表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/94

処女航海

はーい、遅刻しました。申し訳ございません。

若干詰め込みがきつかったんで・・・修正してたら・・・0:00あ、でした

とりあえず第2章アテナイ編終了です。

第3章スパルタ編は12/6から開始予定にしてます。

ちょっと間が空きますが見捨てないでねー。

そうそう書き忘れるところでした。第3部のテーマは奴隷ヘロットです。

 「ということで、クレイステネスさん、イオニア号を豪華客船にしましょう。」

 「……なあ、アーシア、「ということで」の使い方知ってるか?」


 師匠と別れとんぼ返りでピレウスに戻る。

 まず頼み込んだのがクレイステネスさんに、輸送船イオニアを改造して客船にすることである。

 コンセプトは「香り」

 アンモニア臭がしない空間を作ることで、香りそのものを楽しめる空間を作り出す。

 いったんこれに慣れさえすれば、アテナイに戻った時に臭気が気になるはず・・・

 たとえ半日で忘れるとしても、気づくチャンスが与えられる。


 「そうはいっても、乗る人間がいるかね?」

 「大丈夫です。船旅の醍醐味は食事と娯楽!」

 「ん、食事はいいが娯楽ってなんだ?」

 「賭博場カジノです」


 カジノを運営する。

 一見危なそうに見えるがそこはチップの単位を下げることで子供向けゲームコーナーと同じ感覚に下げることができる。

 「チップは鉄貨のオボロス貨を使います」

 「ふむ」

 「両替の料率はデルフォイと同じにします。1ドラクマで5オボロスです」

 船内の通貨を鉄貨に統一し、ゲームとしてすごろくや的当てを用意して、座の盛り上げのためにヘタイラを乗船させておけば、娯楽は十分成立すると思う。

 もちろんヘタイラは別料金オプションで!

 「そのうえで船にはいろいろ仕掛けをします」


 まず乗船した時から財布のひもを緩めるために別世界を演出する。

 某東京近郊リゾートと同じ考えだ。

 「従業員はキトンではなく専用の制服を準備します」

 制服として考えているのがメイド服……エプロンドレスとカチューシャの組み合わせ……ドロワーズも作るつもりだが……である。

 明らかな日常から逸脱した空間で、快適な生活を提供する。

 その中に香りの楽しみを入れる。

 香木、ポプリ、切り花・・・これらをあつらえて、アテナイの空気とは違う空間を感じさせる。

 そして、大事なのがトイレだ。

 客室ごとにトイレを配備する。<ここ重要>……そのまま海面に落下……匂いが残らないようにする。

 そのうえで複数のポリスを結ぶ航路を作る。

 観光という概念はまだないが、帆待ちと呼ばれる手荷物での貿易や商談・外交での移動は十分に見込める。

 カジノのチップはデルフォイで食事代にそのまま使える。

 これで鉄貨に通貨価値を与えることができる。


 やがて、ポリス間の緊張が下がれば観光ということもできるようになるかもしれない。


 航路は基本的には2航路を就航させる。

 エルトリア→アテナイ→メガラ→コリントス→アルゴスを往復するの南航路

 コリントス→デルフォイ→パトラを周回する北航路

 コリントスは地峡で一番狭いところにあり、交通の要衝であり、ここで船を乗り換える必要がある。

 (さもないとペロポネソス半島1周しないとデルフォイまで行けず効率がさがる)

 当面北航路は、デルフォイとの直通便(トイレ付)を仕立てることで間に合わせる。

 

 「そのうち軌道に乗って来たら2隻目を仕立てたいですね」


 もともとデルフォイには神託と音楽祭ピュティアが8年ごとに開かれる。

 その開催は2年後だ。この客もあてこめる。

 その次の10年後のピュティア祭からは体育競技も加えられ、4年ごとの開催になる。

 もうオリンピックに並ぶ大競技会だ。


 それを考えるとコリントスでのイストミア祭(10年後から開始、以後2年毎)も発生するはずだからちょうどいいのかな。


 「まあ、確かに損はしなさそうだから、改装してもいいかな」

 「後は警備員と従業員ですね」


 サンチョの古なじみの他にも増員して50名程度にすることで治安と海賊対策にするくらいだが……こっちはクレイステネスさんに依頼まるなげした。

 従業員については職務上乗客の機密が含まれることから奴隷にせざるを得なかった。これもクレイステネスさんに頼む。


 そのまま今度はミルティアデスさんのもとを訪れる。

 幸い、すぐにあってもらうことができた。

 「アテナイにアポロンの音楽堂を建立したいのですがに力を貸してもらえませんか?」

 「音楽堂?」

 「ええ、民会が開かれる際に提案と私を民会で紹介してほしいのです」

 「それは構いませんが……アテナイではすでにあなたは有名人です。わざわざ私に頼まなくても旗持ちにでも依頼すればいいのでは?」

 やはり昨晩の件が尾を引いているのか、ミルティアデスは仏頂面で返答してきた。

 「その場でデルフォイでの神託をアテナイ市民に伝えようと思っています」

 「それは、例の?」

 「ええ、ペルシアとの戦争はポリスが勝つという部分だけですが」

 「……なるほど」

 「ですので、戦勝を祈願して、音楽堂を立てていただきたいのです」

 「そういうことなら、話に乗りましょう」


ミルティアデスと話を詰めていったが本来の目的は下水である。……幸いエリダヌス川が市場アゴラのすぐ北を通っているので、そこから水を引き込み市場中央に音楽堂を建立し、その地下を通らせる。音楽堂には水洗トイレを設置し、下水はイリソス川下流へ流れるようにした。


もともとがほとんど水のない川なので下水を流しても水質汚染にならないですむのである。


同時に水を分岐させ噴水を作り出す。

これは噴水というか噴出口というか……サイフォンの原理で上まで上げた水を下に吐き出すだけの仕掛けである。

なんに使うかといえば……音楽堂周辺の水洗である。

これを無駄な努力にしないためにも……ペルシアとの戦勝祈願の一角と、銘打って奉仕作業に加えてもらう。

慣習になれば……少しは……トイレ普及の役に立つと思いたい。


 この辺はミルティアデスと現アルコンのテミストクレスが次回の民会で尽力してくれる約束を取り付けることができた。


 そして一月後、俺は毎日チクチクと針仕事をしていた成果を見て感動していた。

 (なお縫い針はメイドインチャイナである。)


 ハウスキーパーが2着、ハウスメイドが10着、パーラーメイドが6着・・・えーと、俺ってすごい?

 (クエスト:服仕立完了・・・特殊技能(服飾)ランクDに昇格します)

 これをクレイステネスさんに用意してもらった従業員に着てもらったのである。

 ハウスキーパーはピュロスに頼んだ。彼女が女性陣を指揮することになる。

 コリーダは常時警護役ということでメイド服は着てない。そのうちチャイナドレスでも作ろう。


 男性陣はサンチョを執事に仕立てた。その下に52人の護衛兵・・・うち10人が中華での奴婢の仲間である。

 指揮の都合もあるのでサンチョに関しては解放奴隷とした。

 本人も喜んで受けてくれた。

 まあ、サンチョがほとんど船の中にいて、問題が起きそうにないのでできた措置ではある。

 おかげでクレイステネスさんが気分よく2隻目を竣工してくれた。


 そして客船イオニアの処女航海、今回のみパンドラさんがスペシャルゲストで乗り込んでくれることになった。

 ヘタイラも10人乗り込み、目指すはエルトリアである。

 一航海、50ドラクマ~という高額にもかかわらず、チケットは即売した。

 今回はパンドラさんの生歌つきが大きかったようだ。

 次回はテミストクレスさんとこのセゾンテトラコレスや、うちのピュロスなどのゲスト配置も考えてみてもいいかと思う。


 そして肝心な自分の立場をどこに置くか?なんだが……


 現在の立場はデルフォイの巫女兼、船内レストラン「イオニアの恋人」の店長兼、アテナイアポロ音楽堂主幹となっている……なげーよ

 音楽堂に関しては民会の承認は取れたが、まだ建設中である。


 ということで巫女兼店長で通しているのだが……ほんとにペルシア戦争、大丈夫だろうか……こっちが安定したらスパルタにいかないと……あ、デルフォイに報告に行くのが先か。

 あっちもこっちもまだまだいろいろ起きそうである。

=アーシアのスキル一覧表=

汎用知識(ギリシャ地域)

一般技能(鑑定)

一般技能(知識・メイド)

一般知識(公衆衛生)

専門技能(薬学)ランクE

特殊技能(尋問)ランクD

特殊技能(神学)ランクF

特殊技能(神聖文字)ランクF

特殊技能(法学)ランクF

特殊技能(料理)ランクD

特殊技能(詐欺)ランクF

特殊技能(弁論)ランクF

特殊技能(取引)ランクE

特殊技能(魔術)ランクB

特殊技能(乗馬)ランクD

特殊技能(演劇)ランクD

特殊技能(服飾)ランクE

特殊技能(知識・船舶)ランクF

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ