出会い
一話
俺の名前は金井剛琉努だ。一応中学生。まだなったばかりの一年生だ。まだ部活は決まってない。これから決める。でも俺は小学生の頃はサッカーのクラブチームに入っていたからできればサッカー部がいいかなって考えてる。でも俺の入学した私立中学にはサッカー部がないという噂が流れていて、サッカー部に入部したい奴はその噂を聞いて違う私立中学に進路を変更するらしい。でも俺はそんなの嘘に決まってると思っていたから、進路変更は一切考えずにこの学校に来た。まあ明日から部活見学が始まるから明日までこのことは置いておこう。
翌日
「よーっしゃ!今日から部活見学始まるぞ。張り切って行こー!」
朝起きて朝ごはんのバターパンを三枚食べ、学校へ行く準備を整えた。そして家を出た。学校までの道のりはいつもと変わらず、静かだ。でもなんとなくいろんな怖いものが出そうな雰囲気をかもし出していて、俺以外この道を歩いて通る奴を見たことがない。
そんなこと考えてるうちに、学校に着いた。今日はいつもより早めに家を出たから朝部活をしている部の見学に行くことにした。俺の目当てはサッカー部だ。噂どうりにないかどうかはっきりさせる時が来たようだ。
担任の先生曰く、あるにはあるという話だったが、果たしてどうなのだろう。
校庭へ行ってみた。この学校は私立の中でも実はあまり部活も有名ではない。その割には校庭がだだっ広い。見てみると、野球部、陸上部が校庭を分けて練習していた。分けてもそこまで狭くならずに練習ができるようだ。ってあれ?サッカー部は?と俺は思った。よく見たらサッカー部が練習してる様子が全くない。気になって近くにいた陸上部の先輩女子に聞いてみた。
じょ「あー、サッカー部。サッカー部はね実はうちでは一番盛んで強かったんだよ。全国大会にも駒を進めるほどの。でも強いがために、サッカー部員は調子に乗りすぎて、野球部と私のいる陸上部とでもめて、サッカー部員が陸上部野球部双方の部長に手を挙げたの。それでサッカー部は廃部になったの。手を挙げられた野球部陸上部の部員はもうやめてった。その時の怪我のせいで思うように走れなかったりプレイできなかったりで。」という話だった。俺はその場で「おい、サッカー部何やってんだよ!俺はこの学校でサッカー部入りたくて来たようなもんなのに。停部どころか廃部って。」と心の中で思った陸上部の女子先輩にお礼を言いその場を後にしようとした。その時だった。
『プー、プー、プー』
なんの音だかわからないが、屋上から音が聞こえてくるようなので、屋上に行ってみることにした。
屋上に行ってみたら、なんだかよくわからない、管がぐるっと一回転しているようなものを持っている少女がいた。その少女は俺に気付いたようで一瞬ちらっとこっちを確認した。俺はさっきの音のことを訪ねるべく、その少女に近づき、声をかけた。
剛「あのさ、さっき校庭にいた時さ、なんかこっちの方から音がしたんだけど、もしかして君?」
少「そ、そうです、私です」と少し恥ずかしそうに答えたのち、二人は気まずくなり、間が空いた。
その間を解くかのように「あの音汚かったですよね?」と少女が問いかけて来たので「俺そういうのよくわかんない」と答えた。
そしたら、
少「あなたは入る部活決まってますか?」と問いかけて来たので
剛「決まってはない。ただサッカー部に入りたかった。でもこの学校つい最近サッカー部が廃部になったらしい。」と答えた。
少「吹奏楽部入りませんか?」
剛「正直俺小学校の頃はサッカーのクラブ入ってたから、楽器どころか音楽には授業以外でふれたことないよ。」
少「じゃあ、たくさんふれましょう。音楽にも、楽器にも」と軽く上目遣いで言われ、少し惚れてしまった。でもそれは少女にバレていないようなので今は忘れておこう。
剛「ごめん、ちょっと音楽は・・・」
少「音楽は?」
剛「いや、なんでもない。」
少「入って・・・ほしいな。」またも上目遣い。
これもしかしてバレてたのかと動揺しつつも
剛「ちょっと考えさせて。でさ、名前教えてよ。」
少「私の名前はマリア。マリア・ルイス」
剛「まさかのハーフでしたか!」
マ「ハーフでしたよ」
少し他愛ない会話をし、剛琉努はその場を後にした。