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2 死神

 僕…いや俺の名前は斎藤壱月さいとういつき、現役高校生だが、実は死神と人間のハーフである。と、かっこつけて誰も聴いていないのに自身の妄想の中で勝手に自己紹介を始めた半中二病の彼が、これから約3時間後に殺戮者と遭遇してしまう死神だ。


 もちろん死神といっても彼の役目は寿命を迎えた人間や事故死した人間の魂を冥府まで導く事だ。

殺戮者のように無差別に人を殺したりしないしできない、なぜなら死神が殺せる人間は常に選別されていて、人類選別委員会の会議の結果によって死刑が執行されるかどうかが決まり、執行対象外の場合、死神の干渉力が無くなるからである。

殺戮者の場合、問答無用で死刑が執行される。

だが、死刑の執行は物理干渉であるため、執行する死神が力負けし、失敗する可能性もあるが、死神本部は日本に緊急捜索態勢を敷き殺戮者を探しているが、未だに見つかっていないため死神は誰も殺戮者と戦っていないのだ。

そして斎藤壱月も今夜捜索に駆り出される予定だ。と、これまた心の中で語っていると、


「壱月…壱月!おい何ニヤニヤしてんだよキモイぞ壱月!」

「ニヤニヤなどしていない、不敵に笑っていただけだ…」

「いや~どっちにしろキモイしイタいからw」

 そんな失礼な事を言いつつ俺に話しかけたのは同じクラスで前の席の天樹空かみきそらだ。こいつも昔は「我は天空の守護者!」とか言っていたくせに、今ではすっかり卒業して高校生活を楽しんでやがるし、もうすぐ彼女でもできそうな雰囲気だ。

そのときは天樹かみきのことを人類選別委員会の会議で発言しよう…その場合もちろん俺も査問委員会に呼び出されるが…後悔はない。


「それで今夜の打ち上げの事なんだが…壱月は参加するか?」

「すまないが、今夜は用事があって参加出来ないから天樹かみきひとりで行ってくれ」

「そっか…」

「その代わり、また二人で飯でも食べに行こう」

「!…ああ壱月の奢りでな!」


こいつはまた勝手に決めやがって…まあ仕方ないか…


「フッ時がくれば…いずれ…な」

「楽しみにしとくよ」

「それと今夜は気をつけろよ…」

「?…ああ近頃の連続殺人事件か…わかった気をつけるよ」


(ちょっと待て連続殺人事件だと!?あれはもう連続の域を越えている気がするが…人類側の情報規制…なのか?)


「じゃあ、また明日な壱月!」

「…ああ、さらばだ天空の守護者よ!」

「……」

(反応無しとは…本当に卒業したんだな…)


そして二人は別々に下校し、天樹は直接打ち上げに行き、斎藤は夜の準備をしに一旦家に帰るのだった。


殺戮者との邂逅まで残り2時間

お読みいただき誠にありがとうございます。

誤字脱字がありましたら、ご報告お願い致します。

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