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四之宮ゆかりはマミーを使い、捜査を開始する

昼近くになって、四之宮ゆかりは、ようやく起き出した


すっかり夜型になってしまった


一昨日作家から回収した原稿は、すでにチェックして編集長宛に送り、しばらく会社を休みたい旨、メールを入れてある


とてもじゃないが、こんな気持ち悪い状況で、普通の生活を送ろうという人間の気が知れなかった


女性が多いことも有り、休みはしっかり取るという社員が多い会社だから、連休明けまでは、特に何もないのだろう

一応、会社からの通達という形で、安全に気をつけるようにと、おざなりなメールは来ていたが、休業するような気は、これっぽっちも無さそうだ


結局、未遂に終わったから、もちろん報告する気も無いが、ここに二回レイプ未遂にあった社員がいるのに

他の連中はよっぽど、のほほんとした環境にいるんだろうか





元々、同僚にしろ上司にしろ、表面を取り繕う連中ばかりで、ゆかりは会社の仲間に親しみを覚えていなかった


(あいつらの方がマシだ)

自分の欲望に忠実なトミーとログ

虫酸が走るような奴らだったにも関わらず、一度、自分の忠実な子分となってしまうと、なぜだか親近感がわいてしまった



マミーとか言う男は、昨日は現れなかった

今日、顔を出すということだ

どうも、自分の能力を楽しんでるらしい


それで結局、昨日は三人で飲み明かしてしまった

ゆかりは、会話の中で何か引っかかることがある度に、頭を撫でてやりながら、奴らの記憶を自分の都合の良いように書き換えていった


ゆかりが男であるという認識はなくすことにした

外部から妙な反応をされる可能性が高いし、いちいちそっちを認識改変させるのもわずらわしい


もう、こいつらは大丈夫

ゆかりは手を絶対出せない女だとして、徹底的に自分たちは下僕であるという認識を植え付けた

そういった認識の上で、二人をからかってやるというサディスティックな意識も心地良かった


トミーは元々は、かなり資産を持っている家のドラ息子だった

もっともある程度の財産を分与されたうえでとっくに勘当されている

更に趣味の覗きや、監視カメラのハッキングやらで、たまたま握った他人の秘密を使って、強請(ゆす)りまがいのことも何度かやったらしい

なので、だいぶ金を溜め込んでいたのを、その金は全部ゆかりの個人資産を管理しているだけと、頭の中を書き換えた


休み明けに大部分をゆかりの口座に移してしまうつもりだ

ログは、そのトミーの使いっ走りで、今は当然、ゆかりのパシリだ


こんなどうしようも無い連中どうなろうが知ったことでない、と色々頭をいじくった結果だが、なんだか会社の同僚などより、そいつらの方に親しみを覚えてしまっている自分にゆかりは苦笑していた


マミーが来たら、また能力をフル活用しないといけない


エネルギーを補給するために、ゆかりは食事に出た


・・・


マミーこと間魅鱗次(まみやりんじ)が現れたのは、午後4時丁度だった

時間には正確な奴だと聞いていたので仕込みが楽だった


間魅はチョコレートに目が無い

笑っちゃうような嗜好だが、お陰で釣り出す餌は簡単だった

新しいチョコレートの試作品

もっとも作るのはゆかり

トミーが持っていた怪しい睡眠剤がタップリ入っている

午後は、バレンタインでもないのにチョコ作りだった

もっとも、バレンタインでも、ゆかりはチョコレートなど作った経験は無かったので、調べながらで苦労はした

結局市販のチョコを溶かすだけだったが


ターゲットを眠らせるのに能力を使いたくなかったのが、そんな手間をかけた第一の理由だが、念には念をだ

いきなり正気の人間を眠らせるのはやはり難しい

前は、レイプしようと相手も躍起になっていた

少しでもぼーっとしてくれればそれでOKだ


トミーとログは、もちろんゆかりのやる事に口出すことはしない

間魅もしっかりゆかりの下僕にした上で、洗いざらい情報を喋らせる段取りだ


やって来た間魅が、隠れているゆかりに気づきもせず、チョコレートに飛びついたのには笑った

ちょっと苦いなとか言いながら、しっかり食べきり、15分もしないうちに目がうつろになっていた


聞いてはいたが、改めてこいつの姿を見てゾッとした

少なくとも外から見える部分、両腕と、顔は、この暑いのに包帯がグルグル巻きだった

チョコレートばかり食っているという割に細くて、背も身長165cmのゆかりよりは、だいぶ高いようだった


ソイツの素顔見てやろうぜ

というのが、こいつを眠らせた名目

大ヤケドの痕とかなら酷い悪趣味だが、ログに包帯を取らせてみたら、ゆかりの予想どおり、綺麗な顔、と言うより寝顔は童顔で可愛いくらいだった

半ば、格好付けでやってるんだろうという予想が当たった訳だが、それより、悪ぶるには童顔が恥ずかしいとかが理由だろうと考えたらおかしい

まぁ、間魅の顔がどうであれ、ゆかりはゆかりで自分の作業をするだけだったが



15分ほど頭をいじり倒し、疲れたゆかりは椅子に座ってうつらうつらしていたが、結局、間魅も目覚めたのは午後六時近かった


間魅の顔の包帯は、仲間になった記念に素顔をみせたことになってる

帰るときに自分で直すだろう

もっとも間魅はかなり気まずそうな顔はしていた


肝心の間魅の能力は、実に悪どいものだった



電話番号の分かっている奴のスマホの中味をハッキングする能力



そこで、奴の今までの趣味が生きてくる

奴はどうにかして関係者のフリをするなどして、アイドル事務所のプロダクションの社員などの電話番号などを聞き出して集めるのが趣味だった

ガードがゆるいところだと、まれに、タレント本人の電話番号が手に入ったり、ガードが固くてマネージャーの番号も聞き出せなくとも、デスクなり、誰でも関係者なりの電話番号なりを集めていた


もちろん、それでどうのこうの出来る訳では無いし、することも無かった

ただ、リストにして、ニヤニヤ眺めてるだけだった


だが、能力を得たら話は別だ

一人の電話番号から芋づる式に、他の電話番号を手に入れられる


そうして、間魅は一昨日から、タレントの電話番号リスト作りにこもりっきりだった


それぞれのタレントのスマホの中身を覗き見るのは、これからのお楽しみだった


甲斐唯香に関しては、さすがにリストアップしてなかったが、所属事務所を頼りにマネージャーらしき人物を突き止め、番号を押さえた


驚いたことに、甲斐唯香は、親しい人間が少ないらしく、メールは特定の二人に集中していた

一人はマネージャー

ほぼ、仕事の連絡のみ

最近のスケジュールらしきものは、明日の湘南でのイベントぐらいだった


もう一人、シズさんという登録名の人物とは、親しげな内容が多く、一昨日は、食事の待ち合わせ、昨日はどうも一日一緒にいたようでメールがなく、今日、昨日のことをそれらしく匂わせたメールと、出先かららしい報告メールがあった



もう一人の女はこいつだな


彼女の番号を辿ると、名前は岩谷靜保、どうやらTV局の関係者だ


しかし、このマミーの能力は凄い

個人情報をいくらでも集められる

さすがに、いっぺんに追っかけられるのはデータ量が多いほど疲れるらしく、岩谷靜保のスマホは情報量が多すぎたとのことで、途中で根を上げた


もっとも、知りたかったのは、ここ二、三日の情報が主だったので、そこで気になったメールの相手先は一人だけ


伸二という人物だけだった

少なくとも、おととい、昨日と、一緒に行動しているようだ


間違いないあの男はこいつだ


ゆかりは間魅に、知った情報はここ以外では絶対に出せなくなるよう認識させ、明日の作戦を練り始めた



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