抜刀隊 vs 金髪の炎弾
女の子って、薬屋さん好きだよね
俺はカイコの買い物を待って、大きなドラッグストアの入り口にいる
若い頃は女子の薬屋での買物の実態など知ることなどなかったけど、長く生きてる中で、俺は薬局の手伝いをしばらくさせられたことがあったので、ずいぶんと女子の生態を知ってしまった
多少、恥ずかしがりながらも、店員には色々なことを相談してくる女性たち
もちろん、事務的かつ適度な距離感を持って親切に対応するのは必須だったが、好きな男性には知られたく無いだろうな、とかは思ってしまう
たまに、逆にこちらをからかってくるような女性もいて、20代後半ぐらいの女性二人連れが、この薬、気持ち良くなるの、などとウブな男なら返答に窮するような質問をしてきたこともあった
後で考えてみると、その二人連れの女子が出来てるっぽくて、質問してきた方ではない女子を、恥ずかしがらせているような気配であったけど
いや、夜遅くまでやってる国道沿いの店だったから、いろんなお客さんがいたのよ
まぁ、あんまり女子の裏側を知りすぎると、女の子と話していても、本当にただの仲の良い友達扱いされて、女子会の会話に引き釣り混まれてしまうんだが。。。
薬屋では他にも
シャンプー万引きしていく女子高生
注射器を売れと、騒ぎ出す奴
風邪の時の栄養ドリンクを20本ずつ買っていく奴
クロロホルムを買いに来る奴
その一週間後くらいに、何か怪しいものを買いに来る客はいないかと、刑事のような顔で訪ねて来る奴
で、そいつが一週間前にクロロホルムを購入しに来た奴にそっくりだったり
探りを入れてたんだろうか
もっとも、注射器にしろ、クロロホルムにしろ、一般の薬局で、ましてや見習い店員が販売できるものではない
そうそう、薬剤師がいるかいないかで、薬局と薬店の違いがあるなんてことも、この時知った
そんな記憶を辿ってるうちに、外から見えない紙袋やらいろんなものを買い込んだカイコがようやくレジを済ませるところだ
あとは、ネールの店にカイコを届けて、時間つぶし
しかし、店は暇そうだった
どうやら近所にたった5分で完璧に仕上げる店があるらしい
まぁ、そういう能力者も一人はいるよね
この店の店員たちは自分たちの技術に自信があったので、そんな願いをした子はいなかったようだ
色々な所がきしみ始めている
まぁ、俺は考えないし、自分は何も背負いこまないと決めたんだけどね
ネールしている所を、見る気もなかったし(美顔マッサージに行きたいとか言われなくて良かった)、なんとなくセンター街の方へ行ってみた
渋谷はあまり好きな町じゃ無いから、普段は近寄らないんだけど
そしたらいたよ
例の抜刀隊(笑)
原宿からこちらに移動したか
まぁ、俺の庭でやるんじゃなきゃいいや
真剣みたいの持ってた奴は、さすがに木刀だな
最初からそれにしとけよ
もう、あの剣は使えんだろう
人数、一人少ないかな、一人は見覚えない気もする
あのリーダーみたいな女は、髪の毛ばっさりと短くしたか
誰の所為だよ
すんません俺です
あっ!
誰かなんかやったか
一番目立つ木刀野郎の尻に火が点いた
隣は氷弾の奴か
すぐに対応したようで水蒸気に変わった
その先には、ヘラヘラ笑ってる金髪
ってお前か(笑)
一昨日の夜、火遊びしてた奴じゃねえか
面白い、お前らやりあえ、どこか良く見えるところから見物しよう
ちょっと待っててね
あのビルの3階のバルコニーなら、よく見えそうかな
移動する間、時間逆行させてと
さて、試合開始してもらおう
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木刀を持つ男、榊は、金髪・赤矢に向かって走り出していた
と、突然、目の前の地面から突き出してきたものがある
まさか、腕か
慌てて立ち止まり、まずそいつから片付けようとしたとき、榊は自分を狙って飛んでくる何かを感じた
祖父の刀を台無しにしてしまったのは、慚愧に堪えないが、もともとガキの頃から振っていたのはこれだ、と榊が今日、持ち出した木刀
剣の道を究めたいと思っていた自分の動体視力・危険察知力・そして元よりこの剣捌きは、能力を得たお陰で、もはや敵無し
のはずだったが、昨日の訳の分からない、思い出したくも無い悪夢
だから、今日も、真っ先に駆け出しつつ、榊に油断は無かった
榊に向かって飛んできているのは刃物、いやナイフだ
木刀で、マトモに受けるわけにはいかないと、榊は一瞬の判断で、たたき落とすことにした
敵は何人だ
今日はあまり役に立たない二人を置いて、速間が来ている
榊は、速間が金髪の裏を取ったのは確認できたが、しかし、今、立て続けに急所を狙ってくるこのナイフで手一杯となっていた
ギャラリーはさすがに遠巻きにし出している
昨日、竹下通りには現われなかった男、速間は、いきなり金髪の赤矢の後ろに現れた
テレポート?それとも高速移動か
そして、もう一人の抜刀隊・冷泉も自己の能力ice shotを金髪に向かって放っていた
抜刀隊側も当然のごとく一人に集中攻撃している
赤矢は、自分に向かってきている木刀男も気にはなったが、さっき自分の放ったfire shotの火を消したと思われる男に腹を立てていたので、今度はそいつに目がけてfire shotを打ち出したところだった
fire ballは効率が悪いことは学習していた
互いの中間点で水蒸気があがった時、赤矢はまだ後ろの気配に気がついていなかった
榊は、的確に急所を狙ってくるナイフの打ち手に防戦一方になっていた
そして、ついに、地面から生えた腕に足がとらえられる
同時に何本かナイフを喰らったことを感じ、膝をついた
まず、一人脱落
しかし金髪の赤矢も後ろを取られ昏倒
速間に寄って首締めで落とされる
こちらも、一人脱落
が、赤矢の首に腕を回して、そのまましゃがみ込んで止めをさしている速間の背中に、榊をつぶしたナイフがすでに襲いかかっていた
冷泉は、もう一人の敵、巨漢の茶牛の腕の無い異様な姿を捉えていた
速間が金髪の裏を取ったことを確認すると、ほぼノーガードで立つ腕無し男の顔面に、ice pack、ice shotを薄く引き延ばし、氷でできた皮膜のように見えるものを打ち出していた
冷泉の氷弾は速度がやや遅いのが難点だが、的がでかくてノーガードなら的確に相手に届く
茶牛は顔が氷漬けとなり、そのまま意識を失う
あっという間だったが、すでに二人ずつ倒された
残りは一人づつ
ナイフ投げ昏嶽と氷弾使い冷泉
しかもまだ、昏嶽は、表に立っていない
手数と的確さ、更に、隠密性から、勝負は着いたと思われたとき
ドーン
そこまで来て、通り一帯全部をなぎ倒すような衝撃が走った
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いやー、人の喧嘩眺めてるだけなら楽しそうだよね
ここからならよく見えるかな
二階くらいだとまだ、とばっちりが来そうだし、三階にしたけど
あれ? あれ?
あっという間に、二人ずつ倒れちゃったよ
やっぱり映画やプロレスと違って、元は素人の能力者同士の真剣勝負じゃ、すぐに終わっちゃうのかな
なんか瞬間移動みたいなことした奴もいたみたいだったけど
なんて感想を抱いていたときに、いきなり圧力のようなものがかかって、身体がグラっとしかけた所で、時間が逆行を始めた
今の何だ




