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11 死神―邂逅後〈目覚め〉―

 壱月は目を覚まし、一言

 

「…知らない天井だ…」


いつもとは違う真っ白い天井がそこにはあった。それもそうだろう、何故ならここは冥府の隣にある死神界の治療院、その特別棟の一室なのだから。

そして、ふと気付く……天樹が死んだことに、


「…天樹、お前は本当に…」


既に壱月は、親友である天樹の死を受け入れている。もちろん、悲しくはある、だがそれと同時に無事に冥府まで送れたことに安堵しているのだ。だからもう彼に後悔はない、伝えたいことはさっき全部伝えられたのだから。あとは天樹の安らかな死を願うだけだ。

そして壱月は状況を確認するために体を起こして辺りを見回す。


(ここは…治療院か…)


次に自身の傷の状態を理解するべく背中を触る。


(痛くは…ない、だけど)「何か変な感じだ」


壱月の傷はもうほとんど治っているようだが、何か違和感があるようだ。思ってることが、声に出るくらいには。


「それは呪いですね。」

「!」


突然の声に、壱月は発声源、即ち扉の方に顔を向けた。


「…あんたは……?」


 そこに立っていたのは、壱月と同い年くらいの少女だった。可憐だが、どこか覇気のある整った顔立ち。そして深い海を思わせる綺麗な蒼眼。髪は白く、腰のあたりまで伸び後ろで一つに束ねてある。さらに特徴的なのが着物を改造したような和風の戦装束だ、その服はかなりの機能美に優れていることが外からでもわかる。


「私の事に関しては後から説明があると思うので今はいいでしょう、それよりも呪いの事について説明しますね。」

「あ、ああ…頼む」

「では、説明させて戴きます。その呪いは、殺戮者の武器に付与エンチャントされていたものだと思われます。そして効果は約二日間、鈍痛が続くと診断されています。また呪いの種類が判明していないので今すぐに解呪するのは無理だと聞いています。」

「そ、そうか…ありがとう」

(なかなかに堅いしゃべり方だなぁ)


「…?…私の顔に何かついていますか?」

「いや、何でもない」

「そうですか。では、私はこれで失礼します。明日の午前10時、死神本部の日本支部長室までお越しください。」

「わかった。」


そう言い残して彼女は部屋から出て行き、扉を閉める。


「一体何だったんだ…」

(疑問は残るが今は傷の完治に集中しよう)


壱月はベットに背中を預け、もう一度寝るために瞼を閉じるのだった。

お読みいただき誠にありがとうございます。

ついに、メインヒロインの登場です。

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