第二話 チュートリアルと夢への道
2019/6/9更新
そして僕は、隣の部屋へとついていくと、そこには今まで見たことがないほど大きい機械が置いてあった。
「でっけ」
あまりの大きさについ声が出てしまった。5mほどあるだろうか。
「はい。ロボットを遠距離から操作するだけでなく、細かい作業まで必要としているので、この大きさになってしまいました。」
「いや、それにしても大きすぎる気がするんですが。」
「この機械は人間の脳波で動く仕組みなので、より複雑なんですよ。······これが脳波を読み取る機械です。」
そう言うと、ぬらりひょんの頭のようなヘルメットを取り出した。
「これを被り、ここにあるメインコンピュータと接続することによって仮想世界へと入り、そこから手術をしたりなどの行動を遠距離からロボットで操作します。」
これは確かに複雑だ。しかも、これを見ただけでは実際にそんなことができるのかわからない。もしできるならノーベル賞レベルだ。
「やっぱり僕は実験体なのか······。」
不可能に親い(ちかしい)と思った僕はそんなことを言ってしまっていた。
「実験体というよりは、完全体と言っていただきたい。実験なら何十回、何百回とした。それで何度も アップグレードを繰り返して今はほぼ完璧と言っても過言ではないです。さらに細かい作業を実現するためには、手術が出来るほどが最高です。」
「······いや、そのさらに細かい作業を実現するための実験体として僕をここに呼んだのでしょう?」
「そうとも言いますね。」
そうとも言いますねじゃないよ。某春日部の幼稚園児かよ。
「というか、もし手術中に問題でも起きたらどうするんですか。」
僕が少し強めに言うと、あまりに意外な答えが返ってきた。
「その時はアナタが車椅子のまま手術を続行すれば良い。学校の先生に言ってたんでしょう?いざとなれ ば車椅子のままでも手術が出来ると。」
機械が駄目になったら結局は人間がやるしかないのか・・・。
「とりあえず、一度入ってみますか?」
「はい?」
僕は無理やり頭にぬらりひょん型ヘルメットを着けさせられた。
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······?あれ?何も起こらない。って
「うわーーーーーーーーーーー!!」
この僕が、二足歩行をしている。
「驚きましたか?と言っても、あなたの悲鳴?歓声?は聞こえているんですけどね。」
「え?まさかここが仮想世界なんですか?」
思っていたものと全くもって違った。周りに見えている世界は完全に現実世界。現実との違いを判断できるのは僕が二足歩行をしているかどうかだけである。
「それではチュートリアルに入ります。まずは、両手を使って円を描いて下さい。」
言われた通りにしてみると、メニューウィンドウが出てきてOPCION MENU などの他に、 FRIEND PHONE MALLなどの通話システム、 MAP などというナビゲーションシステムまである。そして忘れて行けないのが、 LOGOUT 良かった。あった。
某小説を読んでいる側からしたら、これがちゃんとあるだけで自然とほっとした。
「あれ?あの本と年一緒じゃん。」
なぜだか言ってはいけないことを言った気がする。
「それでは、細かい作業がどれほどか見て貰いましょうか。アナタ、カレーは作れますか?」
「えぇ。もしかして、カレーを作るんですか?ここで?」
すると、カレーの食材が一斉に出てきた。まぁ、誰の命にも関わらないから、最初はこれくらいがちょうど良いのかもしれないな。
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カレーが出来上がった。今までで一番上手くいったのではないだろうか?
「うぉ、こんなに上手くいったのは初めてかもしれない。」
「当たり前です。分量などは機械が若干調整してくれますし、煮込みのタイミングも教えてくれます。」
・・・・・・だから食材を入れるタイミングで「ここだ!!」てなったのか。しかし、これだと不可解なこともある。
「しかし、アシストがあると手術は逆に難しくなるんじゃないですか?臓器の位置や手術をする場所の位 置。それぞれは教科書道理とはいかないでしょう?」
「そこのところは大丈夫です。アシストは解除が出来ますし、時差もあまりありません。
ただ・・・・・・。」
やめてくれ。専門家のただ・・・が一番怖いんだ。
「手術の技術は完全に中の人と同じです。どんなに機械が高性能だったとしても、予想外なことが起こる 手術は今の技術では完全機械化出来ません。」
「なんだ、そんなことか。悪いけど僕は生まれながらに器用でね。手術に関しては文句を言うところはないでしょう。」
・・・・・・おそらく。当たり前だが、僕は手術をしたことがない。今まではいろいろなことを上手くやってきたが、手術が出来ないと言うこともある。
「駄目ですよ後ろ向きになっちゃ。」
「え?」
まるで、僕の心を読み取ったかのような言葉だった。
「手術は出来なくても、最近の機械は少し気持ちを読み取ることが出来ます。そんな気持ちでは夢にまで見た 医者にはなれませんよ。漫画の主人公にでもなったかの気持ちでいなければ。」
そうだ。僕は手術をするために、医者になるためにここに来たんだ。その気持ちは変わらない。絶対に道を間違える訳にはいかないんだ。これしか道はないんだ。
「それでは、始めましょうか。『完全バリアフリー計画』第一章 医者への道開始です。」
こんな読みにくい文章を読んで頂き、ありがとうございます。
僕の書いた話は、ペースが速いので分からない点が多くあるかと思います。
Twitterもやっていますので、なぜこうなるか分からないような部分があったら、感想で書くか、
Twitterに送ってくれると、ありがたいです。
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(@Cain06892403)