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絶望の化身  作者: Cain/カイン
希望の始まり
2/12

第一話 出会いと始まり

2019/6/9更新

 あれから数年が過ぎ、僕は高校生になった。今も尚、医者になりたいという気持ちは変わっていない。

 なぜ僕が医者になりたいのかというと、僕を救ってくれた医者を尊敬しているからだ。僕の人生を作ってくれた人に憧れないという方がおかしな話である。

「アナタが医者志望の障害者、黒崎真人ですか?」

 下校中、道ばたでそう話しかけられた。話しかけてきた人に見覚えはない。僕は膝の上にあった鞄を地面に置き体を軽くして、逃げられる状態を確保してから返事をした。

「あの、あなたはどちら様ですか?」

 模範解答通りの返事が来たかのように、それを待ち構えていたかのように彼はこう言った。

「石川健太朗と申します。医療関係の仕事をしておりまして、単刀直入に言うと、あなたには実験体になってもらいたいのです。」

 単刀直入すぎてよくわからん。なんの実験なのか気になるが、それより先に聞かなければいけないことがある。

「えっと、なんで僕の名前を知っているんですか?」

 名前を知っているということは、僕の個人情報を盗んだか、誰かから僕のことを聞いたことしかあり得ない。

「アナタの中学の頃の教師がブログをやっていまして、話の通じない人がいると嘆いていたんですよ。それで話をしていたら、アナタのもとにたどり着いた訳です。」

 いやいやいや、もしその話が本当なら、あの教師は僕の情報を見ず知らずの人にバラしたことになるぞ?そんなの教師失格だろう。

「あの、実験体って、実際のところ何をすれば良いのでしょうか?」

 とりあえず話に乗ってみることにした。ここからの説明で僕の出方は変わる。

「そこからの話は事務所に来てもらいたいんですが・・・・・・。」

 いや、この人余計に怪しいことを言っているぞ?

「いや、そんな・・・・・・行く訳がないでしょう。」

 怪しい人にはついて行くなって小学校の先生が言っていたからな。

「いえ、来てもらいます。アナタの未来も関わっているので。」

 HA?そこからの行動は早かった。僕を睡眠薬か何かで眠らせ、車へ放り込み、無理矢理事務所へ連れ込んだのである。一種の誘拐だろ。あの人が関わっていなければ・・・・・・。







「おはようございます。やっと目を覚ましましたか?」

 目が覚めて一瞬で理解が出来た。ここは・・・・・・ヤバいと。

 周りを見る限り怪しそうな機械はないが、無理矢理連れ込むということは、何か危ないものでもあるのだろう。

「僕をこんなところへ連れ込んで何をする気ですか?」

「やれやれ、目が覚めて一番最初のセリフがそれですか?まあ、当たり前のことですね。」

 こんなところに連れて来られたということは、しっかりとした理由がなければありえない。

「誘拐は犯罪ですよ?」

 僕が言うと、意外な返答があった。

「いえ、一応許可は取ってあります。あなたの母に。」

「えっお母さんが!?」

 驚きだ。そもそも、なぜ母とこんなやつに関わりがあるんだ。

 と思っていると、それを見透かしたかのように石川は話す。

「アナタが学校へ行っている間にアナタの家へ行き、母親に許可を取っておいたんですよ。この実験にアナタを使って良いと。」

 僕に決める権利はないのかよ。普通は権利どころか義務があるだろ。

「それで、なんでここに連れてきたんですか。」

 僕は面倒になり、単刀直入に聞いた。

「はい。それでは話します。まずはここまでに至った経緯からいきましょうか。」

 そして、彼は様々なことを話した。その話の中でも、最も印象に残ったのが

“完全バリアフリー計画”である。

 その内容は、人の意思、思考を一度仮想空間へと送り、現実世界にあるロボットを動かすことによって障害者には不可能な正常な人間と同じ動きをすることができるというものである。

 ロボットには人にあるそれぞれの感覚器官と同じ機能を持った装置がついており、仮想世界に意思を置いている僕たちも全く同じ感覚を感じることが出来るらしい。

 心からの喜び。まさに歓喜である。

 しかし・・・。と石川は続けた。

「この理論だと現実世界で活動をしているのはロボットで、仮想世界にいる人が感じているものもある意味では現実とはかけ離れたものと言えます。」

 確かにその通りだ。どんなに自分が動いている感覚だったとしても、結局その場にいるのがロボットならば医療的に『治った』とは言い難い。

 しかし、もしもこれが成功すれば何人の人が救われ、何人の人が喜び、何人の人が希望をもつことができるだろう。

 すると、僕の口から声が漏れていた。

「いいですよ。」

 僕は“完全バリアフリー計画”の実験体になることを認めてしまったのだ。

「!! 話が早くて助かります。それでは、早速仮想現実の世界へ行きましょうか。」

 僕がこう言ってしまったことに、これから先後悔することがあるかもしれない。しかし、今するべきことはこれだと確実にそう信じている、信じなければいけないと思っている自分がいる。

 ならば、後悔するかもしれないのではなく、そこに希望があるのではないかと僕はそう考えるだけだ。

このような感じでかなりテンポの早い話になってしまいます。

なんでこうなるの?これは何?と言う方はTwitterをやっていますので、そこへ送ってくれれば本編にそれについて書かれる可能性があります。

https://twitter.com/Cain06892403

(@Cain06892403)

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