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日本国世界大戦  作者: 一機当千
本編
18/68

思惑〈中華人民共和国編〉

今回は中国編です。あと三カ国ほど続きます。

中華人民共和国 北京


日本の隣国であるこの大国は昔工場の排煙で青空が覆われていたとは思えないほどの晴天だった。まぁ、一昔前におきた大震災の際に復興支援の次いでに国丸ごと日本が徹底的に浄化した結果なのだが・・


「では、日本の大臣は一先ずあきらめて帰ったということでいいのだな?」そう電話で確認を取っている男、王 周来主席は相手から肯定の言葉を聞いた後電話を切り、目の前の幹部と話を始める。

「では早速君が差し向けた“捕獲任務艦隊”についての報告を聞こうか」そう不機嫌そうに報告を聞く王主席、声の端々に若干怒りが込められている気もするが気にしない。

「はい、まことに恥ずかしながら任務に関しては失敗というしかありません。先ほどの電話の内容通り対象は日本領の小笠原諸島付近で大気圏外に逃走しました。また、わが方の艦隊は追跡途中で反撃にあい大半の艦が損傷しました。現在、海底ドッグで修理中です。」

「捕獲を失敗したことについては不問にしよう、元々無理な要求だったからね、しかし、小日本の軍艦に目撃されたのは感心しないなおまけに彼らに向かってミサイル攻撃を許したらしいじゃないか、かの国でなければ今頃我が国は宣戦布告を受けて戦争状態だ。今回ばかりは小日本の腰抜け政府に感謝したいところだよ。」そう相手を睨みつけながら幹部に非難の言葉を浴びせる主席、その形相はまるで蛇みたいで恐ろしい。睨まれた幹部も冷や汗を流しながら「申し訳ございません。今後は全軍をあげてこのたびの件の解決に向けて努力します。」というほかなかった。

「君たちの身から出た錆だ。これ以上我が国に余計な火の粉が掛からないようにたのむよ。」といったのち幹部を退出させ窓から外を見る、風の音にまぎれてパトカーと消防車のサイレンの音が聞こえる。どこかでまた暴徒化したデモ隊が暴れているのだろう。

「わが党に刃向う野蛮な奴らめ必ず根絶やしにしてやる。覚悟しておくことだな」そう笑いながらつぶやく主席、しかし、目は全く笑っていない。その言葉がデモ隊なのか、彼らが捕獲しようとした艦隊の者たちなのかそれともまったく別の者たちに向けられて発せられたのかは謎である。

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