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この当時は騎馬といえばトラキア、スキタイ、ナミヴィアあたりが有名どころです。

後のローマ帝国でもケルト、ゲルマンの前は騎兵の主力はこの地域だったようです。

アハルテケって馬が出したいんですけどリヴィア原産なんで今回は無理ですねー

出てくる馬の種類は次回をお楽しみにって・・・・スパルタ遠いです・・・はー

 仔猫ホルスを姫に預けたままで、ピュロスとコリーダの合流を待つことにした。

 その間に、すぐにどうこうできるわけではないが、今後の予定を考える。

 神殿の資料室に入ると古地図を引っ張り出して広げる。

 結構たくさんあるな、さすがデルフォイのアポロ神殿。

 姫もホルスと一緒に資料室にきている。

 ホルス地図に粗相だけはやめてくれよ……


 まずやらなくてはならないのが馬の手配である。

 五十頭以上の馬……総額2万ドラクマ以上……すごい金額だがそれ以上に数を集めるのがしんどい。

 金は南航路一往復のあがりが3タラントン(18000ドラクマ)くらいは行きそうなので、気にしないことにした。


 馬の産地は一番近いところはマケドニア、その後の輸送も考えるとトラキアぐらいかと思っていたが、ペルシアのダレイオス一世と戦って退却させたスキタイも有力な候補になる。

 もっともスキタイは黒海の奥なので結構遠いのだが……

 あとはアフリカ、ナイル川付近のナミヴィアとリヴィアが騎兵では有名なのだが……ナミヴィアは冬の間は地中海横断ができない。そしてリヴィアはペルシア領だ。

 冬の間にアルゴス軍を破らないといけないとなると。春まで待つナミヴィア・リヴィアは除外される。


 「やっぱ無難なのはマケドニアかなー」

 神殿にあった古地図を見ながら考えていると、ピュロスとコリーダが到着した。

 「アーシア様、荷揚げと乗客の下船が終わりました」

 「ご主人様、無事?」

 「無事だ。ごくろうさま」

 二人は資料室に入ってくると、すぐに姫のことに気付いた。

 「それで?あの方はなぜアーシア様の猫と遊んでいるのでしょう?」

 「あー、それがついていくといっている」

 「ついていくですか?」

 ピュロスは不満げな表情である。

 ところがコリーダは不安げな表情になっている。

 「どうしたコリーダ?」

 「あの方を連れていくには警備体制が不安です」

 「知っているのか?」

 「はい、王族ということは聞いています」

 ピュロスは驚いている。

 なるほど警備関係はコリーダの管掌だったからか。

 「仕方がない、サルピズマ(トランプ)のフタリ(スペード)は彼女の直轄にして、俺はジョーカーに徹しよう」

 「Jokerですか?」

 「ああ、役割はあとで話すが、最強の何でも屋みたいなものだ。」

 この間、姫様は全く話を聞いていないようだ、夢中でホルスと遊んでいる。


 「……お前たちに相談がある」

 「はい何でしょう、アーシア様」

 「騎乗用の馬を集めたいがどこがいいと思う」

 「ここだと、北のラリッサですね。5日ほどで行けて馬市が立つと聞いています」

 「サルピズマ全員分だ」

 「さすがにそれは……」


 数を聞いてこまるピュロス……当たり前なのである……下手な小国より多い数を集めようとしてるのだから。

 突然、姫様が声を上げた。

 「アーシア、今話がついたよ。タレントから馬六〇頭送れる。代価はアーシアの料理のレシピ集でいいって」

 「は……い?」

 「今のアレティア妃に連絡したんだよ。誉めてね」

 えーと・・・なに?

 姫様の話は吹っ飛んでいて、よくわからなかったが、そのあと詳しい説明を聞いて、さらに驚かせられた。

 アレティア姫は現在アレティアと名乗る一族の者に対し意識干渉できるらしい。

 アレティア姫の言葉を信じるなら脳の一部分を共振させることで、世界中のどこでも選んだアレティアと話ができるそうだ。姫様は最上位情報体になっているので他の下位の情報体を読み取ることはたやすいとか……つまり記憶がのぞけるそうである、逆は無理らしい。プライバシーもへったくれもないな、この人。


 「今のアレティア妃ってヘラクレイトスがティア姉ちゃんって呼んでた人なんだよ。昔エフィソスに留学してた時に恋文ラブレターもらったの。もう五〇年近い前なんだけどね」

 「アレティア妃って王族でしょ。師匠が知り合う機会があったんですか?」

 「あったよ。ヘラちゃんも王族だったし、縁談もあったんじゃないかな?」

 「はあぁーー!師匠が王族ーーーー!」

 王族大暴落である。


 とはいえ幼少のみぎりの間違ラブレターいを六〇にして読み上げられたら、俺も恥ずかしくて死んでしまうであろう……


 「彼女もヘラちゃんの弟子なら協力は惜しまないって、よかったね、アーシア」


 師匠……あなたは偉大だ……この姫君と二〇年以上付き合う、その時点で英雄の名がふさわしい。


 「ともあれ馬はコリントスに運ばせるね、だいたいひと月かかるって」

 「ありがとうございます。姫様」

 「やーねぇ、ティアでいいわよ」

 なぜかピュロスがピクリとした。

 「ティアですか……一緒に来るなら姫とも呼べないですね……いっそ偽名にしましょう、レイチェルでどうですか?」

 「レイチェル、いいじゃない。じゃあ私はこれからレイチェルで」

 「ええ、よろしくレイチェル」

 その言葉をきいてピュロスの肩が下がった……なぜ緊張してたんだろうか?


 「それでご主人様、馬を何に使うのか教えてほしいんだけど」

 ああ、そうか。

 「クレイステネスさんと相談した結果だ。騎馬隊を作る。彼からの許可はもらった」

 「騎馬隊を作るのにクレイステネス様の許可がいるのでしょうか、アーシア様?」

 当たり前ではあるが普通なら許可はいらない……ただ今回は外交を含めて大事になる可能性がある。


 「作るのは騎馬隊でも中華の騎馬隊だ。五〇騎でも一〇〇〇人を相手にできるようになるぞ」


 キーワードはあぶみだ。


=アーシアのスキル一覧表=

汎用知識(ギリシャ地域)

一般技能(鑑定)

一般技能(知識・メイド)

一般知識(公衆衛生)

専門技能(薬学)ランクE

特殊技能(尋問)ランクD

特殊技能(神学)ランクF

特殊技能(神聖文字)ランクF

特殊技能(法学)ランクF

特殊技能(料理)ランクD

特殊技能(詐欺)ランクE

特殊技能(弁論)ランクF

特殊技能(取引)ランクE

特殊技能(魔術)ランクB

特殊技能(乗馬)ランクD

特殊技能(演劇)ランクC

特殊技能(服飾)ランクE

特殊技能(知識・船舶)ランクE

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