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謎の人妻 鼎静佳(かなえしずか)

階段をガタガタ降りて来た女は、靴を脱ぎ散らかして、俺に突進して来た。


「もう、せんせーったら、何年待ったと思ってるんですか。21世紀入って、何年経ったか知ってます?」


いや、それくらい知ってるが


「あれ、せんせー、ズルイーーーーー、、、、

そんなぁ、わかがえってるよぉーーー」


あの、で、あなたはどなた?


「あれぇ?あれぇ?

やっぱり若すぎるよぉ~、もしかして、息子?隠し子?せんせー、ひどいですーーー。」


とにかく、落ち着こうや

靴だか、ツッカケだかも、下駄箱に入れてね


彼女の名前は、(かなえ)静佳。探偵の自称助手らしい。

シズカねぇ、また、シズか、それにしちゃ二人ともやかましい(笑)。お父さんの苦い顔が想像できる。


「まったく、せんせーは、あたしというものが、ありながら、こんな大きな子がいたなんて…」

なんかブツブツ言ってるが、チョッと待て、俺はこの女に手を出したのか?

俺の理想は、もの静かで、控えめで、ついでに胸もちっぱいで、か弱そうな子だぞ。


断じて、胸を揺すって突進してくるような子ではない。妄想と聞き流すべし。


一方的にしゃべるのを、うまいこと誘導していくと、どうも、俺がこの事務所を入手して、割とすぐに、探偵事務所を始めていたらしい。まぁ、絶対にあり得ないという話しでもない。


それで、2000年の12月になった時、

「よーし、来月から21世紀だ。ぼくは旅にでるぞ!」

と宣言して、それっきりらしい。

うーん、俺のような、そうでないような。


その時の俺は、外見30台くらいだったらしい。鼎さんが、最初にここに出入りし始めたのは、まだ、高校生の頃だったそうだ。自称だけど。


そうすると、今、30台後半くらいか


「何、なんか今、計算しなかった?」

「いやぁ、給料とかどうしてたのかと思って」

「それがね、月5万円だけは、ずっと振り込まれてるの」

チョロい


「あっ、イキナリ止めたりしないよね、けっこう助かってるんだ。ちゃんと時々来て、掃除もしてるし」

少なくとも、外の目張りの犯人は分かった


「ところで、鼎さん、時間は大丈夫なの?」

俺もまだ用事があるのだ。

「あっ、いけない、保育園迎えに行かないと、」


なんですとーーー

さっきまでの、耐えて待っている女のフリは、いったい


「お子さんが、いるんですか」

「ウフフ、君のイ・モ・ウ・ト」

ってか、俺の娘?

いや、15年前に失踪してて、保育園児はないだろ


「あの、スミマセンが、とっととお帰りいただいて結構ですが」

「もう、冷たい、そういうとこ、せんせーとソックリよ」

彼女の中では、息子確定らしい

「あたしもね、女なのよ、それでもね、10年はね、、、」

「えーっと、ご主人は?」

「そんなの、内緒に決まってるでしょ!」

へ、そういうもんか?


「そうだ、まだ君の名前聞いてないじゃない」

ん、どうしよう。正直に言ってもなぁ

「待って、当ててみる。どうせ、せんせーなら適当に付けるに決まってるし」

彼女の前で、俺はどんなキャラクターを演じてたんだ


「シンジ君!アタリ?当たったでしょ」

「えっ」

さすがに予想していない展開。

「伸一の息子だから、伸二、せんせーらしい、、、でも、やっぱり隠し子だったのねぇ」

俺はかなり混乱してるが、彼女はそれで納得しているらしい


「あっ、行かなきゃ、取りあえず、これ私の携帯番号ね」

おや、連絡先残すとか、意外としっかりしてるんだ


「あの、いつもどの位の間隔で来てるんですか?」

「えっ、毎日、あたしに会いたいの」

そうじゃないです。


「そんな顔を、美女の前でするもんじゃないわ。悪いとこばかり、せんせーに似るのね。」

「いや、あの」

「最初の頃は、毎日、それが一週間に一回位になって、最近は一ヶ月に、、、あっ、お願いだから、振り込み止めないでよ!一週間に一回なら、無理すれば来れるから」

いや、無理しなくていいです。


「大丈夫、振り込みは今まで通り続けますし、一ヶ月に一回、顔をだしてくれれば、十分です」

鼎さんは、チョッと恨めしそうな顔をする。

そもそも、どっからどこに振り込んでるのかも知らないし、多分、お金は有り余ってるはずだ。


「イケナイ、、、肝心なこと、で、せんせーはどうなったの」

お金の心配の方が、優先だったらしい

「それは、まだちょっと、そうそう、最後にひとつ聞きたいことがあるんですが」

「えっ、ナニナニ」

こんなに、簡単にはぐらかされて、この人大丈夫なんだろうか


「もし、今、何かひとつ、超能力というか、魔法というか、そんなものが使えるとしたら、どんな能力が、欲しいですか」

「えー、なんかそんな話、聞いたことがあるぅ、うー、今はね、小さい子がいると、スグに熱出したりね、怪我とか心配が多いから、、、そうねぇ」

「あっ、そしたら、触ると、その人の怪我とか病気とか、全部治るってのは、どうですか?」

「あぁ、それって、凄い」

「でもね、それで代わりにあなたが病気になってもつまらないですよね」


実際、うっかり治癒能力を願うと、そうなることだって、ありえるのだ

「あーん、そんなの駄目よ」

「そうだなぁ、じゃぁ、こう言って祈るといい。

『病気の人や怪我の人に私が触れると、全快して、私も、その人が元気になったのと同じだけ元気になる能力が欲しい』」

多分、これで大丈夫、条件づけで、他の人ともバッティングしない。


『病気や怪我の人に触ると、みんな治って、私も一緒に元気になれますように』

「って、これで良いのよね」

えーっと、だいたいあってるから、大丈夫か、ちょっと心配だが


「それじゃ、また来るね、今日はありがと」

ガタガタと出て行く彼女


別にパーティ組んで、迷宮にもぐるわけではないのだが、これで、治療師が、手に入った。



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