アポロ神殿
だんだん開き直ってきました。
デルフォイ編で第1部にしようかな。
それと改題しようかなと思っています。
アーシアの改革(トイレから奴隷解放まで)という感じで9月に入ったら変更します。
コリーダに連れられてクニドスの館を出る。
なぜかスキップしそうなほど上機嫌だ。
「コリーダ、何かあったの?」
「ありましたけど、まだいわないように言われています」
「ふーん?」
奴隷のコリーダに命令したのはその所有者だろうから……あれ誰だ?
巫女長だとは思うんだけど確認はしていなかったな。
聖域と神殿の境でコリーダは立ち止まると、こちらを向き腰を折りながら、上目遣いで尋ねてきた。
「アーシア様、どちらから参ります?まっすぐ進んで、あそこのアカイア人の宝物庫の横の細い階段を上ると円形劇場に行けます」
そういいながら石造りの建物や階段を指さす。
「ここから左に曲がって路地に沿って進めば塀の向こうのアポロ神殿に行けます」
この時点で異臭が風に紛れて鼻を刺した。
ちょっと刺すような、温泉っぽい臭いだ?
「じゃあ、アポロ神殿から行こうか」
「かしこまりました。こちらです」
そういうと再びコリーダが先導する。
左に曲がってすぐにもう一度左に曲がる。
塀がL字に突き出していたりするが右側はアポロ神殿との境の塀だ。
この辺りは糞尿の臭いのほうが強い。すぐ鼻が慣れたが、ちょっと悲しい。
左側には壁画や蜂らしい彫像が並んでいる。
「これらはテッサリア寄贈の記念碑です」
「テッサリア?」
「ここからまだ北のほうですね。ラリッサが中心的なポリスになります。」
「その奥にはネオプトレムスの聖廟があるのですが、神殿はここから道沿いに右に行きます」
右手の壁が迫ってきて道幅が狭くなったところを抜けた、右手の奥にイオニア式の円柱が並んで見えるあれが神殿だろう。
「左手の奥にタラスの市場があります。右手の柱がアポロ神殿になります」
やはりあれで間違いはないようだ。
神殿に近づくと思ったより大きい。60m×20mの長方形で高さも10mを超えている。
「まず三脚台からご案内します」
コリーダが連れて行ってくれたのは天井から御簾がおりている場所だった。
御簾をめくると、その奥には巫女が神託を受けるために座る椅子(円盤に三つの脚がついた形)が置いてある。
その脚には床が割れ、一部黒いものが染み出している。硫黄臭の原因はこれっぽいが?
「ここはアポロの生まれた黄泉の世界と繋がっているといわれます。今日は神気が少ないので平気ですが巫女様方が予言を受ける際には白い霧となって噴き出すこともあります」
……説明だけ聞くと温泉みたいな感じだが?
温泉そのものは他の場所でも見つかってるし珍しいほどではないだろう。
なにか違う点は……あの黒いもんか。
そのまま三脚台に近づいていく。コリーダは御簾の向こうで見ている。巫女以外はダメとかあるんだろう。
三脚台の下の割れ目に顔を近づけ、臭いを確認する。
……うっすらとゴムとシンナーを足したような臭い。わずかに硫黄の臭いもする。
んー予想外の臭い?
黒い物質を木の枝を拾ってつついてみる。
ビローンという感じで枝にくっついてきた。
これって石油ピッチだ。ということは、この下に油田?
……
やなことを想像してしまった。
油田から出てくるガスを吸い込んで喉の粘膜や声帯、肺が焼けたら、声って変わるかな?
たぶん腫れて大きく固くなるから低音になるよね。神の声ってそういうこと?
ひでー そりゃ死ぬわな。
そのまま三脚台からはなれコリーダに確認する。
「そこから近くに行ってはいけないのか?」
予想通りの答えが返ってきた。
「はい、これより先は巫女様方以外は近寄ってもいけないと決まっています」
はー、やなもん見た。
次行こう。
すぐ横には見事なアポロの像があった.
はー気合入ってるねー
コリーダが呟くようにいった。
「やっぱり、アーシア様、そっくりですね」
え?そうなの……かな?なにしろ昨日以来、外観を見ていない。
ただもうすこし大人になれば、そうかもしれない。
つくづくアーシアの外観のスペックに驚愕する。
「こちらがヘスティアの竈です」
コリーダは平然と次の紹介に移った。
なんと、俺の驚愕より、そっちの紹介のほうが重要!?
「今まで薪を入れたことがないのに、火が絶えたことがありません。デルフォイの秘宝です」
うん、今なら信じられる。石油か、天然ガスでも噴き出してるんだよね。
うまく調整した人がいるなあ、とは思うが、現実性はありです。
そのあと、オンファロス、ディオニソスの墓、ポセイドンの祭壇と紹介され、神殿一回り終了となった。
結構ヘビーな内容でした。
神殿をでるとコリーダから
「下町と円形劇場、どちらを先に見ますか?」
とふられたので足元の影を見たが時間がわからない。このあたり修練が必要らしい。
俺の行動を見たコリーダが午前九時から午前十時の中間と教えてくれた。
まだお昼には時間がありそうなので下町を見に行くことにした。
参道を逆に下る形で下町に向かう形にした。
「あそこにアテナイ人の店がありますよ」
指さした方向には石造りの柱の間で、フリマのように商品を売っている一角がみえた。
二人の男性が何かもめているらしい。
あんまりかかわりたくないが、よくあることらしく周りの人はスルーしてるんで大丈夫だろう。
ちょっと売り物には興味があったので店を覗いてみることにした。
=アーシアのスキル一覧表=
汎用知識(ギリシャ地域)
一般技能(鑑定)
一般知識(公衆衛生)
特殊技能(尋問)ランクF
特殊技能(神学)ランクF
特殊技能(神聖文字)ランクF
特殊技能(法学)ランクF
特殊技能(料理)ランクE
特殊技能(詐欺)ランクF
特殊技能(薬草学)ランクE
特殊技能(弁論)ランクF
今回は変更なしです。




