仕事のほとんどは肉体労働みたいなものだからね。徹夜ばかりだし、睡眠時間もろくにないしで。」
医者本人がそんなことを言っていいのか?
まーあ、そんなことは前から知っていた。しかし、それでも医者になりたい理由があった。
「絶望するのは人間だけ。だからこそ、底からどうやって這い上がるかを考えられるのも人間だけです。もし、神がいるのだったら、自然の法則をぶち壊してでも、人間を長生きさせたいです。」
「・・・長生きさせたい・・・か。私も昔、同じようなことを考えていた。でも、人はどんなに長く生きたとしても、結局後悔をする。人が人でいる限り。君もきっと、なぜ自分が医者をやっているのか分からなくなる時が来るさ。」
僕にはその言葉の意味が分からなかった。いずれ自分が医者をやっている理由が分からなくなる?自分で選んだ職業なのに?
そんな疑問を浮かべながら、僕の研修は始まった。
テンポの速い話なので、なぜこうなったの?などがあったら、僕のTwitterか、感想に書き込んで頂ければ、本編にその話が載ることがあります。
https://twitter.com/Cain06892403?lang=ja
(@Cain06892403)