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タイムパラドックス

ようやく次回からスパルンが活躍できます。

スパルタ近づけないように、結界張ってあるんじゃないかってくらい遠かったです。

でもダークバーニングファイティングファイターのおかげで結界突破できました。

スパルタファンのみなさんあと一息です。

あ、あとピュロスですが顔紅くしてもじもじしてます。

コリーダは頬を膨らませてます。

・・・アーシアは空き時間にコリーダに髪飾作ってました。

そしたらピュロスと姫が膨れて結局3個作ることになりました。

 コリントスの桟橋には今一番いてほしい人が見えた。

 「師匠!!」

 船の接岸を待たず、ボートで先に乗り込んだ俺を師匠は笑いながら迎えてくれた。

 「おう、アリキポス商会だっけ、会頭頼まれたからきてやったぜ。」

 「師匠ー!」

 俺は感激でもう半分以上涙目になっていた。

 「師匠、俺……」

 「なんだ、やけに師匠を連呼するな・・・具合でも悪いのか?」

 「俺、好きな女を守ります。そのためなら未来を変える覚悟もできました。」


……


 その言葉を聞くと師匠はくるりと背を向け、天を仰いだ。

 「くっ……」

 体は小刻みに震え、何かに耐えているようだ。


 徐々に震えは大きくなっていたが、突然ぴたりと止まった。




 「クッセーーーー(爆)」


 そのまま腹を抱え大爆笑している。

 息が……息が、とか言ってる……あの……人の真剣な気持ちを……。


 「おい、ヒィヒィ、あのババアには、ハァハァ、言ってないよな、クック?」

 「?、言ってません」

 「よかったな。三十年はそのネタで遊ばれてたぞ。ハハハ」

 「しーしょうー」

 「誰がババアじゃ」


 ぴたりと師匠の動きが止まった。

 目の焦点が俺の後ろの白い人影に合っていく。

 「げ、ババア?」

 「よぉ、エロ坊主、元気そうじゃな?」


 師匠は突然俺の肩を抱え込むと耳打ちしてきた。


 「なんで、あのババアがいるんだよ?」

 「いや、来たいっていうんで、仕方なく……師匠なら断れます?」

 「……」

 師匠はくるりと彼女の方を向くと

 「アレティア嬢、久しぶりです。私はこれから弟子と相談がありますので失礼させてもらいます」

 「さよか、ならは残った二人とエフィソスの頃の話でもしておくかの……」


 そのまま師匠は俺の肩を抱え込んだままダッシュした。


 「アーシア、あーいう危険物は先に教えてもらわんと対処できんぞ」

 ダッシュした先は新しく取得した工房らしかった。

 「さすがにいるのを知らない人には無理です」

 こっちは師匠が来るのは聞いていない……教えられないのは当たり前である。

 「まあ、そうだがな」

 「でも師匠さっきの態度は……」

 「ん、なにか変だったか?てっきり次は俺の右手の黄龍を解放してください。とでもいうかと思ったぞ」

 「ししょうーー」

 「じゃあ、もう一回あのセリフ言えるか?」

 「えーと……」


確かにテンション平常だとさっきのセリフは恥ずかしい……


 「まあな、まず、未来を変えるという概念がおかしいんだよ」

 「未来は変えられないのですか?」

 「いや、未来は不確定だから変えようがない。影響を与えた結果が反映されるだけだ」

 「でも、おれは未来から来た記憶があります。これは……」

 「関係ないんだけどな……うーん、集合意識論から説明しないと無理か」


 集合意識論、それはこの世界の認識の仕方にかかわる原則である。

 まず人間の意識はシャボン玉みたいなもので、その内側が自己という存在になる。

 このシャボン玉は単体でいると、はじけて消える。他の泡とくっついていると安定して長持ちする。

 そうやって洗濯の時の泡のように、たくさんの泡がくっついた状態が人間がこの世界を認識している状態である。

 その中で泡が割れても他の泡と交じり合い、新しい形の泡になる。お互いに影響しあい世界という巨大な泡山を築いている。

 いくらその中の1個の泡が周囲を変えようとしても、変える過程で変えられていくので単独の意識というのは存在しない。

 いくら未来の泡山の形状を知っていても中に入った泡がそれを目指すことは不可能である。

 それが可能なのは泡の外側の存在であり、人ではない意識になると思われる。


 「と、まあ、そんなとこだ」

 「……師匠……だとすると、俺はどこから来たんでしょう……」

 「うーん、推測はしてるんだがな。まあ確定はしてないからわかったら教える。とりあえず好きなことをして大丈夫だ。」

 「好きなことって……例えば東山家の先祖を殺すとかしてもいいんですか?」

 「ん?恨みでもあるのか?なるべく法にのっとって殺せよ」

 「そうじゃなくて、自分の先祖を殺したら未来に自分が生まれないじゃないですか!」

 「そうだな、生まれないな。なにか問題あるのか?」

 「だから、その時、誰が先祖を殺すんですか!」

 「お前だろ?……意味が解らないな。」

 「あー、パラドックスってわかります?」

 「ああ、そういう意味か……そんな古典的な詐欺にひっかかってたのか?アキレスと亀と同じだろ。」

 「はい?」

 「その詐欺はな。観測者が一定じゃないから起きるんだよ。」


 ?


 まず状況を整理された。


 先祖観点;誰かに殺されれた。遺族から見ても同じ、遺族がいなくても同じ。殺された後、彼がいない世界が広がる。


 自分観点:ある地点から過去に行って先祖を殺した。その後先祖のいない世界が観測される。この時点で先祖観点に同調。


 未來観点:生まれてからある地点で自分が過去に消える。その後自分のいない未来が続くだけ。先祖観点には接触しない。


 タイムパラドックスは、過去に戻ったあとの「先祖観点」で、自分の生まれてからある地点までを想像することで成立している。何かの影響があれば「未來観点」の自分がすでに知っているはずである。


 「まるで二つの事象が並立してるみたいですよ。」

 「なにを当たり前のことを言ってる?事象は川の水のごとく上流から下流へ流れる、遠見では一見同じに見えても、同じ水は存在しない。」


 ……えーと……


 「まあ魚が空を飛んで下流に行かない限りは、その魚は自分の周りの水と暮らすということだ。」


 ……なんかよくわかんなくなった……


 「えーと、ごまかされた気もしますが……つまり。」

 

 「好きにやれということだ。あとあのセリフは臭かった」

 そういうと師匠はひとしきり笑い続けた。


 幸い、その夜には姫様がかたきを取ってくれた。


 それと、姫様は俺はからかう気はないといってくれた。

 「こんなかわいい服と、小物を作ってくれるアーシアをからかうわけないじゃない。」

……服とアクセサリーは最終兵器のようだ。


 そして馬が到着するまで、武具と道具を製造し到着後は鐙を用いた訓練をした。

 (クエスト:鐙の装着完了:特殊技能(乗馬)Dランクから専門技能(馬術)Dランクに昇格します。)

 皆、鐙を用いると馬上で弓や長武器が使えることに驚いていた。

 「へー、こんな簡単なものがねー」

 とは師匠の談だ。

 むろん最高の軍事機密にしている。

 二週間ほど訓練し、あとは行軍しながらの訓練になった。


 そして行軍三日、二月十三日にスパルタとアルゴスの対峙する戦場が見えてきた。



=アーシアのスキル一覧表=

汎用知識(ギリシャ地域)

一般技能(鑑定)

一般技能(知識・メイド)

一般知識(公衆衛生)

専門技能(薬学)ランクE

専門技能(馬術)ランクD

特殊技能(尋問)ランクD

特殊技能(神学)ランクF

特殊技能(神聖文字)ランクF

特殊技能(法学)ランクF

特殊技能(料理)ランクD

特殊技能(詐欺)ランクE

特殊技能(弁論)ランクF

特殊技能(取引)ランクE

特殊技能(魔術)ランクB

特殊技能(演劇)ランクC

特殊技能(服飾)ランクD

特殊技能(知識・船舶)ランクE

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