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ミルティアデス

うー頭痛い

昼にワイン飲みすぎて頭痛です。

ピレウスの紹介は次回で・・・すみませぬ

 夜ということもあり、キトンの上にヒマティオンと呼ばれる毛織物の外套をつけさせられた。


 何か模様が入っていて結構派手である。


 家を出るとすぐに馬を引いたサンチョがやってきた。


 「クレイステネス様からアーシア様は騎乗で向かわれるようお願いされました」

 「わかった」

 そのままサンチョの手を借りて馬上の人となる。


 「ピュロスは留守を頼む。サンチョとコリーダは護衛だ。一緒にきてくれ」

「「はい」」


 すぐに管理棟から人が出てきた。

 「おーアーシア、ミルん家までたのまぁー」


 あ、クレイステネスさんはこっちのモードか。

 「コリーダ、アポロン神殿の旗はあるか?」

 「今もってきます。」

 そういうと宿舎に飛び込み、すぐさま一昨日使っていた三角旗を持ってきた


 「コリーダ先頭で旗を頼む。サンチョはクレイステネスさんの横に」

 そういってクレイステネスさんに目配せする。

 彼からOKの頷きが返ってきた。


 「出発するぞー」

 そういうと彼は馬の右に並んで歩き始めた。

 「あいつんちはピレウス港にある。エンポリウムの横だ」

 「エンポリウム?」

 「あー、貿易用の市場だ。去年まで黒海のポリス、ケルソネソスに住んでた。アテナイ来た時にゃあケルソネサスの僭主扱いだったぞ」

……それで紹介状にはケルソネサスのミルティアデス書いてあったのか。

 「民会で将軍に選ばれている。実績もあるしな」


 ピレウス港までは南西に10km、約2時間かけての移動だ。

 当然護衛がついている。全員が松明をもって周囲にぐるりと配置されている。


 「そういえば、ヘラクレイトスとの話は終わったのかい?」

 「ええ、昨晩。そうそう、ありがとうございました。ホルスには助けられました」

 「ああ、役に立って幸い、まあ気にすんな。ヘラクレイトスも楽しそうだったし」

 「楽しそう?ですか」

 「ああ、楽しんでた。それはまちげぇねぇ」


 広い道を、比較的速足で進んでいる上に周囲はどんどん暗くなる。

 デルフォイにいたころだったら恐ろしく怖かったであろうが、幸い空間把握能力があの時の比でない。

 周囲、数十メートル程度なら潜んでいる大型生物や人ぐらいなら把握できるようになっていた。

 その感覚は今のところ松明を避けて逃げていく狐ぐらいしか感知しなかった。

 「さまになってきたねぇ」

 「さまに……ですか?」

 騎乗した俺の様子をクレイステネスさんがそう評する。

 「ああ、ミルティアデスも気に入るだろうよ。」

 (クエスト:遠駆達成 特殊技能(乗馬)ランクEに昇格します。)


 ピレウスの港が見えてきたときには真っ暗になっていたが、たぶん娼館だと思う建物の明かりが明々と街の周囲まで照らしていた。


 門をくぐった瞬間、遠くでも聞こえてきたが歌や音楽が大きく耳に飛び込んできた。

 「……なんというか。えらく派手ですね」

 「ああ、船乗りに女と酒はつきもんだし、金払いもいいからな。自然派手になる」

 俺の感想にクレイステネスさんが答えてくれた。


 「規模はカラメイコスの方が大きいが派手さと料金は圧倒的にこっちが上だな」

 「わかる気がします」

 「あっちだ」

 そういうと彼はさらに海に近い方に向かって歩いた。


 埠頭ディグマの方に向かっていくと大きな館が見えてきた。

 「あそこがあいつんちだ」

 そういうとクレイステネスさんは先頭をきって屋敷で声を上げた。


 「デルフォイの予言巫女アーシア様、来訪。取次ぎを求めます」 

 屋敷がバタバタと騒がしくなる。

 少し待つと足音を立てながら、キモンが先頭で飛び出してきた。

 「アーシアさん、いらっしゃい。どうぞ中へ」

 人懐っこい笑みを浮かべながら案内してくれた。


 「キモン、夜分遅く済まない。一刻も早く君の父上に会いたくてね」


 馬を降りて手綱をサンチョに渡すと歩いてキモンに近づく。


 「父もあなたに会いたいようでしたから、何の問題もありません」

 彼はそういうと手招くように館の中に入った。


 あれ?クレイステネスさんは?

 いつの間にかコリーダに代わって旗を持ってる?やりすぎじゃない?


 気にはなったがそのまま館の中に入った。


 「君がアーシア君か、キモンが世話になった」

 そう語るミルティアデスさんは偉丈夫という言葉がふさわしいおとこだった。

 「初めましてミルティアデス様、デルフォイで巫女をしているアーシアと申します。アイオス神官長から、紹介を受けてこちらに参りました」


 そういうとアイオス神官長から預かっていた紹介状を渡した。


 ミルティアデスはそれを読み、しばし考え込むと尋ねてきた。


 「アイオスからは君がペルシアと戦争になりヘレネスが勝利するという神託をしたとあるが……本当かね?」


 「それについて、詳しいことを話したくて来たのです。戦場になった場所、時間、そして戦法にいたるまで話しておこうときました。」


 「なぜ私なのかね?」


 「私が見た戦場ではあなたが将軍で指揮をとっていたからです。」


 「なるほど、納得できる内容ではあるな。信用するとは言えないが聞こう。」


 ちょっと待ってくれというと使用人に筆記具を用意するよう命令した。


 その間に俺の随行者を興味深そうに見ていた、そして旗を持つクレイステネスさんが映ったようだ。


 顔が一変し怒りに燃えた。


 「なにをしているアルクメオン家の狗!」


 ?……もしかして……


「あっしはアーシア様の旗持ちのクレさんです。どうぞ気にせずに」


「ぬけぬけと……アテナイに着いた瞬間ときの扱い、忘れたとでも思ったか!!」


 やっぱり……仲悪かったんだ……


 「いえいえ、あの裁判は茶番だったじゃないですか。現に無罪でしたし」


 「理屈はわかるが……お前が嫌いなことは変わらん!!」


 何の話??というかなんでこうなってるの?


=アーシアのスキル一覧表=

汎用知識(ギリシャ地域)

一般技能(鑑定)

一般技能(知識・メイド)

一般知識(公衆衛生)

専門技能(薬学)ランクE

特殊技能(尋問)ランクD

特殊技能(神学)ランクF

特殊技能(神聖文字)ランクF

特殊技能(法学)ランクF

特殊技能(料理)ランクD

特殊技能(詐欺)ランクF

特殊技能(弁論)ランクF

特殊技能(取引)ランクE

特殊技能(魔術)ランクB

特殊技能(乗馬)ランクE

特殊技能(演劇)ランクD

特殊技能(服飾)ランクE


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