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異能力者が溢れる世界を作ってみた  作者: d-novel
第九日目・第十日目
66/73

最初の九日目

今日も暑い


正直、この一週間で一番の暑さ

暑いのは元々苦にならないんだが、その俺が、年に二、三回ある寝苦しい夜になりそう


こんな時期、都内に住むもんじゃないな

都内の暑さはまた格別だ



今日も早起き

と言うよりは、昨日も、過去に飛んだりで一日が長いため、二十二時には眠くてたまらくなるから、早寝なだけだが


秋鳴を見習って、朝からストレッチなどしてみたが、どうにも落ち着かず、事務所に出かける




昨日、食事の際に、カイコがスマホをいじっているので、行儀が悪いぞと言ったのだが、何かゲームアプリのようなものをやっているようだった


岩谷さんが横目で見て、『あー、それね』と言った所までは良かったのだが、シーちゃんはもちろんのこと、普段はゲームどころか、ほとんどスマホをいじらない秋鳴まで、そのアプリをダウンロードしていることを聞いて、チョッと異常性を感じたが、食事時は、食事を楽しむものと、その話題はおしまいにさせていた


俺は元々PCべったりの人間だったが、最近はミニタブレットにハマってしまい、何をするにも持ち歩いている


いつぞやは、渋谷で失くしたと思い込んでいた愛機が、findのアプリを起動したら、なんと新宿の東口にあると分かり、とにかくそこまで行ってみると、JRの忘れ物窓口だったのにはチョッと感動した


そんなこともあり、今じゃ、タブレットは手離せないというか、失くしても、すぐに見つかってくれる一品なんだが、能力騒ぎ以降、極力触らないようになっていた


誰かが能力を使って、悪意のあるアプリやバナーを仕込んだ場合の確実な対処方法が分かるまで、ネット環境への接続を避け、静観していたかったからだ


昨日は、そのゲームの話題は放置してしまったが、みんながみんな、同じアプリをダウンロードするような状況になっているとしたら警戒をした方が良いかもしれない



TVなどで危険のある洗脳系の能力が使われた場合は、俺の回避能力が働くとは信じているから、TVはあまり警戒はしていない


もっとも、直接的な害の少ない、首相の「話を聞け」や

杉尾氏の何喋っても受けるとかの影響はあったが・・・


とにかく、ここのところ情報集めもしていなかったので、TVでも見ようかと思ったわけである




驚いたことに、土曜日の、まだ朝九時前だというのに、岩谷さんとカイコが来ていた


週刊誌を拡げて、俺を待ち構えていたようだった


「やられたわ」

「えっ、何のこと」

「私が断った仕事、こういう事しなきゃいけなかったの」

その週刊誌の大見出しは

《コレが異能力者の溢れる世界の現実だ!》

と書いてあり、様々な異能力者のレポートが書いてあるようだった


「週刊誌も仕事してるじゃん」

何でも、昨日発売した週刊誌が売れに売れているらしい


勝負をかけた雑誌社は、発行部数を大幅に増やしたらしいが、それでももうほとんど残っていない状態らしい


曰く



人類の救世主か、マッドサイエンティストの誕生か

医療現場に現れた若き異能力医師たち


世界を席巻するゲームアプリ、一晩で一千万ダウンロードのワケ


三十人を返り討ちした美人女子大生の色気


全レース的中で、出入り禁止

公営ギャンブルはどうなる


飛行中に墜落?不可思議な遺体のあった場所


原発を守る最強の守護神


マル暴vs指定暴力団 異次元での戦闘


海外マフィアはすでに一掃か?歌舞伎町勢力図の混沌




うわっ、まだまだありそうだ


自分が如何に、現実に目を(そむ)けてたか良く分かる


「この辺の事、レポートするのが、私の仕事だったのよねぇ」

岩谷さんは、仕事が好きだったんだろうな

「私はこの先、どうすればいいんだろ。このまま、逃げまわっているのかしら」

独り言のようにつぶやく


今日も、TVは、《異能力者を巡る一週間》と言った、特番が目白押しだ

本来なら、このどれかの番組に、彼女が加わっていただろう


「出亀さんは、間違いなくスクープ映像出してくる」

岩谷さんと出会った時にペアを組んでいたカメラマンが、出亀さんだ


そう、彼の能力は、決して出歯亀的な覗きの能力だけではなく、隠されているものでも何でも、自分が撮りたいと思ったものを録画してしまえる強力な能力だ


「今からでも、現場に駆けつけてみるかい?」

「えっ、でも」

「岩谷さんの能力が公になったら、間違いなく命を狙われる。だから必ず信頼できる人間と、ペアで行動して欲しい。あー、そうか、でもな、、、」

ちと鬼畜なことを考えてしまった


「俺たちがパーティを組んでいる事、これを他人に知らせない事が、一番重要か」

「そういえば、パーティの事は、メディアで報道されてないわね」

「テーブルトークでRPGをやっている連中なら、ともかく、リアルでパーティを組んだ事のある奴は、日本じゃ少ないんじゃないか?」

オンラインで、組むのとは訳が違うのだ


夏休みでなければ、高校生あたりが早くに気がつきそうだが、いずれにせよ学生の情報は錯綜し過ぎているし、外でつるむ連中とゲーマーでは、人種が違うから、対人能力の必要なリアルパーティは、引きこもりにはハードル高いぞ

SNSでつながるようにはいかない


「今、思い出したが、パーティを組んでいる人間に何かあったら、すぐにわかるんだったな」

「それって、、、」

「いっぺん、死んでみる?」



・・・



いやー、怒られた


カイコはもちろんだが、珍しく、秋鳴まで、『隊長、それはあんまりです』とか言うし、また、間の悪い事に、シーちゃんまで現れて、一緒に責められて、次には、シーちゃんがパーティから仲間ハズレにされていたことが分かったため、シーちゃんから鬼のように怒られた


そんなこと言ったって、そういう話をするタイミングなかったじゃんとか、思ったけど、他の三人もその事に関しては、少し後ろめたかったらしく、女性陣からの総攻撃は、受けずに済んだ



結局、シーちゃんもミコちゃんもパーティに参加することになって、事なきをえたが、正直、パーティの人数制限や、パーティの重複参加が可能なのかとか、離脱条件とか、何にも分かってないんだよな

まぁ、これで、六人までは大丈夫なことは分かったけど


実のところ、パーティの誰かが消失した時点より前まで俺が時間を巻き戻して、救出に向かえば良いんだが、能力によってもたらされたダメージは、魂に刻み込まれるんだか、少なくとも心的ダメージは残るみたいなんだよな


俺だって、いくら巻き戻せても、死ぬようなダメージ喰らって生き返りたくはないわな


「ま、まぁ、くれぐれも用心して、行動して欲しいということで、それでも、どうしようもない時は助けに行くし」

「そんなの当たり前です!」

またシーちゃんに怒られた


パーティの中に居たオッサン情報は、スルーしてもらえたみたいだが




気がつくと十時を回っていた

そういや、首相とのアポイントすっ飛ばしてる


今から出かけてもあれだし、週刊誌のネタを(さかな)に、雑談したところで、しょうがないもんな



「え、えーと、とにかく、今日は俺が、岩谷さんの足になって、どこでも運転して行くよ。秋鳴は、引っ越しするんだろ?」

「あっ、忘れてました」

秋鳴は、本質はガサツで忘れ物女王だったな


ここで珍しく、カイコが秋鳴と一緒に行くと言い出し、本来ならハチロクに乗りたい秋鳴も、流石に荷物が乗りきらない可能性を考えたらしく、車を交換した


シーちゃんに留守番を頼み、俺たちはそれぞれ目的地に向かった



◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「今日は来ないみたいだね」

「えー、まだ問題は起きていないようです」

「しかし、君、問題が起きてからでは、間に合わないだろ」

「はぁ、しかし、お言葉ですが、この先、問題が起きたときのため、この時間を空けておくことが、今は最善なのです」


首相は、ムスッとした顔で、杉下を睨みつけ、今、世間を賑わせていることの分析を、杉下に命じた



(明日から先の展開がどうにも見えないんだが、、、)


杉下は、突然自分の能力に裏切られたような気がして、首をすくめた




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