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天敵能力者

あー、こんな感じだった

なんかピリピリして、いつでも喧嘩買いますな感じ


目の前に昔の俺がいる

いま、鏡で見ると、やはり幼い

若い身体に戻ったら、もう、元へは戻らないつもりだったが、この身体だと、エネルギーがあまり過ぎて、感情の抑制が苦手そうだし、交渉ごとは、なめられて無理だ。


頭の回転は上がっているので、ずいぶんやらかしたことに、気がついた。


この能力、絶対、他人に知られてはいけないだろう


人助けに追われて、それどころか、こっちが、大悪人にされる


殺人事件の犯人を特定できるどころか、殺人そのものを阻止できるし、大事故や天災などを回避させられる可能性だってある。


オッサンの身体の時は、ゆるく生きようと思ってたのに、気力溢れる今の身体は、暴走しそうだ。


考える時間は、無限にあるはずだから、慎重に行動しよう。


そして、今、分かった。

俺の天敵

自分にとって不都合な能力。

そして、この状況でもっとも必要な能力。


俺は、あの女のところへ戻ることにした。


-------------------------------------------------


「お姉ちゃん、大丈夫?」

「えっ、君は?」

「ぼく、ルーシェ君」

「馬鹿野郎、そんな、純日本的な顔で、ルーシェのわけないだろ!」


失敗!巻き戻し。


うーむ、特に、コドモに弱いタイプではなさそうだ。しかも、間髪入れずのツッコミ。


子供服まで、用意しなくて良かった。

お陰で、今の格好は、ダボダボのTシャツで、隠れているとは言え、裸足で、ズボンもパンツも履いてないフルティンだ。


だって、まず、相手を知っておいた方が、いいだろ?


そんなわけで、もう一度俺に戻って、やり直し。


実は、ここにたどり着くまで、いろいろ小細工してきた。


ズボンを調達しようと思ったんだが、そういや、普通は、スソの処理をしていない。裁縫とかメンドクセーと思って、ふと気付いた。


昔の自分ち帰って、1本ジーンズ持ってきたら良くね?無意味な窃盗にならんし。代わりに、いつの時代も貧しい俺の財布に2~3万補充してやろう。


さて、ここからが、面倒くさい。なにせわが国では、近年大きく二回、一万円札のデザインが変わってる。


お金を増やすのは簡単。

月曜日の新聞買う

万馬券が出たかどうか捜す

前日の日曜日の競馬場行く

1万円が、百万円になる。


このセットを、現在と、ホログラムなしと、聖徳太子で、やっとく。


で、今、ほぼ百万円ずつ入った財布が3セット。

これで、どの時代に飛んでも当座困らない。


過去と安全に行ったり来たり出来るかの安全確認も、ついでにできた。


ひと財産作るのは、株式でする予定だが、仕込みもたいへんなので、後回し。


それより、自分のズボンを手に入れたら、やたらスソが長い。足が縮んだわけではなく、あの頃、カカト10cm以上ある、サンダル履いてたんだった。


なわけで、今どき誰も履いてないような、サンダルを、過去の世界で、買い求め、戻って来たわけだ。


実は、結構、昔が懐かしくて、延べで、1週間くらいいたんだが、それはまた、別の話。


と、いうわけで、巻き戻しも完了したので、再び、声をかける。


「お姉さん。ちょっといいかな」


----------


靜保は思った


突然、周りの喧騒が静まったと思ったら、目の前に若い男がいて、馴れ馴れしく声をかけてきた。たいがいおとなしい、最近の子っぽくない。


「これ、あなたの仕業?」

「これって、壁が崩れてきそうなこと?」

「そうじゃなくて、この時間が止まってる、んー、そうじゃないわね、ゆっくりと時間が巻き戻ってる?」

「ほぉー、やっぱりな。後ろのカメラマンのお兄さんは、どんな能力持ってるの」


なんか、はぐらかされたような気になったが、相方の出亀さんを、見る。


この、トンデモナイ状況にも関わらず、ニンマリとしたような、しまりの無い顔で、固まっている。

さっきから、気がついてはいたんだが


「彼は、そうね、たぶん、何でもそのカメラに録画する能力だと思う。」

「何でも?」

「そのまんまよ。自分が撮りたいと思ったものを録画する」

「それは、目には見えないことでも、て言う意味なのか?」

「そうね、彼自身がどんな風に自分の能力を使っているのかは分からないけど、あの顔をみたら、今、何撮ってるか分かるわね」


彼のカメラは、さっきまで駅前でティッシュを配ってたコスプレの女の子の方を向いてた。可愛い子だったけど、間違いない。あの顔は、コスプレ姿を撮っているのでは無く、録画されてるのは、服を着ていない彼女だ。

まったく、情けない。そんな映像撮ってどうする気だ。立派な犯罪よ。相方ながら、情けない。


「うおっ!そりゃまた、素晴らしい能力だ!」


こいつも駄目だ。


-----------


そもそも、今日のインタビューが原因だった。

こちらの質問を、はぐらかされて、結局、あのオヤジがどんな能力を望んでいるのか、聞きそびれた。


(自分の身を守るったって、相手がどんな能力を持っているか分からないと、対処できないわよね・・・)


そんな事を考えてたから、あの声が聞こえたあと、動揺してたのもあって、結局、(他人の特殊能力が分かる能力が欲しい!)と願ってしまった。

しかし、出亀さんは分かりやす過ぎるが…


で、この男の子の能力は何かしら

男の子?いや、それにしては、誰かに似てるか、、、


あれっ、あのリュック…


「それにしても、君の能力もスゴイね。他人の能力が分かるんだ」

「えっ、いや、正確か、どうかはワカラナイんだけど、たぶんそうかな?って感じるくらい。実際、君の能力は、ハッキリワカラナイし」

「俺の能力は、何か、危険が迫ると、安全と分かるまで、時間を巻き戻す能力。あと、こうやって、話しかけた相手も、同じように出来るみたい」


ふーん。でも、初めて会った子だと思うんだけど、なんか信頼できる人から、話を聞いているような気分。


「まぁ、とにかく、チョッと落ち着いたところで話さない?」

えーっと、やっぱりナンパ?

って、この状況でそんなワケないだろ。

でも、フツメンもフツメンな子なのに、そんなこと言われて、ナゼ、ドキッとしたオマエは、と自分にツッコミ。

ちと、忙しくて、最近、ご無沙汰だからか。


「いいわ、どこ行くの」


そうして、私は、彼についていった。


----------


やっぱり、この女、そうだったか。



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