魔王の力・・・ってお前らいい加減にしろ!!
正直、マジで疲れました。
まあ楽しいから良いですけどね!
ついに第三話です。
暇潰しのはずなのにこんなことになりました。
ここはゲームの中の世界。夢と希望にあふれた素晴らしい世界。
そんな世界で今、俺達は・・・
「どうしてこうなったんだ~~~~~!!」
・・・魔物の集団に囲まれていた。
事の発端はこの二人、
「ちょっと!どうするのよこの状況!!」
金色に輝くツインテールを振り回しながら慌てる〈勇者〉の『ニジカ』、俺はこいつのお供だ。・・・そして、
「だから無理だって言ったんですよ!!」
黒のショートカットの勇者とは対照的な存在である〈魔王〉の『シーナ』
なぜ俺達がこんなところにいるかというと。
~2時間前~
俺達はそう深くもない事情があり、魔王と共に魔王の城まで行くことになった。つまり、勇者と魔王が一緒に冒険をするということだ。
そんなのがうまくいくはずもなく・・・
「なにあんた!勇者をバカにするの!?」
「魔王の方がかっこいいって言っただけです!」
四六時中ケンカばかり。戦闘でも息が合わないし・・・
「お前らもう少し静かに・・・」
「「黙ってて(ください)!!」」
「・・・はい。」
こういうときは息ピッタリなんだよなこいつら!!
「あんたって魔王よね?」
道中、ニジカがいきなりシーナに向かって言い出した。
「いきなりなんですか?」
「いや、ちょっとね」
「???」
シーナには分からないようだが、俺には分かる。
あの顔は・・・
「こんなこったろうとは思ったよ・・・」
あの顔は確実にトラブルに遭遇する顔だ。俺達はまた、変な森にいた。
「こんなところまで来て何する気なんだ?」
「ここで、魔王の力が本物か見てあげるのよ!!」
ニジカがシーナの方に向かって「ビシッ」と指を向けながらまたなんか訳の分からないことを言い出した。
「・・・・・・・・・」
シーナはしばらく黙って、それから、
「・・・えっ!?私がですか!?」
「あんた以外に誰がいるのよ?」
「む、無理ですって!!」
「ごちゃごちゃ言ってないで、早くあんたの力を見せなさい!!」
「だから、無理なんです」
「早くしなさい!このばか魔王!!」
「言いましたね!このへっぽこ勇者!!」
・・・また始まった。
「おいお前ら、いいかげんに・・・」
「「黙ってて(ください)!!」」
「・・・はい」
まったく、こんなところまで来てまでケンカするなんて。
もし、モンスターにでも囲まれたら・・・
悪い予感というのは的中するものである。
それを実感したのは、その直後のことだった。
「なぁシーナ、一回ぐらい見せてやればいいじゃないか」
「ですから本当にできないんですって」
「えっ?何で?」
魔王なんだから魔法や特別な力ぐらいあるだろ
「今の私には魔力が無いんですよ」
ああ、なるほどそういうことか。
「じゃあニジカ、頼んだ」
「は?頼んだってなにを?」
「こいつらの相手」
俺は周りを見ながら言った。
「「!!!!!!!」」
二人とも俺に言われてやっと気付いたのか。
さっきからモンスターに囲まれていることを・・・
「おいニジカ、早くその最強の剣とやらでこいつらを倒してくれ」
「ムリよ」
「はぁ?お前も聞いたろ?シーナに魔力がないこと」
「うん」
「じゃあいいじゃないか、早く・・・」
「だからムリ」
「何で?」
「この剣の中には魔王の魔力が封印されてるって言ったでしょ。魔王の魔力なんかが封印された剣なんか勇者が使えるわけがないでしょ」
ああ、なるほど・・・って
「じゃあどうすんだよこの状況!!」
「わ、私は、お二人がどうにかしてくれるのかと・・・」
「あんたたちがどうにかするのかと」
危険な森の中、魔物に囲まれた無力な俺達。
「どうしてこうなったんだ~~~~~!!」
というわけで今に至る
「ほんとにどうすんだよこれ・・・」
「あ、あんたたち、どうにかしなさいよ!!」
「むむむ、むりですよ!!せめて私に魔力がもどれば・・・」
「そんなの、なんとかできないの!?この役立たず!!」
「もとはといえば、あなたのそのへんな剣のせいじゃないですか!!」
・・・もうこいつらはほうっておこう。
さて、どうするかな。いざとなったらこの二人を囮にして逃げればいいのだが。
1,ニジカに任せる。
こいつも勇者だから、なんとかなるだろう・・・無理か。
2,俺が何とかする。
・・・無理だよなぁ。
3,シーナに任せる。
何とかしてあいつに魔力が戻らないかな?
・・・まてよ、確かあいつあの時。
「・・・!そうだ、この手があった!!」
「な、なによいきなり」
「どうしたんですか?」
「ニジカ、ちょっといいか?」
俺はニジカに作戦を伝えた。
「これで絶対にうまく・・・」
「いやよ」
「なんでだよ!!」
「あんな魔王なんかに手を貸すなんて」
このやろう、変な意地なんかはりやがって。
だがまあいい、これも計算内だ。
「分かった、じゃあもうひとつの作戦を使う」
「最初からそうしなさいよ!」
「まずはお前がモンスターの群れにつっこんでいく」
「わかったわ、それで?」
「そのあとは俺がまた指示をする」
「大丈夫なの?嫌な予感がするんだけど・・・」
「大丈夫だ、俺を信じろ!」
ニジカは少しためらったが、
「よし、じゃあいくわよ!!」
モンスターに向かってつっこんでいった
・・・・・・・・・
「それでこのあとどうするの?・・・ちょ、ちょっと指示は!?は、早く指示出してよ!?こ、こっちに来た!!来てるって!!ちょ、ちょっとた、助けて!!こんな森に連れてきたことは謝るから!!た、助けなさいよ!!」
・・・剣を捨てて逃げてった。
「よし、作戦通り!」
「あ、あれでですか?」
隣ではシーナが顔を真っ青にしながらニジカを見ていた。
「よし、じゃあ次はシーナ、お前の番だ」
「え?わ、私ですか?」
「ああそうだ。お前はあの剣を使え」
「??」
シーナは、意味が分からないというように首をかしげた。
「いいか、ニジカはあの剣に魔王、つまりお前の魔力が封印されてるって言っていた。ならお前がつかえば魔力が戻るんじゃないか?」
「わ、分かりました。やってみます」
でもまあそんんなに上手くいくわけがない、いざとなればやっぱり俺が・・・
ズザン!!
『ぎゅおぉぉお!!』
やっぱこいつら強いわ!
「いや~~、無事に帰れてよかったなぁ」
その後、俺達は何とか森を抜けることが出来たのだが・・・
「今回は私の力で勝ちました!!」
「私の剣のおかげでしょ!!」
この二人組は森からずっとこんな感じだ。
「俺の作戦のおかげじゃ・・・」
「黙ってて(ください)!!」
「・・・はい」
いつまで続くんだこれ・・・
「まあ今回はシーナに譲ってもいいんじゃないか?一応こいつの力で勝てたんだから」
「・・・ふんっ、仕方ないわね!」
「ソ、ソータさん、ありがとうございます!」
「あ、ああ」
そ、そんなにキラキラした笑顔で言われたら・・・
「キモッ、なににやにやしてるのよ」
「う、うるせー!」
とまあこんな感じで、俺達の冒険は進んで・・・るのかなぁ?
追伸
あのあとニジカに100発くらい殴られましたけどなにか?
続く
どうでしたか?つまらないでしょう。
今回は魔王、シーナがその力を発揮しました。
おかげでもうネタがないです。
まだまだ続くんでまあほどほどにお付きあいお願いします。
・・・嘘です。
次も見てください、マジでよろしくお願いします。