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7 二人の邂逅・殺戮者の戦慄

「行くぞ、お前の全てを否定してやる!!」


そんな事を叫び、俺に宣戦布告して来る死神が俺の目の前にいた。なかなかおもしろい奴のようだ。


(俺の相手になり得るかどうかは別だが)


 この様子では俺は逃げる必要は無いようだな、さっさと殺して帰るか…

すると死神はどこからともなく刀を出現させ、左足を後ろに右足を前に出し、深く腰を落として、左手で刀を構え、前に出した右手で刀を支え、狙いをつけるようにして、俺に剣先を向けた。


(なんだこの構えは、ふざけているのか…、いやあいつの目は確かに俺を貫くと物語っているが、あの体勢から出来るのは精々〈突き〉ぐらいだ、まさかな。)


 そのまさかである。死神〈斎藤壱月〉があの体勢から繰り出そうとしているのは、かの有名な人気漫画で使われていた、とある突き技である。

 その名を【牙○】、それを壱月風に改良を加えたのが【死神剣術式・牙突】である。通常の人間があの技をまねて撃ったとしても、某人気漫画のように扉や盾は貫けないし、まず飛距離が伸びず速度も出ない。だが、壱月は鍛錬に鍛錬を重ねて、あの技を実現させ、しかも改良まで施したのだ。その結果、厚さ約50センチの鉄扉を貫き、『万能武装ドレッドノート』の補助があれば約40メートルという凄まじい距離を跳躍出来るようになったのだ!


 俺、斎藤壱月は【死神剣術式・牙突ー壱ノ型ー】を構えながら、右手首に通してあるブレスレット型『ドレッドノート』の起動式句を唱える。


(万能武装ドレッドノート起動、身体強化兵装に変形、身体強化術式…《発動》)

『万能武装ドレッドノート…起動します、マスター死神〈斎藤壱月〉…承認。続いて身体強化術式を発動します…発動確認、身体強化率25%を安定維持、完了。』


頭の中で機械音声が流れ術式が発動した。

殺戮者を睨みつけ警戒しているため、未だ殺戮者に目立った動きは現れないが、俺は着々と準備を進めていく。


次に首にあるネックレス型『ドレッドノート』を起動させ、知覚強化術式を発動する。知覚強化のおかげで殺戮者のちょっとした動きにも対応できるようになった。


(さぁ準備は整った)


壱月が【死神剣術式・牙突ー壱ノ型ー】を繰り出そうとする瞬間、死神本部からの通信がはいった。心臓が飛び上がりそうなほど鼓動が速くなるが、ギリギリのところで取り乱さなかった。


(…!!)

『こちら死神本部、死神〈斎藤壱月〉の撤退を命じる。』

『こちら死神〈斎藤〉、何故だ!』

『こちら死神本部、殺戮者による被害者が150人を越えた、これはもうレベル7の事案だ、見習いの君が対処できる範囲ではない。』

(レベル7…か、だが目の前のこいつは見逃してくれそうにないな)

『こちら死神〈斎藤〉、命令には従えない』

『何故だ!』

『もう目の前にいるからだ』

『なんだt-』


そして返事を聞かないまま通信を切り、戦いの幕が開ける。


「準備は終わったか?」

「ああ、行くぞ!殺戮者ッ!!」

「来い、死神!」

「【死神剣術式・牙突ー壱ノ型ー】!!」


死神はそう言って渾身の突きを繰り出す!

それに対して殺戮者は-


「なん…だと!!」


死神に戦慄するのだった。

お読みいただき誠にありがとうございます。

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