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日本国世界大戦  作者: 一機当千
本編
16/68

奇襲〈二〉

「全艦警戒を厳にせよ、ゆうだち他の偽魂体と機能共有体制へ移行急げ、あと本土に連絡しろ」「はい!」現在宇宙への進出は民間船・軍用艦問わず専用の航路を取ることが決められており、それ以外での進出は国際法違反である。当然小笠原諸島付近は禁止地帯であるため、宇宙への進出どころか浮遊すら禁止されている。

「中国のやつら一体なに考えてやがる。そもそも宇宙進出航路の制定を宣言したのは自分たちだろうに」若干文句っぽくなっている広瀬ではあるが、一先ずいまこの状況の収束に努めることにした。


「中国艦との連絡はついたか?」

「あらゆるチャンネルで呼びかけていますが、反応なしです。」

そうか、とつぶやきながら俺は中国艦のいる方角を見つめる。もっとも300㎞も離れていたら見えるはずもないのだが・・

「勇士、本部から現状を維持せよと連絡が入ったよ?」

「現在、近くで活動していた第8駆逐隊がこちらに向かっているとのことです。艦長」

「まぁ、何とかしろと命令されても我々じゃあどうしようないから従うほかないか」

そんなやり取りをしながら、警戒を怠らないよう命令しようとしたが、突然CICから叫ぶように“対象から小型飛翔体の発射を確認!数12、ミサイルです!!”と通信が入る。

迎撃用意!そう命令しようとする前に、隣で同じく通信を聞いていたゆうだちが、

「VLS解放、SAM(艦対空誘導弾)発射用意、数各艦4発!夕潮、夕霧は夕立及び夕空の発射後迎撃失敗に備えて待機!」と叫んだ直後、前方甲板に備え付けられていたVLS32セルの内2つのハッチが開き、4つの飛翔体が連続で迫りくるミサイルに向かって飛んでいく夕空からも同じように4発発射され、計8発のSAMが12発のミサイルに向かっていった。

“SAM直撃まであと5秒・・4,3,2,1・・ 目標8発直撃3発爆発に接触し消滅!残り1!!”

“夕潮SAM発射、数1・・迎撃成功、オールクリア”

“中国艦高度急速に上昇しています。大気圏外に出ようとしている模様”

慌ただしくCICから報告が届くがどうやらミサイルは無事迎撃できたらしいもっとも300㎞も離れていれば失敗することのほうが稀だが。

「ちょっと、あっちから撃っておきながら逃げるつもり?そんな簡単に行かせないわよSCM(艦対宙誘導弾)発射よう・・「ゆうだちその辺でやめとけ」」若干ゆうだちが暴走気味だったため慌ててとめる。まったくこいつはすぐ感情的になるから困る。

「なんで?こっちは撃たれたんだよ?」納得がいかないといいたそうな表情で彼女はこっちをみつめる。

「そうはいってもな、迎撃が成功している以上まだ我々は専守防衛の範疇でしか行動は認められていないし、そもそもお前今夕立の攻撃システムロックされたままだろうどう攻撃するつもりだ?」

うっ・・と答えに詰まるゆうだち、どうやら自分自身の特性について失念していたらしい。

ちなみに今会話の途中で出てきた専守防衛についてだが、これは一昔前に謳われていたような自国に被害を受けない限りなにもしないというものではなく、自身に迫りくる脅威ミサイルなどを排除することに重きをおいている。尚、この行動中に人的被害をはじめとした被害がでるか、政府からの許可がおりた時にのみ徹底交戦という行動原理に移行することではじめて相手に攻撃を加えることができる。蛇足だが今現在の日本国の防衛方針は静観警備・専守防衛・徹底交戦の三原則から成りたっている。そして、今回の場合ミサイルという脅威が発生したのは確かだが、その脅威を排除且つこちら側の被害は皆無であり政府からの許可もないため、攻撃自体ができないのである。

「艦長、対象の中国艦隊大気圏を突破しました現在第3星団が監視しております。あと、本部から帰還命令がきておりますが・・・」秋山副長がそう報告して一先ずこの話はここでおわることとなった。後でわかったことだが監視をしていた第3星団は件の艦隊に撒かれてしまい艦隊は何処かにきえてしまったらしい。

「了解した。全艦回頭帰還するぞ。」

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