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添寝

アテナイ編の最後の重要人物登場です。

これで主要メンバーは一通り出たのかな?

あとトランプの兵隊がで終われば終了ですね。

結構順調に進んでいます。皆さんの応援のおかげです。感謝です。


 徹夜明けのハイテンション、朝日と共に消え去りぬ。


 ということでトボトボとリカヴィトスの丘に向かい歩いていた。


 魔術が暴発しなくなった安堵感も、丘の麓の爆臭が拭い去り、今はただただ疲れているだけだ。

 ヘラクレイトス師匠はこのまま市場アゴラに行って寝るといって麓で別れた。

 ほんとに何でホームレスやってんだかはわからないが?

 まあいい、会いたければ市場に行けばいいだけだ。

 でも別れ際の師匠の一言が気になる。


 「アーシア、一人寝はさみしいから、しばらく気をつけろよ」


 すごい含みがあるセリフだなんだよね。

 どういう意味なんだろ?


 かなり足は重かったが午前九時ムジカには宿舎についた。

 家に入る前に三人とも飛び出して抱きついて出迎えてくれた。うれしい。

 もっともその時に変な顔をしてたので、服に臭いが染みついたのかもしれない。


 さっぱりしたいのもあってピュロスに体を拭いてもらった。

 もう全裸になるのに抵抗がない……わけではないが……臭いと眠気と倦怠感の三連コンボで正常に頭が働いてない。

 大量のミントの葉を入れたお湯で全身くまなく洗われていくと、隠れていた疲労もガッツリでてきた。

 そのままベットに倒れこむ。

 ベットの横では脱ぎ捨てたキトンを、サンチョが手早く折りたたんでいる。


 「おや?」

 サンチョの不思議そうな声が聞こえた。


 「どうした?」

 「なにか、透明な欠片が入っているのですが?」

 ああ石の塩か、あの後なんとなく、もって帰ってきたんだよね。


 「石の塩だな。なめるとしょっぱいらしいぞ」

 「石の塩・・・岩塩ではないのですね。なんでしょう?」

 「え?」

 「岩塩ならサイコロの形になるはずですから」

 そういえばそうか。なんだろ……まあいいか……後で考えよう……寝よ寝よ。


 目をつむって枕に頭をのせる。

 その瞬間、俺をとんでもない恐怖が襲った。

 なんといえばいいのだろうか……宇宙飛行士が宇宙遊泳をするとどこかに落ちていく感覚になるそうだが……それにちかい。


 空間把握が過剰に研ぎすまされている。

 ベットの上に他の誰もいないことがガッツリわかる。

 いや、サンチョが部屋を出た後は俺一人でいることがわかる。


 耳をふさいでも意味はない、音は皮膚でも感じることを教えられたばかりである。

 ベットがあるので下は分かるのだが、水平方向に滑ってすっ飛びそうだ。

 とんでもない孤独感が俺を襲ってくる。

(これか、師匠が言ってたのは……)


 このままだと、へたすると魔術で本当にすっ飛びだしそうだ。

 まずい、なにか、錨になりそうなものがいる。

 できれば、動いて、息が聞こえて、触るとあったかくて柔らかいものがいい。

 少しでも次元が多いもの!!


 「コリーダ!」

 目を開けると、さっきの孤独感は一瞬で消え去る。


 「なんでしょうか。ご主人様?」

 桶の水を捨てに行っていたらしいコリーダが慌てて入ってきた。


 「忙しいところ悪いが、添い寝役がほしい。一緒に寝て撫でたり触ったりされるやつが必要だ。」

 「あ・朝から……?」

 真っ赤な顔でコリーダが返答する。


 「しかたないだろ、夕べ徹夜なんだから」

 「いいえ、不満なわけじゃなくて……その……心の準備が……「急いでホルスを連れてきてくれ」……ってホルスぅ!」


 そう子猫ホルスが最適なのである……一緒にいて撫でて動いて、みんなの仕事の邪魔をしない。

 師匠が母猫イシスが大好きな理由が一発で理解できた。

 クレイステネスさん、まさかここまで読んでいたってことは……ないよね?


 不満そうな表情のコリーダがホルスを連れてきた後、指で耳を掻いてやるとゴロゴロいうホルス。

 彼が傍にいることで目をつぶっても孤独感につぶされることはなくなった。

 そして、いつしか眠りの中に入っていた。


 「アーシア様、アーシア様」

 俺をピュロスが呼んでいた。大分寝ていたようだ。室内が暗くなりかかっている。

 「お目覚めですか。クレイステネス様からご連絡が入りました。ミルティアデス様がご帰還になられたようです」

 おっと、そうか今日は帰ってくる日だったか。

 「クレイステネス様はすぐにペルシアの状況をうかがいに訪問なさるそうですが、アーシア様はどうするか尋ねられました」

 動きがはやいな。さすがクレイステネスさん。

 「わかった。よろしければ同行したいと伝えてくれ。サンチョ、連絡頼む。コリーダは護衛の準備。ピュロスは身支度を頼む」

 「「「かしこまりました」」」


 テキパキと動いていく三人、その中で俺だけがぼーっと突っ立ってピュロスのなすがままになっている。

さてと、どう話せばいいのか……ペルシア戦争前半戦、マラトンの戦いは二年後のはず、それまでに準備を整えさせないと。


=アーシアのスキル一覧表=

汎用知識(ギリシャ地域)

一般技能(鑑定)

一般技能(知識・メイド)

一般知識(公衆衛生)

専門技能(薬学)ランクE

特殊技能(尋問)ランクD

特殊技能(神学)ランクF

特殊技能(神聖文字)ランクF

特殊技能(法学)ランクF

特殊技能(料理)ランクD

特殊技能(詐欺)ランクF

特殊技能(弁論)ランクF

特殊技能(取引)ランクE

特殊技能(魔術)ランクB

特殊技能(乗馬)ランクF

特殊技能(演劇)ランクD

特殊技能(服飾)ランクE

今回は変動ありません。

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