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異能力者が溢れる世界を作ってみた  作者: d-novel
第九日目・第十日目
70/73

二度目の九日目

結果的に二回、やり直す羽目になった


高さだけなら、もう少し高い場所もあったが、屋上が広いことから侵入した建物


他のメンバーは、物陰に隠れていてもらったんだが、暴風が強まって、上空にゴミなどが舞い上がり始めたので、さて飛び出そうとしたら、イキナリ



「ゴメンナサイ」

と後ろから、大声を出された


「巻き戻してしまいました」

美女木さんが、頭を下げている


どうも俺が巻き上げられた瞬間に、岩谷さんが飛び出してしまったらしく、ついでに全員前のめりになって、吹き飛ばされそうになったらしい


「いや、適切な判断だと思う。そうすると、ロープが必要か」

「ゴメンナサイ、私のせいみたいだね」

岩谷さんが、顔を赤らめてうつむいている



そして、普通のロープを巻きつけあって、再チャレンジしたんだが、秋鳴が、かなり踏ん張ってくれたものの、胴体が締まるばかりで、俺の能力発動前に、シーちゃんや美女木さんが締め上げられて気絶


もっと、レスキューで使うようなものが必要と、秋鳴と相談して、とにかく、俺以外のメンバーはしっかり固定されるようにして、俺の身体だけ、うまく空中に放り出されるように、胴着を巻きつけ、最悪、巻き取れる様にしてみた


結果、俺は凧みたいに空中に放り出されたが、10分くらい、空できりもみになっても、なかなか能力が発動せず、限界かと思った時、どこかの看板が飛んで来て、ようやく、能力が発動した


のだが、、、



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



俺と岩谷さんは、今、首相秘書官に指定された場所に向かっている


結局、この騒ぎを起こした張本人は分からなかった


俺の能力が発動した時点で、対象を探ったのだが、どれだけ範囲を拡げても、見つからなかった


考えられることは、能力が発動した時点ですでに死亡して、かつ、発動した能力の影響が消失しなかったということなのだろう


具体的な能力は不明だが、対象が月であったことは、間違い無いんだろう


あんな途方も無い大きさのものに、能力を発動したら、それは精気を全部吸い取られて死んでしまうに決まってる


てか、良く能力が発動したな


ということで、岩谷さんを連れてきた俺は、当然、能力発動前の犯人の情報が得られるものだと考えていた


・・・・・・・・


「いや、良く来てくれた」

首相がにこやかに迎えてくれた

「早速だが、杉下が段取りを説明してくれる」

「お電話では失礼いたしました。秘書官の杉下です」

「初めまして。三嶌です。こちらは、一緒に協力してくれている、、、」

「岩谷です。よろしくお願いします」


「では、現在の問題と、三嶌さんの掴んでいる状況を確認したいのですが」

「月ですね」

「えっ、ちょっと待ってください」

「何か、君が気がついていないことがあったかね」

「あっ、今の首相の言葉で分かりました。月の軌道にずれが生じていることが、各地の天文台で、観測されております」

「それは、どういうことだね」

「あっ、それは、私から説明させてください」

俺は、この先、月が地球に接近してくることを伝えた


「それは、月が落ちて来るということか」

「はい、おそらくそうなります」

「ふーむ」

さすがに見過ごせない事態だよな


「で、杉下くん。すでに打ってある対策と、これから打つべき対策を教えてくれ」

「はっ、今日の午後から、明日、いっぱい幕張メッセの駐車場を抑え、今夕には特設ステージの設営作業が始まります」

首相は、もちろんのこと、俺も岩谷さんも首をかしげる


「先ほどまで、今後手を打つことが不明だったのですが、現状を打開するために、二人の人物が不可欠です」

「能力者かね?」

「はい。一人は、月の落下を押しとどめ、元の軌道に戻す能力を持っています。」


ん?


それって


「ただ、その能力者の能力発動条件が変わっておりまして、協力者が多いほど力を発揮するのです」


やっぱり、あの青年か


「三嶌さんは、何か心当たりがありそうですね」

「えー、先日、知り合った男性が似た様な能力を持っていましたが、月を押し返すんですか?いったい、何人集まったら・・・」

「杉下くん、答えは出てるね」

「最低十万人、できれば、十五万人以上の協力が望ましいのです」

「それで、幕張メッセですか。でも、今から、そんな人集めできますか」

杉下氏は、なぜか、俺が質問してもこちらを見ない


「杉下くん、人集めはどうするんだね」

「はい、それが、さっき言っていた、もう一人の能力者が必要な理由です。この後、彼女を呼び出して、TVで、語りかけてもらいます」

「彼女?女性かね。でも、下手な呼びかけしたら、パニックになってしまうよ」

「はい。ですから、彼女は最適だと思われます。彼女にはコンサートを開いてもらいます」

「コンサート?」

「はい。彼女は歌手ですから」


北村さんだ


そんな、こんなところで繋げさせられるなんて


「で、でも、先に、この騒ぎの元になってる能力者を見つけ出して始末した方が、早くないですか」

「もっともな意見だが、杉下くん、その辺、どうなってるの」

「残念ながら手遅れのようです。すでに、能力者は亡くなっているようですし、それ以上のことは、私には分かりません」


こうなる様に決められたレールが、最初から敷かれている


「よし分かった。すでに手配していることもあるようだし、この後の段取りは任せた」

「はい、そうしましたら、三嶌さん、お二人の能力者の連絡先はご存知ですね。連絡していただけますか」

杉下氏は、初めて、マトモに俺の顔を見て、指示を出した


・・・・・・


北村さんは、絶句していたが、スケジュールは、無理やりにでも調整するそうで、兎に角、TVでの告知のためにこちらに向かいつつ、バンドメンバーを集めるとのこと


冬馬くんには、段取りの説明もあるし、今日はこちらに来てもらえるよう、秋鳴を迎えに行かせる

面識はなくとも、大丈夫だろう

とにかく助けて欲しいことがあると言ったら、人の良い彼は、二つ返事で承諾してくれた


幕張周辺のホテルもスタッフなども含めて、すでに抑えているらしい

この辺の急な抑えは、国家権力を使っているみたい


少なくとも、我々関係者は、今日は、幕張泊まりできるみたいだ


俺は、北村さんのフォローのため、まずは、カイコをピックアップ

申し訳ないが、カイコは今日は付き人だ

TV局内のことはカイコの方がよく知ってるし、先日、北村さんの歌を聞いていたカイコは喜んで引き受けてくれた


できるだけ、生の告知の方が、効果があるらしいので、

TV局の打ち合わせには、杉下氏の指示を受けながら岩谷さんが先行している

明日は、何やら、大層な名目をつけたイベントになるようで、その趣旨に則った告知文を作るみたいだ


俺は北村さんから引き継ぎながら、バンドメンバーと打ち合わせ、更に明日の音響スタッフと打ち合わせ


何も人集めのためのダミーコンサートに手をかける必要がないのかもしれないが、杉下氏は、集まった人たちの集中力を高める最良の手段だと言ってくれた


良かった、歌い手さんをただの道具として、使い捨てするようなことは、したくなかったから


せっかくなら、コンサートとしても、良いものを作ってあげたい



ただ、北村さんは、生CM三回行なった時点で、いったん気を失ってしまった


とにかく、視聴率の高い番組に無理矢理突っ込んだ結果だが

目標設定は十五万人ほどにして、その位の人に集まってもらえるつもりで声をかけたらしい


ただ、政府仕切りなので、当然無料イベントとなろうところを、俺が強引に反対して、千円でもいいから取らないと、お客さんが集中するコンサートにならないと主張したから、ちょっと、頑張りすぎたみたい


十万人以上の当日券と、その整理は大変なことは分かっているが、無料イベントで、無節操に人が集まりすぎる方が危険だと言うことは経験から知っている


大丈夫、イベンターも入っているから、なんとかするさ


でも、朝10時入場開始で、11時半開演で、その人数さばくのけっこう死ねるな

今晩中に作戦練ってくれ

なにしろ、政府がバックで予算は潤沢なのだ


北村さんは、明日のプログラムやら、リハなどで、神経を尖らせていたが、少し休んでもらったほうがいい



一段落して、幕張に集合したときに、岩谷さんが杉下氏の能力について教えてくれた

首相の質問にしか答えられない能力だと?

そりゃ、俺の顔を見ないよな



そんな風に、その日の午後は、嵐のように過ぎ去っていった




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