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日本国世界大戦  作者: 一機当千
本編
19/68

思惑〈アメリカ合衆国編〉

暇だったのでもう一話投稿です。

いまさらですが、誤字・脱字、修正がありましたらご指摘お願いします。

アメリカ合衆国 ハワイ州


現在この州でとある艦がアメリカ軍に引き渡されようとしていた。

ハワイ級宇宙戦艦1番艦 ハワイ

基準排水量3万5000トンを誇るこの艦は日本やロシアの持つ宇宙戦闘艦には若干劣るものアメリカの持てる技術の全てを注ぎ込んだアメリカ軍史上初めての宇宙戦闘艦である。ところで何故ハワイでこの艦が引き渡されたのかというと、単純にアメリカ国内で宇宙進出専用航路を有しているのがここハワイだけであるのが理由である。今はグアム・サイパンにも航路の設定を申請しているが、認可されても正式に使えるようになるのは5年後なので当分はハワイだけの状態が続くことになる。

そんなこんなで引き渡しが終わり宇宙での練習航海に向けて準備をしている中、ハワイ艦橋では艦長であるハリソン・フォワード大佐は感慨深げにその様子を見ていた。経済の低迷の余波を受けアメリカ軍も規模縮小を余儀なくされ、日本をはじめとした海外の基地からの撤退を皮切りに急速にその影響力を失い、宇宙戦略でも日本を筆頭にロシア・中国挙句には欧州・あとアジアのどっかの半島国家にまでまさかの遅れをとるなどの事態に見舞われたが、今こうしてこの艦がこの世界に生まれ落ち自分がその艦長を務めることになるとは思わなかった。そんな感じで思いふけっていると副長であるアラン・セネル中佐が「艦長、各員準備が出来ました。システムオールグリーンです。」と報告する。

「ふむ、ではアメリカ軍初の宇宙への出撃をするとするか、総員持ち場へつけ!出港するぞ!!」その言葉を発した直後、ハワイは宇宙へ上がるため動き出した。


地球大気圏外


“艦長、前方に艦影を2つ確認、日本艦だと思われます。”大気圏を無事出ることが出来て、一安心しているとそのような連絡が入る。

「ふむ、確かハワイの習熟訓練の協力のために日本から派遣されてくる予定だったな?」

「はい、突撃艦が2隻ほど合流するはずです。」そう肯定するアラン副長、すかさずCICから続報が入る。

“先ほどの2隻の艦種が判明。萌黄型突撃艦3番艦「若葉」及び4番艦「松葉」です。”

「進路そのまま、2隻と合流する。」そう命令し、ふと気になったことを隣のアラン副長に聞いてみる。

「ところでアラン、WAKABAやMATUBAもそうだがMOEGI型突撃艦の名前ってなにが由来になっているんだい?」割りとどうでもいい事だったがアラン副長は笑いながら、

「ハリソン、日本の宇宙戦闘艦だが突破艦は星座、巡航艦は湾名、そして、突撃艦は日本の古来の色の名前をつけているそうだぞ。ちなみにMOEGI型は緑系の名前をつけているらしい。」と答える。彼が説明してくれたので蛇足的な事をいわせてもらうが、この萌黄型突撃艦は基準排水量1万トンで120mm多目的連装砲を上部前方に2門、上部後方に浮遊砲台48基、舷側に多目的誘導弾発射管片舷4門計8門で武装しており、重力操作エンジン4基を搭載した。日本国宇宙防衛隊では一般的な“小型艦”である。同型艦として、1番艦「萌黄」をはじめ、2番艦「若菜」、3番艦「若葉」、4番艦「松葉」、5番艦「若草」、6番艦「若苗」の6隻が竣工しており、全艦第2星団に所属している。そんな色があるのか?と疑問に思ったひとは、「日本 和色」とネットで調べてみるといい正直数が多くて筆者は驚いた。以上蛇足終わり。

「なるほど、色の名前か相変わらず日本は面白い名前を軍艦につけるのだな。」

「そういえば艦長は海軍からの転属でしたね、日本の駆逐艦の艦名は特徴的と聞きますが本当なのですか?」今度はアラン副長が質問を投げかける。

「特徴的かどうかは知らないが、可愛らしい名前が多いのは確かだな。私が知っているだけでも“Blizzard”“White Wave”“Morning Mist”あと“Evening Shower”とかがあったな。とはいえ英語だとこんなだが日本語でなら“HUBUKI”“SIRANAMI”“ASAGIRI””YUUDATI”となるがな、確か君は空軍からの転属だったな日本の航空機もそんな感じなのか?」

「まぁ確かに花みたいな名前がついているのもありますが、そんな変ではないですよ」

どういうわけか日本談義が始まりだしたが、そこに通信が割り込む。

“艦長、若葉から映像通信が入っています。つなぎますか?”「つないでくれ」その直後、艦橋に備え付けられたモニターが起動し、一人の女性が映りだす。

「こんにちはお初にお目にかかります。突撃艦若葉の艦長を務めております秋山 冬華二等宙佐です。今回宇宙戦艦ハワイの習熟訓練の協力にきました。改めてよろしくお願いします。」

「艦長のハリソン・フォワード大佐だ。こちらこそよろしく頼むなんせ我々にとっては初めての領域での活動故にそちらに色々手間はかけることになるかもしれん。」

そんな挨拶を交わしているとふと後ろで佇んでいる少女が目に入った。年齢は中学生~高校生あたりで緑系の髪をポニーテールにしている。なぜか服装がゴスロリであるのが余計に眼を惹きつける。そんな視線を知ってか知らずか秋山艦長が上品な笑みを浮かべながら「はい、かしこまりましたわ。一先ず当初の予定通り地球の周りをまわって航行の訓練を行います。我々が貴艦の前後について合わせますので、そちらの自由に操艦してください。」「あぁ、了解した。」そんな感じで通信を終えアラン副長に話しかける。

「アラン、さっきの見たか?」「えぇ、綺麗な方でしたね秋山艦長」

いやたしかに綺麗だったがそっちじゃねよとツッコミを入れたのち、後ろにいた少女の話をする。

「日本で使われている偽魂体というやつですかね?自分は初めて見ましたが結構かわいい子でしたね、正直彼女とかにできたら自慢できそうですね。」

タイプですし・・、そんなつぶやきが聞こえた気がしたが気のせいだよな?確かこいつ奥さんと娘さんが2人いたはずだしとまぁそれは置いとくとして

「私は海上防衛隊との合同演習で何回か見たことがあるが、あんな子もいるのだなそういえば本艦にも偽魂技術は搭載されていたはずだが・・」

「確かに日本の好意でこの“ハワイ”にも搭載されていますが、残念ながら本艦の乗員には分魂適正者はいませんので、実質宝の持ち腐れ状態です。」

今サラッと偽魂技術の欠点が話されたので説明するが、偽魂技術とは無から魂を作るのではなく。魂を持つ者から分けてもらい共有することで成り立っている。また魂を分けるにしても分ける対象との相性もあるので、日本では分魂適正者は重宝されている。ちなみに秋山艦長や駆逐艦夕立の広瀬艦長はその分魂適正者のため20代前半という若さでありながら艦長という重役についている(つかされている)。そしてどういうわけかこの分魂適正者未だに日本人以外で現れたことがない。そんなわけもあって海外では変わりにアンドロイド技術を発展させることにしたのだが、信頼性に若干不安があり利用しているのはごく一部である。

「いない者のことを考えても仕方ないのだろうが、もし本艦に偽魂体がいたらどんな娘だろうな。」

「自分は巨乳でも貧乳でもどっちでもOKですよ。艦長」本気か冗談かわからない返答をするアラン副長、さっきから女性関連の話で目が生き生きしているのだがもしかしたらそうとうな女好きなのかもしれない。そんな感じで彼の認識について改めながら一刻も早くハワイを戦力化するために気を引き締めるハリソンであった。

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