冷静に状況をみてみよう
ふー
崩れ始めた世界が今静かになった
予定通り、静かに逆行している模様
もうちょっとじっくり自分の能力を確認したかったが、まぁ大丈夫そう。
少なくとも、周りの景色はきちんと目に飛び込んでくる。
時々、ノイズのようなものが出ているような気がするが、呼吸もできているみたいだし、
身体も普通に動かせそうだ。
何をするにも、いきなり、時空転移じゃなく、この緩衝時間を作ったのは、冷静に状況を判断するため
って、あぁ、しまった。
的確な状況判断能力ってのをお願いし忘れた。
やっぱり詰めが甘い。
まぁ、このゆっくり逆光時間でなんとかするべし。
しかし、だれか、相棒が欲しい気がするなぁ
こんなわけ分からない状況の中で、落ち着いて状況を確認してるような人がいいなぁ
う~む。みんななんか自分の事で精一杯そう
あそこに、しゃがみ込んで、お祈り捧げているような娘は、バリヤでも張ってるのかしら
不自然に、空間がゆがんでいるように見える
ん?
あの姿勢を低くして、周りの連中を観察しているような娘。
さっきのレポーターじゃないか。
カメラマンはうろたえてる感じだけど。
面白い。
あの子にしてみようか。
えーと、その前に
この自分の格好をなんとかしよう
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さて、今、あたしは、『洋服の赤坂』にいる
別に『洋服の赤坂』ファンなわけではない
単に駅の近くの洋服屋がそこだったから
なぜか
せっかくだから、これから若返る
あの、素晴らしき21歳に
お中元の倉庫番をしてたから、体力・腕力が絶好調
酔っ払った女子高生を、海辺から宿まで、抱えていけた体力
その後?
別に何もしなかったぞ
あまり、そそられるような子でもなかったしな
昔から女好きではあったが、片っ端から据え膳を喰うわけではないのだ
で、若くなるについて一つ問題
この出っ張った腹
体重にして15kg ウエストも10cm以上細かったはず
当然、今はいているジーンズじゃぶかぶかで、しまらない。
なので、なんでもいんだが、1着拝借しようっていうところ
もちろんあたしは聖人君子ではない
胸を張っていうところではないな
でも、実際はそんな大それたことはできないのだ
そういうわけで、倒れないのがフシギな角度の棚の間を、ズボンを探して歩いている
当然、緩やかな逆光時間の中だ
まずは、この逆光時間を維持しつつ、若返りたい年齢時間をイメージ。
洋服屋には姿見もあるから便利だし
どうだ
鏡に映った姿が、ちょっとピントが合わなくなったようにボケた
よし、何も問題なし。
こうして、俺はあの時の俺に戻った