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始末と不始末

「なぁ、カイコの能力ってさぁ」

「ふへ」

「そいつの能力が発動してからでないと、効かないかなぁ」

「はぁ、私もそれを考えてました」

「何、それじゃ、彼女がレイプされるのを待てっというの」

「うーん」

「それは、おかしいわ、少なくとも襲いかかった時点で、できるはずよ。そうよ、カイコならできるって」

「は、はい、シズさん頑張ります」

「それに伸二君」

「うん」

「君、他にも隠している能力あるわよね」

「ぐふっ」

痛いよ岩谷さん、あんた握力いくつよ


「いざという時は、それ使うよね」

「あ、あぁ」

いつの間にかペースを握られてるじゃないか


俺たちは、少し離れて、カップルの後をつけた

「あの、バカップル!」

「ふぅ、うらやましいですぅ」

お前ら、緊張感が足りねぇ~


しばらくすると、地下駐車場が見えてきた

どうやら、そこに入っていく


「ん?レイプ野郎の反応がある。あいつもあそこだ」

「急ごう」

しかし、まだ何も起きていないのに、いきなり飛び出すわけにはいかんだろう


「とにかく駐車場の入り口辺りで様子をみよう」

「ちゃんと、手遅れにならないようにしてよ」

「あぁ、でも、カップルの野郎の方が、たぶん先にやられるだろ?そこまでは、面倒みきれんぞ」

「まぁ、さっきの昼間のこと考えたら、ちょっと考えるわね」


「もっと奥かしら、ここからじゃ、何にも分からないわ」

「車の影に隠れながら、奥に行ってみるか」

カイコが何故か嬉しそうに、さっさと先に行く

どうにもキャラクターの読めない子だ

もっとも細いから、どんどん隙間を抜けていく

来ているジャージが若干緩いのは、まぁ、あれだ

よくズボンがずり落ちないが


「あれは、私の高校生の頃のジャージ。君、また失礼なこと考えてるでしょ」

えらく納得した顔をしたら、岩谷さんに思いっきりつねられた


しかし、いっこうに動きがない、車の中でいちゃいちゃでもしているんだろうか

一人なら、さっさと時間を進めたところに飛ぶんだが、三人だと、ひたすら待ちか


30分以上、経過したころだったろうか


ゴーン

ドサ

カランカラン


なんだ、ずっと奥の光、自販機か?そっちの方からだ


「康介?どうしたの?」

相方らしき女の子の声が聞こえる


「きゃ!」

更に悲鳴


カイコは?まずい、先走りすぎだ


「許しません!」

カイコの声が響く


バカ、まだ早い


車の影からマスクを付けているが、レイプ野郎に間違いない男が、カイコに向かった

カイコの能力は、発動している能力に対しての物だ

ただの暴力には無力だ


「待ちなさい!」

岩谷さんが、男に突進する


くそ、これでどうだ

「プラス五十歳!」


男がよろめいた、奴の年齢は今、81歳になったはず

元気な年寄りも多いが、自堕落な生活をしているような奴なら十分だろう


岩谷さんの正拳突き

えっ!

いや、そんなもんまで飛び出しますか

年寄りにも容赦ねぇな

レイプ野郎が一撃で崩れ落ちた

カイコは女の子の方に駆け寄っているようだ


俺?


いや、さっきの年齢操作の能力、けっこう来た

これ、思ったより精力使うよ

うかつに使えん


てて、腹が痛い

なんだ、ズボンがはち切れそう?

この贅肉まさか!


足はもつれるし、ズボンを緩めてへたり込む


現場を制圧した岩谷さんが、こちらへ歩いてきた


「ふーん、初めまして?違うわね、一度お会いしてるわ、あなたが島崎さんね」


やられた

全部バレた


----------------------------------------------


あたしはゼーゼーいいながら、へたり込んでる

こんなリバウンド聞いてないよ


あー、確かに時空転移自体の安全性の保証は願ったが、年齢操作に対しての予防はしていなかったかもしれない

元に戻るだけで済んでよかったのかも

年齢五十歳の操作は、相当、きつかったらしい


岩谷さんは面白そうな顔をして、あたしを覗き込む

「もう、レディにパンツ見せないでよ」

頼むよ、もう

おじさん、少し休ませて


レイプされかけてた女の子は、とっとと回復して、彼氏の元へ一目散らしい

カイコもこちらにやってきた


「お父さん!」

おい!

カイコが背中からいきなり抱きついてきた


「ちょ、ちょ、カイコ、違うでしょ」

「ふへぇ、お父さんにそっくりです」

お父さんの一言に、またヒットポイントを削られたが、可愛い子に抱きしめられてるんだと思い直したら、また回復してきた


「あなたパーティのメンバー表みたでしょ」

「へ?あぁ、知らないおじさんが入ってました」

「それがその人よ」

「はぁ?」

およ?ダボダボのジャージで気がつかなかったが、まさかこの子ノーブラ?

なんか、ぷにっとした感触が背中に・・・


「悪いこと考えてます!」

カイコが立ち上がって、あたしを糾弾した

「でしょ?そのおじさんが・・」

くそ、皆まで言わすか

気合いで戻るぞ


----------


二人に背中を向けて立ち上がってズボンを直す

「ひどい目にあった」

「「あっ」」

「あっ、じゃ、ねえよ、カイコ先走りやがって」

「ふへぇ、ごめんなさい」

「それでどうした」

俺は、カップルの方へ歩いた

岩谷さんがにやにやしながら俺をみてるから、こずいてやった

「ぐふふ」

まだ笑ってやがる


ひっくり返っていたレイプ男だった爺さんは、ずるずる引きずって、駐車場の隅の方に片付けた


殴られたらしい男の世話を焼く女性に声をかける

「大丈夫か?」

「あっ、ありがとうございます」

「礼は彼女達にな」

「うー」

男の方もうめきながらも、意識は戻ったようだ

「あの、さっきの男は」

女性の方が、気にかける

「ほっといて大丈夫、もう、悪いことはできないはず」



「あなた達、大丈夫だったら、今日はさっさと帰った方がいいわよ。変な奴が、たくさんいるから」

岩谷さんは、そう言いながら、女性の身仕舞いやらのケアをしてくれている


「あんた、しゃべれるかい」

問題はこの男だ

「あー、なんとか」

どうやら車に彼女を待たせて、自販機にジュースでも買いに行ったところを、後ろからやられたらしい


「それでさ、どうも、あんたの能力がちょっとヤバイらしいんだ」

「どういうことっすか」

「その能力、気をつけて使わないと、色々と狙われる可能性があるんだ」

「えっ、康介、たいへん!」

「良ければ、あんたの連絡先教えてくれ。こちらも教える。俺らは、まぁ、ボランティアみたいなもんなんだが、困ったことがあったら、自分一人で解決しないで、連絡してくれないか」

イキナリ襲われて、混乱もしてるからか、俺の適当な、説明にうなずいてくれている


「とにかく、無闇に自分の能力を使わないように気をつけてな」

「康介のことは、私も守ります」

どうも、彼女の方が、だいぶ年上のようだ

「そうだね、彼は、あなたのことしか見てないしね」

顔をあからめる彼女


連絡先を交換して、俺らは、その場を離れた


-------


「伸二くん?」

ブスッとして先を歩く俺に岩谷さんが声をかける

「まさか、全部チャラにしようとか考えてないよね」

「・・・」

「君さ、あっ、君とか言わない方がいいか」

「今まで通りでいいよ」

「三人は、パーティです」

「そうだな、ありがと、カイコ」

「えーと、で伸二くん?」

「うん、戻ろうか」

変わったはずの未来を見るため、公園に飛んだ


・・・


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