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VIVA スパルタ

ええ、そうなんです。

スパルタは素晴らしいのですって、まじでリュクルゴスってすごいなーと思いました。

日本人ならアテナイよりスパルタの方が好きっぽいかも。

 巫女長の部屋から、自分の部屋までピュロスの肩を借りながら、よろよろと歩いた。

 時間的には午前十一時ニンフは過ぎていたし、正午メセンブリアには神官長との会食が待っている。

 そのままベッドに倒れこんで休んでいたら、ピュロスが肩のボルパイを外すと、そのままキトンの端をつかみ、足の方に向かってグイと引っ張った。


 キトンは服とはいえ所詮は筒である、当然、スルーっと蛇の脱皮のように剥かれてしまった。


 下着はつけてない。


 わぉ


 呆然として動けない状態の俺に、ピュロスは水の入った桶と布をもってきて体を拭き始めた。


 「神官長様との会食の前に汗と薬の匂いを抜いておきます」


 そういわれると、桶の水には水仙のエキスでも入っているのか、花の香りがした。


 「そこまでする必要があるんだ」


 ただの会食だと思っていただけに緊張してきた。

 

 「身支度はちゃんとした方がいいです。まずないとは思いますが・・・交際を申し込まれるかもしれません。身持ちは固くしておかないと」


 えーと、交際、身持ちって男だよね。


 まさかピュロスって実は腐女子、BL好きなの(笑)


 「これだけ、お綺麗なのですから、相当ガードを固めないと、言い寄られて大変なことになりますよ。」


 手早く全身の汗を拭い取っていく。……いかん、目が真剣だ。


 「神官長はプトレモスという十年来付き合っている同性の恋人がいますから、言い寄っては来ないとは思いますが……」


 ええええーーーまじ、BLですか。

 同性愛は磔の上で火あぶりなのではないかと思うのですが?


 宗教上の理由でとかいってにげ……フギャァー!!!まだキリスト教ない……


 やばい、なんか背筋に寒気が走った。

 俺のお尻が危険かもしれない。


 「真の恋愛は男性同士の間のものにあるって、アテナイの学者も言ってます」


 ……いや、やめて、


 「その学者ってだれ?」


 「ヒポクラテスです」


 おービックネーム!!


 「テーベの神聖隊ヒエロス・ロコスは恋人150組で作った300人隊ですがヘレネス最強部隊として有名ですよ」


 ……やめて、とどめを刺さないで。


 なんとなくわかってはいたんだ、あの商人といい、神官といい、やっぱそっちの人だったんだね。

 いや性差別はいけないのはわかってるけど、そっちを社会が強要してるってどうよ!


 「ちなみにスパルタはそんな暇があったら訓練しろ!そういうことは戦士を作るのに女とだけ最小限すればいいという考えが一般的です」


 ビバ、スパルタ!!おれ、スパルタ生まれでよかった。

 俺の市民権は絶対スパルタでとる。


 「でもアーシア様は性別問わずモテていますので、どこに行っても大変そうですね」


 クスリと笑ったピュロスは、最後に香油を頭に振るとマッサージを始めた。


 あれ、いつのまにか前後拭かれている。

 顔が遅れて真っ赤になる。

 全然気を使ってなかった。

 話していた内容がショッキングすぎる所為もあるけど……ほとんど拭かれていたという感触がない?


 「ピュロスって巫女長にも同じように体拭くの?」


 「ええ、お忙しい時だけですが、何か?」


 「いや上手だなと思って」


 「ありがとうございます。私は室内向き奴隷ですのでこのような奉仕は慣れています」


 「室内向き?」


 「ええ、だいたい想像はつきましたが……今までつけていたコリーダは護衛向きです。彼女は護衛や戦闘を主眼に育てられた珍しい奴隷です。本来、女性の貴人向けなのですが、聖域の警護には、ちょうどよいのでアレティア様がお呼びになったのです。」


 「それでか、手際が違ったのは」


 「お望みとあらば室内向けの奴隷に変えますが?」


 「いや、その必要はない。」


 まあ、体を拭くとかそんなことは、やってもらうと気恥ずかしいし、できれば自分でやりたい。

 コリーダとはだいぶ打ち解けてきた。

 それに新しい娘とうまくいくとも限らないしね。


 でも体を拭いてもらったら大分すっきりした、何とか普通に食事ができそうだ。

 キトンをかぶせてもらいボルパイで止めてもらう。

 心なしか朝より小粋に着こなされている。


 「昼食に向かう。案内してくれ」


 「わかりました」


 そういうとピュロスが先にたち、廊下を歩きだした。


 「聖域の境でコリーダが待ってます。コリーダについてタロスの市場に向かってください。本日の昼食はそこで行われます」


 タロスの市場?アテナイ人の店とか迎賓館じゃないんだ。

 無言のままついていくとピュロスがその先をつづけた。


 「神官長からのリクエストで、できれば夕食に市場の食材で1品作ってほしいとのことでした」


 あーなるほど、完全に料理人扱いされてるなー、まあ色気よりも食い気の方がマシか。

=アーシアのスキル一覧表=

汎用知識(ギリシャ地域)

一般技能(鑑定)

一般知識(公衆衛生)

特殊技能(尋問)ランクD

特殊技能(神学)ランクF

特殊技能(神聖文字)ランクF

特殊技能(法学)ランクF

特殊技能(料理)ランクE

特殊技能(詐欺)ランクF

特殊技能(薬草学)ランクE

特殊技能(弁論)ランクF

特殊技能(取引)ランクF

特殊技能(魔術)ランクF


今回も変動はありません。

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