眠れない夜(おい9話のタイトルはどうなった)
デルフォイから出るのに予想以上に時間がかかっています。
そろそろスパルタにいたはずなのに。
この神殿自体、謎がたくさんあるので、設定考えるの楽しいです。
そのせいで本編が進まないんですが……
眠れない。
困った。
よく考えてみればまだ夜の7時か8時……眠いわけがない。
コリーダの息も寝てない感じだったので声をかけてみた。
「コリーダ起きてるか?」
「はい、アーシア様。具合が悪いのですか?」
「いや、寝付けないだけだ」
「そうですか」
……
うーむ、話が続かない……なにか話題を……
「デルフォイについて教えてくれ」
「デルフォイの何についてでしょうか?」
「あー、まずは神託についてかな。どうして俺の神託が本物と判断されたのか聞きたい?」
「詳しい話は聞いてませんが、その声を聞けば間違いないと思います」
……声?
「明らかに神の声になっています」
神の声???
「えーと、神の声って何?」
「神の声は巫女が神託をする時の声です」
コリーダの説明を要約するとこうなる。
巫女は三脚台といわれる場所に座り、大地からの神気を吸って神託を行う。
ただし毎回成功するとは限らない。
神託があったときは、巫女の声が男性のような太い低い声になるらしい。
また意味のある言葉を告げることは稀で、横にいる神官がその声を判読して内容を告げるのが一般的らしい。
一般的に巫女は神託が成功するとほぼ死亡するらしく、稀に生き延びても2回目の神託後には死亡するらしい。
今の巫女長の3回というのが尊敬されてるわけだ。
また神託に成功しなくても死亡する例があるため、巫女の神託儀式自体が重要なことでない限りはおこなわれず、占術や巫術で判別するのがほとんどらしい。
「それを聞いても、俺の声が神の声って理由がわからないんだが?」
「少年なのに明らかに成年の太い声になってますよ、いまでも」
「!」
そういえば、自分でしゃべってる時に違和感覚えてなかった。
ということはみんなが聞いてるのは東山優馬24才の声か。
神託の時に急に少年の声から切り替わったなら……納得できるな。
「なるほど」
「おわかりになりましたか?」
「納得した」
あとは・・・巫女長と神官長か・・あの二人について聞いておこう。
「あとは巫女長と神官長について聞きたい」
「詳しいことは話せませんが?」
「構わない。話せる範囲でたのむ」
アレティア巫女長 42才 女性 ドーリア人 タラント出身
今まで3回の神託に成功した偉人。 祖母がエウリュポン王家の出身。
タラントっていうのはスパルタの唯一の植民市、エウリュポン王家はスパルタの双王家の一つ、もう一つはアギス王家。
アイオス神官長 58才 男性 イオニア人 アテナイ市民
財政、外交担当。基本的は巫女長の補佐。
ただ、神殿への奉納が圧倒的にイオニア人が多いため巫女長とほぼ対等の権力あり。
巫女長はドーリア人、神官長はイオニア人が歴代の体制。
「というところです」
「なるほど。奉納品か」
「ええ、この神殿には奉納された宝物をしまっておく宝物庫がいくつもあります」
コリーダが指を折りながら数えていく。
「シシリー、シフノス、テーベ、アテナイ、シラクサ、クニドス、コリント、シレネ、代表的のはこの8つですか。」
結構あるし、奉納品はそれぞれポリス単位で管理するんだ。
「有力なポリスはほとんどありますが、ドーリア人はクニドスはあっても本国スパルタはありません」
あれ?たしかに
「それはスパルタがリュクルゴス制をとっているためです」
うん、それは知ってる。学校で習った。
・鉄貨の採用による贅沢品の禁止
・私有財産をほぼ禁止した、軍政的共産主義
・新生児から始まり60才までつながる兵士適正優先。ないとほぼ死亡。
くらいかな。
あと成人が18才とか奴隷から物を盗み殺害することも奨励されてるとかあるけど、ここでは関係ないだろう。
「つまり奉納品が買えないと」
「そうなります」
「でも、そうするとスパルタが神託を受けたいときにはどうするの?」
「巫女はほとんどがドーリア人です・・・それもスパルタ出身の」
了解、巫女を送り込むことで権利をもってるのね。
「巫女は使い捨て扱いかな?」
・・・
「そのようなことはないですが・・・12才くらいで来られて成人する方は稀です」
話からするとそうなるわな。
結構、黒い話だな。
うーん、まあ、明日考えよう。ようやく眠くなってきた。
=アーシアのスキル一覧表=
汎用知識(ギリシャ地域)
一般技能(鑑定)
特殊技能(尋問)ランクF
特殊技能(神学)ランクF
特殊技能(神聖文字)ランクF
特殊技能(法学)ランクF
特殊技能(料理)ランクE
特殊技能(詐欺)ランクF
特殊技能(薬草学)ランクE
特殊技能(弁論)ランクF




