勇者と魔王・・・ってこいつが魔王か!?
ついに第2話です。
かなり頑張りました。
読んでくださいお願いします‼
ここはゲームのなかの世界、俺はこのゲームの登場人物としてこの世界に呼ばれた。
俺の名前は<ソータ>、ここに来る前の記憶が無く、このソータという名前も勝手につけられたものである。
この世界での俺の役目は勇者・・・ではなく、勇者のお供だそうだ。
俺が元の世界に帰るためには二つの方法があるらしい。一つはこの世界に平和をもたらすこと、もう一つあるのだが俺は知らない。
俺は‘自分のために’平和をもたらそうと魔王を倒しに冒険に出かけた。さて、魔王を倒すために必要な勇者様、<ニジカ>は・・・
「ちょっと!早く助けなさいよ〜!!」
「やなこった、もともと自業自得だろうが!!」
なんで隣町に行くだけなのに三回もこんなに強いモンスターに遭遇するのかなぁ!?
「だからあんなところ通るなっていったろ!!」
そう、こいつは近道だからと変な森のなかに入っていった、それを三回も…
その結果がこれだ。
「なんでこの巨大ムカデこんなに早いのよ!?」
巨大な毛虫にカエル、さらにはムカデまで、しかも結構強い!
「お前勇者なんだからこいつを倒せよ!!」
「いやよ、こんな気持ち悪いの!!」
ニジカの言葉に怒ったのか、こいつらはさらに速くなった。
「なんでもありかよこの世界は!?」
何はともあれ、なんとか無事に最初の街に着いたようだ。そのころにはすでに辺りも暗くなっていた
「最初からこんなんで大丈夫かよ・・・」
「さてここが最初の町か、まずは・・・」
「わぁ〜、ほら見て!知らないものがいっぱいあるよ!」
目を輝かせて知らない町を見回すニジカ。こういうところだけは可愛いんだけどな…
「こういうところだけは可愛いんだけどな・・・」
「・・・っ!な、なに言ってんのよ!!」
やべっ!声に出てた!!
「別になにも言ってない!言ってないからその剣を降ろせ!!」
そんなに顔を真っ赤にして怒らなくてもいいじゃないか…
「ところでこれからどうするんだ?」
「そうね、まずは宿屋に一泊かしら」
「え?情報とか買い物とかはいいのか?」
「ここら辺の情報は役に立たないことばかりだから別にいいわ。そして買い物も必要なし!」
「はぁ・・・、じゃあ宿屋に行くか?」
「あ、でもその前に・・・」
「なんだよ宿屋じゃないのか?」
「いや、その、すこーしだけ観光したいな〜って・・・」
「じゃあしてこいよ」
「ひ、ひとりで行かせる気!?」
「なんだよ、観光ぐらいひとりで行けよ」
「いや、もう辺りも暗いし、それに一人で行っても・・・」
「なんだ、怖いのか?」
「べつに怖くなんかないわよ!!」
確かにもう辺りも暗いし、何よりこいつを一人にしてなにか事件でもおこされる訳にもいかないしな。
「分かった、一緒に行ってやるよ」
「え、ほんと!?」
「ああ、お前一人だと心配だからな」
「・・・え?・・・し、心配してくれるの?」
「なにか事件をおこさないようにな!」
「・・・・・・・・・」
「ちょっと待て!!なぜ無言で剣を構える!?」「うるさい!!とっとと行くわよ!!」
「分かった、分かったから剣を降ろせ!!」
結局俺はその後、荷物持ちとして使われた。
3時間後、俺達は宿屋にいた
「あ〜楽しかった」
「お前どんだけ買ってんだよ!!本来の目的忘れてるんじゃないよな!!」
「・・・・わ、忘れてるわけないじゃない!」
忘れてた、こいつ今絶対忘れてた!
「そんなことより、早く」
「・・・は?何のことだ?」
「早く部屋から出てってよ」
「え?俺もここで寝るんじゃないのか?」
「なに言ってんのよ、あんたなんかと私が一緒に寝るわけないじゃない」
「無茶言うな!何のためにベッドが何個もあるんだよ!!」
「あんたなんかと同じ部屋にいたら何をされるか・・・」
「ふざけんな!俺がそんなやつに見えるか!?」
「見える!」
・・・はっきりと言われた
くそっ!こいつは年上に対する礼儀というものを知らんようだな、年上に対する礼儀を教えてやらねばならないようだ。
「よし分かった!お前に今から俺が礼儀というものを教えてやる!」
〜1分後〜
「分かった、俺が悪かったから落ち着け!剣を降ろせ!!誰か助けてくれ〜!!」
・・・ダメでした。
〜深夜〜
俺はふと目が覚めた。やけに外が騒がしい。窓から外を除いてみた。
「魔王だ!!魔王が攻めてきたぞ〜!!」
なに!魔王!?これはヤバい
「ニジカ、起きろ!魔王だ、魔王が来たぞ!!」
「・・・・・・・・」
だめだこいつ起きねぇ!俺はニジカの体を揺すりながらがんばって起こそうとした。
「ニジカ、早く起きろって」
「なによ、うるさいわね!・・・ってあんた、なに胸触ってるのよ!!」
「あっすまん気づかなかった」
「・・・・・・」
~村の広場~
なんとかニジカを広場まで連れてこれた
俺はまだ痛む頬をさすりながら魔王の場所へ走っていた
あのあと俺は、また無言になったニジカにボコボコにされた
「いい加減、機嫌直せよ」
「ふんっ‼」
かれこれ5分ぐらいはこんなかんじだ
「あっ、あそこだな」
村のはずれ、村と外の境目くらいのところにいかにも「魔王
」らしい奴がいた
『我はこの地に古から封印された存在である!』
やべえ、勝てそうにない。だがしかし大丈夫だ。これはRPGの定番、いわゆる「負けイベント」だ。
最初に勇者が強制的に負けて物語が進む、というわけだ
「何?あれが魔王?あんな奴私が簡単に倒してやるんだから‼」
むりむり、負けイベントだっての。あいつが勝てるはずがない。
ズザン‼
ほ~らな、簡単に負け・・・
『ぐおおお‼なぜ私がこんなに簡単に~‼』
こいつ簡単に倒しやがった!?
「やったぁ」
「やったぁ、じゃねえ‼何で簡単に魔王が負けるんだよ!まだ初期装備なのに!!」
「ああこれ?なんか最初にあの女神がくれた。なんか最強の剣だって」
「く、くれた!?」
「ちなみに防具も最強よ」
ほんとになんでもありかよこの世界は‼
「さあ、魔王もたおしたし宿に戻って寝よ~と」
「頭痛くなってきた・・・。とりあえず寝よ・・・」
まだこのとき俺は気づいていなかった。この展開が何を意味するかを・・・
~次の日~
「さあ!出発するわよ‼」
「おう!」
・・・・・・・・・・・
「どこへだ!?」
今気がついた。昨日俺達は魔王を倒した。つまり目指すべきものがなくなったのだ!
「どこって、世界を平和にするための旅よ」
「だって魔王は昨日倒したんだぞ‼」
「・・・・!た、確かに‼」
マジでどうすんだ、魔王は倒したけどまだモンスターはいる。
「「どうしよう・・・」」
・
・
・
もう一泊しました・・・
「とりあえず、少しずつモンスターを倒していこう」
「え?そんなんでいいわけ?」
「だって魔王は倒されたし、もう新しいモンスターは出てこないだろ」
「・・・確かに」
「あと、〈クエスト〉みたいなやつもやってけば」
「クエストって何よ?」
「クエストってのは、村の人の頼みや悩みを解決してやるものだ」
「ふ~ん。じゃあとりあえずそのクエストってやつをやっていきましょ」
~2時間後~
「全部雑用じゃない‼」
あ、気づかれた。
「まあいいじゃないか、感謝されただろ」
クイクイッ
「ん?」
俺がニジカをなだめていると、誰かに服を引かれた。
「誰だ?」
しかし、周りを見ても誰もいない。
「あの~・・・」
・・・右下から声がした。
前にもあったなこんなこと・・・
声のした方を見ると、
「あなたたちが魔王を倒した、勇者?」
ニジカと同じくらいの背丈の女の子が立っていた
「ああ、そうだけど。勇者は・・・あれ?」
さっきまでそこにいたニジカが遠くまで逃げていた
「ど、どうした?」
「気をつけて、そいつ魔王よ!」
・・・は?この子が魔王?
「何でわかるんだよ?」
「この剣に封印した魔力が反応してるのよ!」
便利な剣だな・・・・
じゃなくて‼
「君、マジで魔王なの?」
「ち、ちちちちがいますよ!?」
意外と分かりやすかった・・・
「で、魔王が何の用よ?」
いつのまにか近くにいたニジカが聞いた。
「あの・・・私を魔王の城まで連れて行って下さい‼」
「断るわよ」
速っ!
「話ぐらい聞いてやれよ!」
「しょうがないわね・・・」
「実は、私は魔力がなくなったせいで城に帰れなくなりました。このままだと、モンスターが居なくなることなく、永久にモンスターは増え続きます・・・」
「つまり、城に行かないとモンスターは増え続けるってことか?」
「はい・・・」
つまり、俺達が魔王の城に行かないと世界は平和にならないってことか。
「しょうがない、行くか」
「いってらっしゃい‼」
「お前が行かなくてどうすんだよ‼」
嫌がるニジカをひきずりながら、俺達の冒険はまた始まった。
「私、シーナです。よろしくお願いします‼」
・・・なぜかかわいらしい名前の魔王と共に・・・
続く
終わりました。
まさかの魔王ですね。
気のきいた後書きが書けずにこんなんになりました。
多分7~8話で完結なので、それまでお付き合いおねがいします。